2026年7月24日金曜日

日本の少子化と移民促進

日本の少子化の勢いが止まらない。
カップルが持つ子供の数が1人以下になって久しい。
また、日本人の生涯未婚率が上がっている。男性28%、女性17.8%。単独世帯数は、男性36%、女性64%だという。
いよいよ1人1世帯という生活スタイルが定着してきた。少子化を止めるには、若い人に結婚を奨励したり、若夫婦に子供手当を支給したりすることよりも、男女にかかわらず子供を持ちたい人が、安心して生み育てる環境を整えることの方が大切だと思う。

30年前に豪州にシングルマザーで2人の子供達と移住した。
自治体の面接官に、「あなたには何ができるのですか?」と問われて、豪州に来る前はバイオリン教師をしていたと言ったが、資格でひっかかり、成城大学でマスコミを学び記者をやったと言っても、豪州では紙屑より何の役にも立たない。なんちゃって、、だけど、看護師の資格を持っている、と答えたら、「よし、それだ!」というわけで、職業訓練所に無料で入れることになった。
外国で看護師をやっていた経験を持つ移民が、豪州の看護大学の指定する職業訓練校に通うことになって、出会ったクラスメイトは、セルビア人、アルバニア人、ポーランド人、ロシア人、クロアチア人、フィリピン人、スリランカ人、中国人だった。
クラスメイト全員が、シングルマザーだった。アルバニア人でクリスチャンの人など、私の娘くらいの年齢なのに、戦火を逃れてイタリアに着き、難民キャンプの、冷たい体育館のコンクリートで赤ちゃんを出産した、という。それぞれの人が豪州にたどり着くまでのストーリーは、私自身のストーリーを含めて書けば、電話帳くらいの厚さになる。

政府は,16歳以下の子を持つシングルマザーの移民に対して職業訓練所に無料で通わせてくれただけでなく様々な支援をした。(うちの子たちは16歳を超えていたので、いくつかは除外)
1)ブリッジングビザ 2)国民健康保険証
3)無料の職業訓練校と試験の合格したら正看護師資格を与える
4)電車、バス、フェリー1日1ドル(当時)で乗り放題のカード  5)電話、電気、ガス代半額  6)映画、コンサート、バレエなどの半額  7)薬代 8)学資金援助
などなどだ。

子供が一人前に育つためには時間がかかる。国が支援するならば子供の母親をまず、その能力を生かせるように支援して、職業人に育て、自立して暮らせるようにする、という政府の支援の仕方は立派だった。
豪州では、1869年から1969年まで、政府がアボリジニーの子供たちを強制的に母親から取り上げて教会施設などに送り込んで教育をした。それが社会にとっても子供たちにとっても良いことだと当時は考えられていた。しかし親を失い情愛に満ちた経験を持たない子供たちは教会や、白人の里親に使用人のように酷使されたり性的被害にもあった。親にとっても子供にとっても、その歴史的トラウマの大きさは計り知れない。これを、2008年にケビンラッド首相が公式に謝罪した。

英国では、1949年から1976年まで、未婚女性が妊娠すると、国と教会が、赤ちゃんを強制的に取り上げて強制養子縁組をした。その数、17万人。この恥じるべき歴史を辞任する直前の、キースターマー首相が公式謝罪をした。つい先月のことだ。
首相の会見に、招待された被害者の母親は毅然たる態度で「産院で顔も見ないまま赤ちゃんを奪われた恨みは、もう昔のことだが、今後このようなことはどこの国でも行われてはならない。」と言っていた。

女性が子供を産み育てることに、政府が介入して様々な悲劇も、恥ずべき歴史も経てきた。これからの少子対策は、子供を持ちたい女性が自分の意志で子供を生み、育てるシステムを社会が整備するすることが第一歩だ。子供を持ちたい人は沢山いるだろう。人にはいろんな生き方がある。ゲイカップルが養子を迎える家庭もあれば、シングルマザーを選択する家庭もあるだろう。それぞれに合った支援のシステムを作っていけば良い。女性が男性に頼らずに生きていける社会、男性も女性も自立した関係で、互いに尊重して生きていける社会でなければいけないと思う。



2026年7月13日月曜日

バルカンのフラミンゴを守れ


アルバニアの人々は、いま怒っている。バルカン半島のアドリア海に面した美しい国。人口の90%がイスラム教徒の伝統的な、アルバニア語を話す人々だ。

トランプ大統領の義理の息子ジャレットクシュナが、アルバニア最大の島、サザン島の土地を買い占めて開発計画を進めている。サザン島はアドリア海地域で最も大切にされてきた自然保護湿地で、フラミンゴやウミガメが生息している。フラミンゴは塩湖に発生するプランクトンや甲殻類を食べる大型水鳥だ。彼らの群舞する姿は、目を奪われる美しさだ。サザン島は、人々にとって、本土から日帰りでシュノーケルを楽しめる避暑地であり、水鳥などの自然に触れることができる土地として親しまれてきた。自然環境を守り、環境を保護するためにタバコも、ペットの持ち込みも禁止してきたそうだ。
ここに、米国資本で大規模なリゾート開発が持ち込まれたら、近代的な高級ホテルが建設されて、酒あり、ドラッグあり、カジノあり、売春ありの米国型、富裕層優先のリゾートになってしまうだろう。

アルバニア周辺の国々の歴史は、とても分かりにくい。
チトー大統領が統一したユーゴスラビアは、彼の死後6つの共和国に分解してしまった。クロアチア、スロベニア、マケドニア、ボスニアヘルツエコビナ、セルビア、モンテネグロ。
セルビア共和国にあるコソボは、人口のほとんどがアルバニア人で、少数派のセルビア人と互いに、今もなお衝突を繰り返している。1997年コソボ解放軍が独立をめざして蜂起したが、米国、NATOの介入によって、ミロソビッチは逮捕され、国際法廷で裁かれた末、獄死した。
今もNATO軍による平和維持部隊が、コソボには駐留している。しかしミロソビッチが国際法廷に引きずり出されるほど、アルバニア人に対して戦争犯罪を犯したのかどうか、米国による介入は正しかったか、NATOは米国による誤った情報で踊らされただけではなかったか、疑問だらけだ。 ともかくアルバニアを含むバルカン半島の歴史は、血なまぐさい。
地中海沿岸のリゾートで夏を過ごす贅沢は、誰もが夢見ることかもしれない。
しかし、トランプファミリーのリゾート計画が強行されると、フラミンゴとウミガメの楽天地は、破壊されるだろう。また、ジャレルクシュナのリゾート開発は、環境問題にとどまらない。これは、アルバニア共和国に人々にとって、「主権問題」ではないのか。裕福な外国人投資家によってリゾート地ができて、誰が利益を得るのか。それはアルバニアの現地の人々では決してなく、投資した外国人の手に渡る。トランプファミリーの懐を富ませるだけだ。

これは、一部の腐敗したアルバニアの政府による「売国行為」であり、国民への「裏切り行為」だ。金による買収、米国ユダヤ資金による植民地化、とどまることのない元ニューヨークの不動産屋トランプの欲望、、、こんなどす黒い雲が、EUのなかで一番貧しい国、アルバニアを覆っている。
押しとどめなければいけない。


2026年7月4日土曜日

人道ビザを100万人に

豪州が、戦後100万人の「人道ビザ」を発給した記念に、記念切手が発行されると報道された

第1次世界大戦のあと人口600万人を切った豪州では、第2次世界大戦前後、ヨーロッパから戦火を逃れて沢山の移民がやって来て、職を得て生活基盤を作る手助けをしてきた。これら数百万人の移民以外に、人道ビザでやってきた難民とは、生まれて育った国が消失したり、他国に占有されたり、政治的な理由で亡命せざるを得なかった人々や、LGBTQなど迫害を受けてきた人々に出されるビザだ。
移民も難民も政府の受け入れビザに違いがあるが、いったん永住権や市民権が出ると、その後は同じプロセスで、国民健康保険と510時間の英語教育を受けられる権利が与えられる。

私は小さな私立の医療施設で働くが、同僚のマリアは、シエラレオーネから来ていて、父親がダイヤモンド鉱山の持ち主だったが、鉱山が英国企業に乗っ取られて、命を狙われて追われるように移民してきた。またもう一人のガーナから来たナースは、レズビアンだったので、2000年シドニーオリンピックの時に選手として来豪しそのまま移住した。またシニアナースのラデイアは旧ユーゴスラビアから来たので、「チトーは英雄だった。」と思わず私見を言ったら、彼女火のように怒って「コミュニストのチトーのくそやろう。」と、、、ユーゴ統一の犠牲者だったのだ。
国民の4人に1人は外国生まれの豪州では100人100様の現代史に沿った物語がある。

もとあったグループに新しい人が入ってきたら、決められたルールが理解されなかったり、コミュニケーションがうまくいかず新人を受け入れるよりも排除しようとする動きが必ず起きる。
戦後50万人ものイタリア移民が豪州に来たとき彼らは、シドニー中心に近いライカットの街に住み着いた。それをオージーらは「臭い、汚い、黒髪黒目のどぶネズミ」などと言いあったそうだ。いまではライカットのイタリア街は、高級イタリアレストランの並ぶ静かな美しい町だ。チャイナタウンも同様。30年前、私が豪州に来た頃、カブラマッタの街は、ベトナムから来たドラッグデイラーがのさばって、学校に行かない子供たちが徘徊していた。自浄効果によって今は街が整備され、ベトナム出身の上院議員もいて、ドクターや法律家も多い。
新しい到着者を迎える側も、迎えられる側も少しの我慢強さと、歴史への理解と、良識と、好奇心が必要なのだ。キーは「マルチカルチャル」(多文化主義)

豪州では労働党と自由党の2大政党がほぼ選挙ごとに交代で政権を取ってきたが、この関係を脅かす新しい極右の台頭が目立ってきた。ポーリーハンセンによるワンネーション党だ。最近の人気投票では、現政権の労働党が33%、次いでワンネーション党が29%、自由党が17%、グリーンが13%という結果が出た。
ワンネーション党のこのバカ女(おっと失礼)は、豪州はマルチカルチャーを止めて、モノカルチャー(単独文化)に切り替えるべきで、マンダリンとアラビックを豪州でしゃべるのは、もう許さない。英語以外の言葉は禁止すべきで、外国から移民してきた人々に健康保険や年金を出すべきではない。と語っている。

マルチカルチャー(多文化主義)は豪州では保守党の自由党が60年前に言い出した言葉だが、人口の4分の1が外国生まれの国民で形作られた国の姿をよく表したことばだ。自由党党首は、ワンネーションとの違いを強調したくて、「わが保守党はマルチカルチャーを生み出してきたお父さんお母さんなのであって、これは豪州のエンジンであり、豪州の基盤なのである。」と言っている。でも今年まで90%以上の国民に支持されていた言葉だが、今日の報道では,74%の支持に落ちてきたそうだ。

国力とは労働力のことであり、その国が力のある国かどうかは、労働人口の数による。超音波弾道ミサイルや、AIデータを使ったドローンや核兵器の力で一時的にその国が戦争に有利になっても、その国を支える国民の経済力がなければ国は維持できない。
モノカルチャーではなくマルチカルチャーを、排除ではなく受け入れを。人口減少ではなくて移民受け入れで人口増加を維持していくべきだとおもう。


2026年7月3日金曜日

サメの保護とクジラの保護と

昨日、民主党のクリスミン、ニューサウスウェルス州知事が、サメ対策のために$34ミリオン(3千400万円)の予算を割いて365日、日の出から日没まで、すべてのビーチにドローンを飛ばして、人々の命を守ると発表した。

先月31歳の女性が、クージービーチというシドニーで最も人気のあるビーチで、安全区域とされていた場所で泳いでいて、サメに襲われて両手両足に大怪我を負って、数週間危篤状態だった。被害者が1歳に満たない赤ちゃんのお母さんで、学校の先生だったことで彼女の赤ちゃんを抱く写真が瞬く間に拡散され、テレビ局に数万ドルの寄付金が寄せられた。彼女が意識を取り戻しました、というニュースがトップニュースで報じられるほどだった。

1月にはシドニー湾で、6メートルの高さの岩場から海に飛び込んで遊んでいた子供がサメに襲われて両足に大怪我をして、翌日には、シドニーシテイ近くのデイワイビーチで11歳のサーファーが襲われ、またその翌日はマンリービーチで25歳のサーファーが大怪我を負う、というたった48時間に3件のサメによる事故が起きた。

シドニーばかりでなく、オーストラリア全体でサメによる人身事故は、2025年に21件起きていて、5人が死亡している。怪我をせずともサーフボードを噛みつかれるなどの接触事故も含めると、105件に上る。これに対して政府は、ビーチにシャークネットを張りめぐらせてサメが陸地に近いところに来ないようにしているが、ネットによって亀やイルカやクジラが傷を受けることも多く、海洋生物保護の見地から批判が多く、またネットの破損も多い。ビーチにはライフガードが常駐していて、溺れる人の救助や、サメが見つかった場合、ヘリコプターを出動するなど対策は取られてきた。ドローンやヘリコプターでサメが確認された場合、直ちに遊泳やサーフィンが禁止される。しかし被害は起こる。

365日ビーチにドローンを飛ばしてサメ対策するのに今後34ミリオンドルを使うという決定は良いことのように思われるが、シドニーっ子は、夜明けとともにボードを抱えて海に入り、ひと泳ぎして、それから仕事や学校に行く人も多い。真冬の今でも、同じだ。生活とビーチとが密接に関わっている。どれだけ被害を減らせるだろうか。
サメは希少生物で存亡危機にあり保護対象だ。人に被害を与えるからと言ってむやみに殺せない。昨年ニュースで、サメに襲われ片足を持っていかれそうになった女性が、救急隊の運ぶ担架から、気丈にも「殺さないで、私をアタックしたサメを殺さないで。サメは悪くない。ビューテイフルクリエイチャー(美しい生き物)を殺さないで。」と叫びながら運ばれていく姿に感銘を受けた。
共存が難しくても自然環境を守りたい、生き物を殺さない、というのがシドニーっ子たちの心意気だろうか。

南半球はいま真冬。クジラウォッチングの時期だ。
クジラは南太平洋で赤ちゃんを産んで、餌を求めて南極海にやってくる。シドニー沿岸でも子供を連れたお母さんクジラが、暖かい海を渡って南極大陸と豪州の間を行き来する姿が見られる。6万頭ものザトウクジラが南に向かって回遊するそうだ。巨大なクジラが潮を吹く姿、お母さんクジラに必死でついていく赤ちゃんクジラの姿など、本当に愛らしい。運が良いと、シドニーのビーチ高台から肉眼でその姿が見られるから、沢山の人々がビーチ沿いで目を凝らす。
野生の生き物を、殺さない、共存する、被害にはできる限り保証する、これがキーだと思う。