2026年5月19日火曜日

ユーロビジョン2026

ユーロビジョンが今年で70周年を迎えた。
ヨーロッパで、毎年行われてきた世界最大の歌唱コンテストだが、今年はイスラエルによるガザでのパレスチナ人へのジェノサイトに抗議してスペイン、オランダ、アイルランド、アイスランド、スロベニアが参加を拒否した。
ヨーロッパ各国が代表する歌手が歌い、舞台を見ている10万人の聴衆と、テレビを通してみている1億人と思われる人々が携帯電話で投票して優勝国を決め、その優勝国が翌年の開催国となる。かつてアバやセリーヌデイオンなどを輩出してきた音楽祭だ。

ユーロビジョンは70年の長い歴史の中で、文化に抑制をかけてきた「東ヨーロッパ」の国々の間では、かつては、これを見ることができず、人々は自分たちでアンテナを手に入れて秘密警察から隠れて見ていた。隠しアンテナを持つことがレジスタンスでもあった。ユーロビジョンで歌われた曲を歌い、若者の間で共有することが抵抗運動でもあったのだ。

今年はオーストリアのウイーンで開催された。昨年の優勝者の男性歌手はボーイソプラノよりも高いハイソプラノの声で力強い歌唱力を見せる圧巻のパフォーマンスを見せた。2014年には、同じくオーストリアが優勝し、LGBTQで女性の姿でありながら、もと男性の濃いヒゲを残したコンチータ ヴルストが、声量のあるドラマチックな舞台を演出した。モーツアルトやシュトラウスが活躍したウイーンは、やっぱり文化が革新的で刺激的だ。

総じて女性シンガーのパフォーマンスは,元気いっぱい、激しいリズムのヒップでホップなボーカルと、ブレイクなダンスで舞台を圧倒したが、男性歌手は失恋や母親を恋い慕う歌とか、湿っぽい歌が多い様に思えた。昔は男性は涙を見せない強い男が良かった時代から、女性の支えがないとダメ男ばっかり、という本音を見せるようになった、ということか。
興味深いのは、投票をする人々が自国を投票できない仕組みなので、自分の国の近所の国に投票することだ。仮に少し前まで戦争をしていたボスニア、セルビア、アルバニアといった国々、英国とアイルランド、ギリシャとキプロス、といった決して仲の良くない敵対していた国が、自分たちと文化、言語が共通だったり、似通っていたりしている隣近所の国々の心情を共有していると思われる点は、興味深い。

ウイーンから16,000キロも離れた南半球の豪州は、何年も何年もユーロビジョンに参加したいと、団体に申し出てきた甲斐あって参加が許されて、今年はデルタゴッドラムが出場し、第4位に選ばれた。彼女の歌唱力とベテランパフォーマーとしての自信に満ちたピアノを弾きながらの舞台は立派だった。彼女は若くして人気絶頂だった時に死の病、ホジキン病になり苦しい化学療法の末サバイバルした人だ。
優勝国を選ぶ投票の開票を待つ間、セダーサムソンの語り弾きや、ビリージョエルの語りや、過去の受賞作を若い人達が歌ったりして、なかなかよくできた音楽祭だった。ただ舞台を派手に絢爛豪華にレイザーをふんだんに使って目まぐるしい舞台が続いて、10万人の観衆は目がチカチカして全員が、吐いたのではないか、、また出演者たちもキレキレの激しいダンスで、脳震盪を起こしたのではないか、と医療従事者としては心配したのであった。
写真は優勝したブルガリアのバンガランガ



2026年5月16日土曜日

プラダを着た悪魔2

差別を見過ごさない
「プラダを着た悪魔」20年前にそれなりヒットした同名のハリウッド映画の続編が再び映画化されて市場に出ている。アカデミー主演女優賞を重ねて取ったメリルストリープとアンハサウェイとエミリーブラントと、それらを支えるイタリアの名優スタンレイドゥッチの4人が、20年の年月を感じさせないで、まったく同じような顔と体形で姿を現したのは驚くべきことだ。4人とも好きな役者だ。メリルの「ソフィの選択」が忘れられない。ここまで女性の悲哀を表情一つで表現できる、彼女の役者ぶりには驚いた。

映画では華美で激しい競争を強いられるファッションの世界で、それぞれが、だまし合ったり、出し抜いたり足を引っ張りあったりもがきながら、商売に血眼で頑張る女たちを描いている。10分ごとに長身で、見栄えのあるアンハサウェイが、次々とブランド服をつっかえとっかえ着て出てくる姿は、それなり愉快で、レデイガガが、ショーで歌うシーンも良かった。なによりも、本場ミラノでショーが開かれ、そこがミラノ大聖堂で、ダヴィンチの「最後の晩餐」が見られたのもおどろきだ。

ただ
チャオという中国人らしい女性が新人として会社に採用されてくる。おきまりの「人種差別と偏見で笑いと取る」レイシストビューだ。背が低く、目が吊り上がって、眼鏡をかけて、ダサい服を着た女。映画の中でちょっとした笑いを取るための演出は、私がアジア人であるかどうかにかかわりなく不愉快。人の見た目で笑いを取る、ということをしてはいけない。教養はそのためにあり、片足の人の歩く姿を、指さして笑わないだけの良識をわたしたちは持っていたのではないか。
人は生まれつき成長ホルモンのいたずらで背の伸びない小人症の人も居れば反対の人も、指が4本で生まれてくる人も居る。ナースとして、山火事が起きボランテイアで人々を守ろうとして顔に火傷を負った患者をたくさん見てきた。山火事で消火に当たる人はまず顔から火傷を負うから、ケロイドでフランケンシュタインみたいな顔になる人が多くいる。彼らの姿は異様でも、やってきたことは、誰よりも崇高で美しい。癌で顔半分を手術でなくした人や、声帯のない人や、片目になっても社会復帰している人も沢山居る。外見の違いや障害があっても彼らの社会への貢献は何よりも貴重だ。人は見た目で笑うような幼稚で無教養な社会で生きてはいけない。人種を笑う、異形を笑う、障害を笑う、ような人は、自分が病気や事故で同じ目に遭わないと、笑うことを止めないのだろうか。

人は生まれたときサルと同じ、というか、生まれたときにすぐに立ち上がれないという意味で動物にも劣る。
それを立派な人にするかどうかは教育の力による。サルに劣ったまま大人になるか、教養を身に着け人類に貢献する人になるかは教育にかかっている。だから差別をしないという教育が大事だ。中国人らしい女性が映画に出てくるシーンは、ほんの10分、しかしそのたった10分の差別的な笑いが、暴力に通じるだけに、社会は許してはならないのだ。一方的に笑われることは笑う方が意図しているかどうかにかかわりなく傷を受ける。そうした暴力を見過ごしてはならない。
そう思い当たって、この映画を見続けていると、物質主義のアメリカファッションの世界が、マイアミの豪邸にふんぞり返るトランプに共通するアメリカ文化の、華麗でなく「貧相」、文化的でなく「低俗」、品格でなく「軽薄」に感じられて、このうえなくむなしくなるのであった。


2026年5月12日火曜日

ハンタバイルス アウトブレイク

ハンタバイルスが世界を震撼させている。

豪華クルーズ船MUホンデウス号には150人近くの、23か国から来た旅行者が乗っていた。大西洋を航海中アルゼンチンからカポベルデ沖に達し、スペインのカナリア島に到着するまでに3人の死亡者と2人の重症感染者を出した。今後感染者も死者も増えるだろう。
カナリア島政府と住民が、船の入港と乗船者の上陸を拒否したため、各国政府は23か国、150人をそれぞれの政府が用意したチャーター機で母国に帰国させた。日本人乗客は英国機で英国に飛び、そこで隔離された。
豪州政府は、5人の乗客と、1人のニュージーランド乗客のために特別機を出して、西豪州パースに飛んで、そこから数キロのところに新たに作られた隔離病院に収容する。ここは、2020年コビッドパンデミックのとき、患者収容先に困った政府が大急ぎで作った隔離施設で500床のベッド数があるが、一度も使われることなくコビッド感染は収束した。ニュースで見ると、500床の個室は、ホテルのようだ。

ハンタバイルスは、ネズミ、蝙蝠、爬虫類や魚類が感染源になるバイルスで、発症した生物や人から呼吸器を通して感染する。細菌バクテリアよりも細胞が小さいため抗生物質が効かないし、治療法はない。致死率40%といわれるが、まだよくわかっていないバイルスで、昔からあったが潜伏期間が1日ー24日、コビッドは2週間の隔離で擬陽性者が済んだのに対して、はるかに長い期間隔離されなければならない。
クルーズ船内で亡くなったのは、69歳と70歳の夫婦と、もう1人の3人で、アルゼンチンでバードウォッチングしたことが感染の契機になったかもしれないと言われている。年寄りは肺炎で亡くなるものだが、リタイヤして老後を楽しんでいた仲良し夫婦が一緒に亡くなったのは悲しいことだ。

注目すべきは、英国政府の対応だ。
1人のハンタバイルス感染者が、クルーズ船から降りてセントヘレナ島のその先にある、トリスタンデクンバ島という小さな南太平洋の島に戻った。セントヘレナ島は、アフリカと南米との間にある島で、アフリカ大陸から1840キロ離れ、ナポレオン皇帝が島流しにあって、1821年に、51歳で亡くなった島だ。
パリ観光をした人は、パリの立派なナポレオン墓を訪れるだろう。これはあまりにセントヘレナ島の墓が母国から離れていることに同情した政府によって、遺体を掘り起こしてパリに運んだものだ。セントヘレナ島に行くには、小型機か船だと南アフリカケープタウンから5日間船に乗らなければならない。
で、、、
さらに、そこから飛行機で着陸できる空港がないため、2,400㎞の距離を船で5日間船旅をしなければトリスタンデクンバ島にたどり着けない。そんな島に、疑感染者のクルーズ乗客が帰ったのだ。
英国政府は、島中の住民の感染を予防、治療の対応をするために、昨日、6人のパラメデイックと2人のドクターをパラシュートで島に落下させた。南大西洋の小さな島、ケープタウンから5日間でセントヘレナ島、そこからさらに6日間の船旅でたどり着ける英国植民地、トリスタンデクンバ島の住民のために、これだけのことをする。英国政府。
パラシュートでピューンと島に降りていくドクターたちの姿に、医療関係者であるわたしは心から感動したのであった。
地図の一番下にある赤丸がトリスタンデクンバ島、真ん中がセントヘレナ。一番上の白いのが英国。



2026年5月9日土曜日

母の日に

母の日に
娘たちに
あなたがたは幼いうちに故郷を失い
友達を失い
父親をなくし
母国語を失い
愛犬を失い、愛猫を亡くした
それでも
新しい場所になじみ
新しい言葉で
たったひとりで問題を解決し
愛する小さな命たちの墓を建て
失くしたものよりももっとたくさんのものを獲得してきた
しっかり足を地につけ
生きてきてくれた
それが一番の私の誇り
ありがとう ありがとう
母の日に贈られた
花を飾り
チョコレートをかじり
ゴリラでも1週間で食べきれないほどの果物籠を前に
むしゃむしゃ むしゃむしゃ むしゃむしゃ
食べているよ
ありがとう


2026年4月22日水曜日

武器国家日本の復活

㋃16日、日本の与党連合は「防衛装備品及び技術移転に関する3原則」の改訂と、その運用指針を承認した。次いで4月21日、閣議と国家安全保障会議によって、それらが承認され防衛装備品の輸出を、「救難」や「輸送」だけに限定してきた「5類型」の制約が撤廃された。従って、日本は晴れて、殺傷能力のある武器を、いつでもどこでも、もんくなしに海外輸出できるようになった。

輸出先は日本と協定を結んでいる18か国、G7、スウェーデン、豪州、インド、フイリピン、マレーシア、インドネシア、ベトナム、タイ、UAE、シンガポール、モンゴル,バングラデイッシュだ。輸出できるかどうかは、国家安全保障会議で決定し、国会には「事後通告」する、という。国会は「事前」に武器売買を討議できず、民主的なプロセスが望めない。これは「秘密取引」というやつだ。政府は国民の稼いだお金で、他国と秘密取引ができることになった。
NYの成り上がり不動産屋だった男がボスの米国でさえ、武器の売買には事前通知が必須であって、曲がりなりにも議会を重視する制度があるというのに、それが日本では望めない。

4月18日には、小泉進次郎防衛大臣が、豪州に来て日本製の戦艦を売りつけ、リチャードマーズ防衛大臣から契約を取った。2世議員のトロい奴かと思ったら金儲けには案外すばしこい奴で、4月21日の武器輸出閣議決定を待たず、4月18日に豪州のお買い上げサインを受け取っている。最上艦フリゲート11漕のうち3漕が、三菱重工長崎造船機械工場で建設され、残りは三菱重工の技術で豪州で作られる。豪州は、11漕全部を受け取る10年後までに200億ドルの予算を投入する。

その前には高市首相は、閣議決定で「公務員の予備自衛官法案」と、「全住民収容シェルター」を決定し、全国にミサイル配備を進めている。
彼女は三菱重工から毎年、3,300万円の献金を受けとっている、そのお返しに、当社への受注を、1兆6803億円使ってあげている。
軍事兵器工場ミツビシが豪州に戦艦を売り込むために、どれだけ裏金を使ったか知らないが、えげつない死の商人、それと一体となった自民党政権を支持する国民は、自らの手で自らの首を絞めている。

カタールは自国内のアルウデイド米軍基地を撤収させる。バーレーンから2000人の米軍とその関係者が帰国した。サウジアラビアも数十年かけて何百億ドルもかけてプリンススルタン米軍基地を作ったが、たった1日のイランによる攻撃でレーダーを失い基地の機能が失われた。イランに叩かれて、UAEも、イラクもシリアも、中東の国々が、イランの筋の通った外交に、正気をやっと取り戻し、米軍基地を撤退させようとしている、この時期に、日本は、正反対に軍国化を進めている。
このひと月に、これほど日本の軍国化が急速に進められてきたことは今までなかったことだ。なにもかも閣議決定で事が進められて、議会制民主主義は完全に封印されている。今の日本は断じて民主国家ではない。


2026年4月13日月曜日

イラン軍テルアビブ攻撃

遂に!!!これでガザのパレスチナの人々の飢えと渇きを、イスラエルの人々も知ることになるだろう!

2026年4月8日水曜日

わたしはあなたと居たい


わたしは、イランの発電所の前で、人間の盾となって座り込んでいる、あなたの隣にすわっていたい。
わたしは、爆撃されるとわかっていて去年の今日も、おととしの今日も、いつもどおりにサウスパレスの油田で汗を流している、あなたの横で働いていたい。
わたしは、夫の研究が国のため、世界のためになるとわかっていて働いてきた物理学者の妻でありたい。
わたしは、将来はお医者さんになる、と言う小さな娘を、ミナブの小学校に送り出した母親になりたい。
きょうは、
わたしは、テヘランの製油所の前で、誇り高い国旗を腕に抱え、あなたといっしょに、ほほを風にくすぐられて
ふふっと
笑いあっていたい。
I wish to sit down beside Iranian Power Station, like you are doing as a Human Shield.
I wish to work with you in the South Pale oil refinery, like you have been working today, last year's today ,and the year before today as a day's routine.
I wish to be a mother like you, baby girl who wants to be a doctor to send Minab Elementary School.
Today,
I wish to sit with you, who proud of holding Iranian National Flag, front of a Oil Refinery in Teheran as a human shield.
With you
Looking at each other, smilling with cool breeze such a beautiful Spring day.