2008年1月5日土曜日

オーストラリアン バレエ

今年前半期のオペラが終わり、6月に後半期のシーズンが始まるまでの間、劇場では観るべきものが何もない。


オーストラリアンバレエ「ニューロマンチックス」を見にいった。オペラハウス、プレミア席 $120. 今まで、バレエを見にいくたびに、オペラハウスコンサートシアターの舞台が狭くて、踊り子たちが可哀想に思えたものだが、今度は逆に広々とした舞台を踊り子達が使いきれないみたいで踊り子達が可哀想に思えた。

いつもは シモン ヤングの指揮でオーストラリアオペラバレエオーケストラをバックに スパルタクス、ジゼル、シンデレラ、メリーウィドーなど、毎回、楽しい出し物をしていた。


オーストラリアンバレエは、この国で唯一の国立舞踊団、団員はちょっと太めだけど、よく訓練されていて国の援助を受けて、きちんと給料をもらってプロとして公認されている。年間6つの出し物以外にも、オペラに常時出演し活躍している。 団員のなかに、厳しいオーデイションに受かって、この何年かメンバーとして踊っている日本人が3人いる。漢字でどう書くのかわからないけれど、フジノノブオ、クボタミワコ、ホンボウレイコの面々。 日本では民間バレエ団がそれぞれ定期公演しているが 公演から得る興行収入だけで団員の給料など、出せるとは思えない。公共の援助もなく、団員はスポンサーの援助と、バレエ教室で教えたりしながら生活しているのだろうが 楽ではないだろう。メジャーで踊っている人は 子供相手に教えるひまもないだろうから、家が裕福でないとバレエどころではないだろう。 それだけオーストラリアでは踊り子や、オペラの歌い手が保護されているのだから、人は公演に期待する。去年のバレエは、良かった。だが今年はなにをやっているのだろう。 「ニューロマンテイクス」は、3部に分かれていて、一部は、伝説的な振り付け師ジョージバラシンが、1928年に演出した「アポロ」という踊り。2部は、オーストラリアチェンバーオーケストラから、チェロのマスターを借りてきて、彼女の弾くチャイコフスキーに合わせて、6人の踊り子が踊った。3部最後は、AFTER THE RAINという題で、二人の現代的なちょっと体操選手みたいな踊り。 エツ これだけ?と言う感じで終わって、 何か腑に落ちないみたいな気持ちで帰ってきた。このパフォーマンスに$120払って 満足したのは、踊り子の親戚くらいだったんじゃないだろうか。 どうしてこの公演を観に行ったのかというと、このパフォーマンスを最後に引退するSTEVEN HEATHCOTEが観たかったから。彼は46歳、25年間このオーストラリアンバレエで プリンスを踊ってきた人だ。舞台で46歳まで、ジャンプするというのは、世界でも珍しい、大変なことだ。テレビのインタビューに答えて、はい、健康に恵まれて自分は幸せでした、と、とても謙虚な人柄で好感がもてた。 この人の最後の踊りを見にいったのに、彼は出てこなくて、代役だった。がっかりー。  そんなことなら、切符を買う前にいってくれ!!!