カップルが持つ子供の数が1人以下になって久しい。
また、日本人の生涯未婚率が上がっている。男性28%、女性17.8%。単独世帯数は、男性36%、女性64%だという。
いよいよ1人1世帯という生活スタイルが定着してきた。少子化を止めるには、若い人に結婚を奨励したり、若夫婦に子供手当を支給したりすることよりも、男女にかかわらず子供を持ちたい人が、安心して生み育てる環境を整えることの方が大切だと思う。
30年前に豪州にシングルマザーで2人の子供達と移住した。
自治体の面接官に、「あなたには何ができるのですか?」と問われて、豪州に来る前はバイオリン教師をしていたと言ったが、資格でひっかかり、成城大学でマスコミを学び記者をやったと言っても、豪州では紙屑より何の役にも立たない。なんちゃって、、だけど、看護師の資格を持っている、と答えたら、「よし、それだ!」というわけで、職業訓練所に無料で入れることになった。
外国で看護師をやっていた経験を持つ移民が、豪州の看護大学の指定する職業訓練校に通うことになって、出会ったクラスメイトは、セルビア人、アルバニア人、ポーランド人、ロシア人、クロアチア人、フィリピン人、スリランカ人、中国人だった。
クラスメイト全員が、シングルマザーだった。アルバニア人でクリスチャンの人など、私の娘くらいの年齢なのに、戦火を逃れてイタリアに着き、難民キャンプの、冷たい体育館のコンクリートで赤ちゃんを出産した、という。それぞれの人が豪州にたどり着くまでのストーリーは、私自身のストーリーを含めて書けば、電話帳くらいの厚さになる。
政府は,16歳以下の子を持つシングルマザーの移民に対して職業訓練所に無料で通わせてくれただけでなく様々な支援をした。(うちの子たちは16歳を超えていたので、いくつかは除外)
1)ブリッジングビザ 2)国民健康保険証
3)無料の職業訓練校と試験の合格したら正看護師資格を与える
4)電車、バス、フェリー1日1ドル(当時)で乗り放題のカード 5)電話、電気、ガス代半額 6)映画、コンサート、バレエなどの半額 7)薬代 8)学資金援助
などなどだ。
子供が一人前に育つためには時間がかかる。国が支援するならば子供の母親をまず、その能力を生かせるように支援して、職業人に育て、自立して暮らせるようにする、という政府の支援の仕方は立派だった。
豪州では、1869年から1969年まで、政府がアボリジニーの子供たちを強制的に母親から取り上げて教会施設などに送り込んで教育をした。それが社会にとっても子供たちにとっても良いことだと当時は考えられていた。しかし親を失い情愛に満ちた経験を持たない子供たちは教会や、白人の里親に使用人のように酷使されたり性的被害にもあった。親にとっても子供にとっても、その歴史的トラウマの大きさは計り知れない。これを、2008年にケビンラッド首相が公式に謝罪した。
英国では、1949年から1976年まで、未婚女性が妊娠すると、国と教会が、赤ちゃんを強制的に取り上げて強制養子縁組をした。その数、17万人。この恥じるべき歴史を辞任する直前の、キースターマー首相が公式謝罪をした。つい先月のことだ。
首相の会見に、招待された被害者の母親は毅然たる態度で「産院で顔も見ないまま赤ちゃんを奪われた恨みは、もう昔のことだが、今後このようなことはどこの国でも行われてはならない。」と言っていた。
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