2010年10月2日土曜日

キンバリー アーガイルのダイヤモンド鉱山




西オーストラリア州キンバリー地区のエル クエストで2日間 渓谷を見て遊んだあとは、4輪駆動のコーチに乗ってアーガイルに向かう。グレートオーシャンハイウェイを320キロメートル。世界中のダイヤモンドの35%を採掘している アーガイルダイヤモンド鉱山を見る為だ。このアーガイル ダイヤモンド鉱山は リオ テイントが所有している。そしてリオ テイントの最大株主は エリザベス女王だ。

鉱山の3時間見学コースと いうのに 50人の見学者とともに入った。 皆オージーだが、鉱山の見学に興味深々だ。厳重な警備をしている山の入り口で、案内役のアボリジニーの青年が 私たちの乗ったバスに乗り込んできて、案内してくれる。
とんでもなく大きな敷地に7台の大型トラックが 山を削って掘って採掘した鉱石を運び出している。ダイヤモンドは 16億年も昔 火山によって、噴火して急速に冷却した鉱物が固まったもので、1980年から掘り始めて、もうすでに7千800万トンのダイヤモンドを掘ってきたそうだ。現在400キログラムの掘った岩にひとつの割合でダイヤモンドが採掘されている。20キロから30キロほど 地下を掘って 出した鉱石をテニスボール大に砕いて ベルトコンベアーに乗せ センサーを通じてその硬度から、ダイヤがあるかどうか 調べるのだそうだ。年間7トンのダイヤモンドが採掘されている。

働く人は皆 1日12時間 シフトワークで、それを2週間続けて、2週間休むことが出来る。鉱山が人里離れたところにあるので、ワーカーは みな寮住まいだ。2週間1日12時間労働をしたワーカーは 寮を出て、2週間実家に帰って休養する。
2020年には この鉱山は操業を止めて 掘ったところは人口湖にして、土地を自然に返すのだそうだ。
採掘されるダイヤモンドのうち 75%は産業用で、残りが宝石になる。この鉱山では シャンパンカラーといわれるイエローダイヤモンドと、世界でも極めてまれなピンクダイヤモンドが採掘される。装飾用イエローダイヤモンドは インドに送られ、ピンクダイヤモンドはパースに送られて、削ったり カットされたり磨かれたりするという。いまは、ピンクダイヤモンドが一番人気があって、価値も高いそうだ。

見学と説明が終わると どうぞご自由に、と職員食堂に通される。ホテルのビュフェスタイルの食堂でセルフサービスだ。コールドサラダはローストビーフやチキン、シーフードサラダなどがきちんと並んでいるし、メインの肉も魚も何でもある。コーヒーは エスプレッソもカプチノもあって、果物も豊富。みんなはしゃいで、さっそく食べ始める。オットは 脂ぎったベーコンや肉に齧り付いている。肉食人種だなあ。
アイスクリームが 20種類も並んでいるのを見つけた。「わー、ヴァニラもクッキー入りアイスも チョコレートクラッシュも、ラム入りも、ナッツ入りも、カフェオーレ味も、イチゴシャーベットも、メロンも、バナナも、レモン味も、わー、マシュマロ入りも、わーわーわーマーブルチョコをトッピングできるよー。」と、思わず うれしくて叫んで、全部の種類を大きなどんぶりに一口ずつよそっていたら、他の人たちも寄ってきて、同じことをする人の群れで 長い列ができた。50人の見学者たち、全然可愛くない、お菓子の家を見つけたヘンゼルとグレーテルになっってしまった。

こうして設備の整った寮、申し分のない食堂、清潔な職場を見学すると とても良い職場だな、と思うが 働いている間中 モニターで監視され、自分の自由がない2週間ごとのシフトワークは 私には無理かもしれない。セキュリテイーガードは 6ヵ月毎に 全く新しい人に入れ替わるそうだ。癒着とか汚職とかをなくす為らしい。
24時間操業、12時間シフトということは、今でも この建物で、誰かが寝ている訳です、と言われてしまうと 宝石展示室を見ても、あれがいい、これがいいとか、大騒ぎ できなくなってしまった。食べ終わったあとの見学では、急に静かになる私たち、、、。

いま旅行しているキンバリー地区のキンバリーは、南アフリカのダイヤモンド産地のキンバリーに地形や景観が、似ているから ついた名前だそうだ。見せてもらったダイヤモンド鉱山は 2020年に閉山されるそうだが、探せば まだまだ近くからダイヤが出てくるだろう。近くの油田からは 原油が採掘されているし、沖合いからは天然ガスの採掘も見込まれている。ニッケル、亜鉛 ウランなど キンバリーには探せばいろいろまだ出てくる可能性に満ちている。キンバリー地区は 古い大陸だけに、宝ものでいっぱいだ。
今日もビールが美味しいだろう。