2026年7月4日土曜日

人道ビザを100万人に

豪州が、戦後100万人の「人道ビザ」を発給した記念に、記念切手が発行されると報道された

第1次世界大戦のあと人口600万人を切った豪州では、第2次世界大戦前後、ヨーロッパから戦火を逃れて沢山の移民がやって来て、職を得て生活基盤を作る手助けをしてきた。これら数百万人の移民以外に、人道ビザでやってきた難民とは、生まれて育った国が消失したり、他国に占有されたり、政治的な理由で亡命せざるを得なかった人々や、LGBTQなど迫害を受けてきた人々に出されるビザだ。
移民も難民も政府の受け入れビザに違いがあるが、いったん永住権や市民権が出ると、その後は同じプロセスで、国民健康保険と510時間の英語教育を受けられる権利が与えられる。

私は小さな私立の医療施設で働くが、同僚のマリアは、シエラレオーネから来ていて、父親がダイヤモンド鉱山の持ち主だったが、鉱山が英国企業に乗っ取られて、命を狙われて追われるように移民してきた。またもう一人のガーナから来たナースは、レズビアンだったので、2000年シドニーオリンピックの時に選手として来豪しそのまま移住した。またシニアナースのラデイアは旧ユーゴスラビアから来たので、「チトーは英雄だった。」と思わず私見を言ったら、彼女火のように怒って「コミュニストのチトーのくそやろう。」と、、、ユーゴ統一の犠牲者だったのだ。
国民の4人に1人は外国生まれの豪州では100人100様の現代史に沿った物語がある。

もとあったグループに新しい人が入ってきたら、決められたルールが理解されなかったり、コミュニケーションがうまくいかず新人を受け入れるよりも排除しようとする動きが必ず起きる。
戦後50万人ものイタリア移民が豪州に来たとき彼らは、シドニー中心に近いライカットの街に住み着いた。それをオージーらは「臭い、汚い、黒髪黒目のどぶネズミ」などと言いあったそうだ。いまではライカットのイタリア街は、高級イタリアレストランの並ぶ静かな美しい町だ。チャイナタウンも同様。30年前、私が豪州に来た頃、カブラマッタの街は、ベトナムから来たドラッグデイラーがのさばって、学校に行かない子供たちが徘徊していた。自浄効果によって今は街が整備され、ベトナム出身の上院議員もいて、ドクターや法律家も多い。
新しい到着者を迎える側も、迎えられる側も少しの我慢強さと、歴史への理解と、良識と、好奇心が必要なのだ。キーは「マルチカルチャル」(多文化主義)

豪州では労働党と自由党の2大政党がほぼ選挙ごとに交代で政権を取ってきたが、この関係を脅かす新しい極右の台頭が目立ってきた。ポーリーハンセンによるワンネーション党だ。最近の人気投票では、現政権の労働党が33%、次いでワンネーション党が29%、自由党が17%、グリーンが13%という結果が出た。
ワンネーション党のこのバカ女(おっと失礼)は、豪州はマルチカルチャーを止めて、モノカルチャー(単独文化)に切り替えるべきで、マンダリンとアラビックを豪州でしゃべるのは、もう許さない。英語以外の言葉は禁止すべきで、外国から移民してきた人々に健康保険や年金を出すべきではない。と語っている。

マルチカルチャー(多文化主義)は豪州では保守党の自由党が60年前に言い出した言葉だが、人口の4分の1が外国生まれの国民で形作られた国の姿をよく表したことばだ。自由党党首は、ワンネーションとの違いを強調したくて、「わが保守党はマルチカルチャーを生み出してきたお父さんお母さんなのであって、これは豪州のエンジンであり、豪州の基盤なのである。」と言っている。でも今年まで90%以上の国民に支持されていた言葉だが、今日の報道では,74%の支持に落ちてきたそうだ。

国力とは労働力のことであり、その国が力のある国かどうかは、労働人口の数による。超音波弾道ミサイルや、AIデータを使ったドローンや核兵器の力で一時的にその国が戦争に有利になっても、その国を支える国民の経済力がなければ国は維持できない。
モノカルチャーではなくマルチカルチャーを、排除ではなく受け入れを。人口減少ではなくて移民受け入れで人口増加を維持していくべきだとおもう。