2007年10月1日月曜日

映画 「ワンス ダブリンの街角で」


10代のはじめの頃 ギターをナイロン弦に張り替えて 自分で作った曲を 自分で歌っていた時期があった。でも知っているコードが 5つしかないので、その和音の中でしかメロデイーが作れない。声も1オクターブしか出ない 限られた範囲の中でも やっていたときはとっても楽しかった。

映画「ワンス ダブリンの街角で」原題「ONCE」を観た。クレモンオピアム デンデイーなどで上映中。アイルランド映画。監督ジョン カー二ー(JOHN CARNEY)。 主演 グレン ハンザード(GLEN HARSARD) と、マルケタ イルグローバ(MARKETA IRGLOVA)。この映画、2007年サンダース映画祭で特別鑑賞賞を獲った。

本当の、グレンハンザードは アイルランドではバンド「FRAMES」のボーカリストで、地元では人気のシンガーソングライターだそうだ。 相手役の女性、マルケタ イルグローブもチェコの 歌手。二人のプロのミュージシャンが この映画のために、沢山曲を作って歌っている。

ダブリンの街角で、男が毎晩 ギターを弾きながら自作の歌を歌っている。 昼間は掃除機修理の仕事をしながら,別れた恋人のことを思い、夜になると、心のたけを叫ぶように歌わずにいられない。

通りかかる女がいる。去っていった夫を 思う切ない思いが、男の歌に重なる。孤独どうしの二人が出会い、歌って時を過ごす。女の励ましをうけて、男は自分のCD を作り、ロンドンに旅立っていく。見送った女のもとに、ずっと欲しくて買えなかったピアノが届けられる。恋にいたらなかった、しかし強い友情で結ばれた男からの、贈り物だった。

心をこめて自分で作った曲を本当に心をこめて歌うシーンが続くだけの シンプルな映画だが それがとても良い。男は男の恋をどれだけ大切にしてきたかがわかる。この映画、ちょっとMTV ミュージックビデオみたい、歌ってばかりいるんだけど どの曲も良い。なかでも「FALLING SLOWLY」が 心に残っていたみたい。映画を観た後、1週間はたっているのに 自分が気が付くとこの曲を鼻でフンフン歌っていて、自分でもびっくりした。映画を観ていたときは それほどすごく惹かれていると思っていなかったのに、なぜかずっと後まで いい感じが残っている、、、良い曲ってそんなものかもしれない。

主演して、曲もこの映画のために作ったという2人は映画が予想外にヒットしたので、当初の予定になかったことだが、「SWELL SEASON」というバンドを作って 海外に遠征して公演もすることになったそうだ。日本にも、来るそうだ。「FALLING SLOWLY」という曲、I DON’T  KNOW YOU BUT I WANT YOU ,,」という奴、聞いてみて欲しい。