2012年7月6日金曜日
オットを殺すところでしたー!
仲の良い友達の、新しいボーイフレンドが、実は彼女に隠れて昔のガールフレンドを会っていたと言う。友達達はみんな、激しく怒り、口を揃えて、そんな男、汚れた新聞紙に包んでサッサと捨てるべし、と説いた。
しかし私は どうせ男なんて、そんなもの。馬鹿なのさ。オットだって 私に隠れて、昔のガールフレンドに会っている。17年、努力してきたが、馬鹿さ加減を減らすことが出来ない。男などに何も期待せずに、100%の誠実さなど、漫画の世界と思い定めて、一緒にやっていくことができないのかね、と彼女に問うた。
それを聞いた彼女、、、自分のボーイフレンドの行状よりも、すっかり信頼、尊敬していた私のオットが、そんなことをしていたことの方がショックだと言う。
これを聞いて、私も段々腹がたってきた。
最初の 死んだ夫は私の14歳年上だったが、今のオットは18歳年上。オットは、若くて、美しく、現役で働いていていて、教養ある私という過ぎた妻を持ちつつ、なお、オットと同じ年の充分しなびた、無職で年金で生きている教養のない女に 頼まれると時々会っている。どうでも良いことと、今まで放っておいたが、これは倫理上、許されないことではないか。
久しぶりに怒り狂って、家を飛び出し、実はこれは計画的だったんだけれども深夜映画に行ってきた。何も知らないオットはオロオロしながら深夜まで 私の帰りを待っていた。帰ってきてくれて ありがとう、と言われても だんまり、、。
会話なしの2日目。
青い顔をして 「胸が痛い」と言う。そういわれると もっと腹がたってきて、それみたことか、良心が痛むんだろう。「あなたは自分がヤバくなったら いつも病気に逃げるのよね。」と。
実際オットは、病気の見本市みたいな人だ。上からいくと、脳卒中で、2日間言葉を失ったことがある。目は両目とも白内障で、黄班部変性で、片目は失明に近い。喘息もちで吸入器なしで歩くことも出来ない。胃炎で何度か出血し、腎臓からはいつも蛋白が出て、膀胱に腫瘍があり経過観察中、前立腺肥大もある。脊椎骨折2回、関節炎で手指、肩、腰痛をもち、100メートル歩くのが限界。重度の肥満体。しっかりしているのは脳みそだけだ。
今までも ささいなことで私が怒ると オットは「耐え難い頭痛」で寝込んだり、「ひどい喘息発作」を起こしたり、、、こんなヤツ やってらんないよ。
新しいブラウスと、花柄のベッドカバーやら 無駄使い、衝動買いの大袋を抱えて お昼に帰宅すると、仕事に出かけたオットが しょんぼりソファーに座っている。救急病院に行かなければならないが、付いていってくれる?と、頼りない 懇願の顔。
聞くと、仕事中、胸痛が止まないので職場のクリニックに行って、ECGと血液検査を受けたあと帰宅して休んでいたら、血液検査の結果が出て、ただちに救急病院に行くようにと、電話があった、と言う。
胸痛は本当だったのだ。大変、、、ハートアタックだ。血液検査の結果が悪いということは、トロポネンTという 心臓の筋肉がダメージを受けているときに 血液内にしみ出てくる酵素が検出されたということだ。放っておくと心筋が死んでしまう。大変。車に飛び乗り 救急病院に向かう。
救急病院はいつものことながら、ごったがえしの混沌、無秩序のカオス。1000ベッドの、北部最大にして唯一の救急病院の待合室は、転んで骨を折った年寄りも、切迫早産の妊婦も、子供の喘息も、交通事故も、ゲイどうしの喧嘩も、精神病患者の症状悪化も、みんな一緒に血を流しながら、痛みに耐えながら、ひとつ部屋で待たされる。待っている間に人、一人や二人死んでいても驚かない。
オットが 再度の血液検査の結果、入院が決まったのは、もう夜中だった。
翌日 心臓血管造影検査で心筋梗塞で、二つある冠状動脈のうち、ひとつが詰まって血液が循環しない状態だったことがわかって、急遽ステント挿入する手術をして、命がつながった。危なかったね。
やれやれ、、、気の弱いオットとは 夫婦喧嘩できないなー!
はい、ちゃんと反省しています。
ごめんね。