ボブ デイランが「BLOWIN IN THE WIND」を歌っていた頃 アメリカは徴兵制があった。戦場に行く理由も 殺されたりしなければならない訳もわからずに 若者は国家に駆り出され、戦争に引き立てられていった。良心的兵役拒否などという人道主義はまだなかった。徴兵制に反対したり ベトナムで女子供を殺すことを拒否した若者は脱走兵同様 非国民として即、刑務所に収監された。 そうして、58000名のアメリカの若者達が無駄にベトナムで命を落としていった。
ボブ デイランが「THE TIME THEY ARE A_CHANGIN」を歌っていた頃、日本は アメリカ軍がベトナムを攻撃 侵略するための補給基地だった。アメリカ政府のいう共産主義勢力拡大を防ぐためアメリカ軍の後押しを日本政府がしていた。沖縄はまだ日本のものではなく、沖縄は米軍が ベトナムに出撃するためのアメリカ基地だった。日本人がパスポートを提示しても簡単にいけるところではなかった。
ボブ デイランが歌いだしてからだ。 アメリカの公民権運動が表面化し、黒人有権者登録運動が大きな運動となり 人々が反戦運動に立ち上がったのは。日本では 安保条約を破棄させる運動が、反ベトナム戦争へと波及し、学生は大学を封鎖し、全学ストに持ち込み、街頭に出て行った。
ボブ デイランがいかに、時代を先駆けていたか、彼の「風に吹かれて」の歌詞をみて、いまでも、驚く。彼はレイチェル カーソンの科学書「SILENT SPRING」(沈黙の春)の発表のすぐ後でこれを書いた。環境ホルモンなどという言葉もまだなかった頃のことだ。
「I 'M NOT THERE」は、ボブ デイランの半生を映画化したものだ。彼のようにまだ生きていて、音楽活動も継続していて、多様性をもった音楽家を ひとつの映画にまとめるのは、いかにも、困難すぎたらしく、映画では、6人の俳優がボブ デイランを演じている。
1959年ー1961年:MARCUS CARL FRANKLIN
1965年 ;BEN WHISHAW
1964年ー1973年:HEATH LEDGER
1966年 :CATE BLANCHETT
1979年ー1981年:CHRISTIAN BALE
1967年 :RICHARD GERE
以上の6人が6様のボブ デイランを演じた。
なかで、ケイト ブランシェットは、これで、ベニス映画祭 最優秀女優賞をもらった。2008年ゴールデングローブでもブランシェットは助演女優賞にノミネイトされた。
初めに 1959年の頃のデイランを演じた、マルコス カール フランクリンは10歳くらいのアフリカンアメリカンの少年で、めっぽうギターで語り弾きがうまくて、一人前に口が立ち よくしゃべる。確かに、ボブ デイランのその年頃、あんなんだったろう と思わせる。天才音楽家の開花直前といったところ。
1973年までのデイランを演じた、ヒースレジャーは 私の大好きなオージー俳優で、「ブロークバック マウンテン」では泣かせてくれた。が、ここでは、フランス人画家と結婚、家庭を持ち、二人の女の子をもつが、妻のラジカルについていけず、オタオタしていて、すごくかっこ悪い。音楽家としては充実期のデイランだ。
1981年までのデイランを演じた、クリスチャン ベイルも大好きな俳優、「バットマン ビギンズ」で あこがれて舞い上がった。彼のデイランは ボーン アゲイン クリスチャニテイーに入って洗礼を受け、牧師とともに説教台に立ち、ゴスペルを歌う。この時期のデイランに批判的な人の方が多いが、彼のゴスペル すごく良い。
リチャード ギアは、デイランがバイク事故で重傷を負い、隠遁生活に入った1967年のころの姿。リチャード ギアは素晴らしい俳優だが、ごっつすぎて、デイランのイメージが私には作れなかった。
しかし、なんといっても、ケイト ブランシェットのボブ デイランが すごい。胸にさらしを巻いて 両あごに詰め物をして、あの頃1966年ころのデイランにそっくり。歩き方、身振り、話し方なんかも。デイランが歌と歌の間にアジテーションをよくいれるが、その調子は全くのデイランそのものだ。劇場の舞台でピアノ語り弾きも、すごく本物。ロイヤル アルバートホールでの舞台だと思うけど、「LIKE A ROLLING STONE 」も、すごい迫力で歌った。
メデイアが インタビューのためにデイランを探していたら、近所のジュニアスクールの子供達と転げまわってふざけて遊んでいたシーンがあったけど、デイランが生き生きしていて ものすごく可愛い。
チェーンスモーカーで、小柄で、やせっぽちで、パワフル、まさに1966年のデイランが生きてよみがえってきて、心の底から、感動してしまった。
デイランは詩人 音楽家として天才だが、ケイト ブランシェットも 役者として天才。彼女は何にでもなれる。変形自在、カメレオンジャック。デ カプリオの相手役で出た映画「アビエーター」で、キャサリンヘップバーンの役をやって、アカデミー女優賞を獲った。話題になる前に見たが、あまりにキャサリン ヘップバーンにそっくりなので、映画を観ながら おーおーおー!っと声を出さずにいられなかった。キャサリンとケイト 全然顔が違うのに、ケイトが演じると 肩をそびやかしたり、歩いたり、話し方もッ表情もキャサリンとしか思えない、すごい役者だとおもってたけど、今回も、ボブデイランという、性別のちがう人の役を 立派に演じていた。
というわけで、私はこの映画、2時間30分を長いと思わず 充分楽しんだが、ボブ デイランをあんまり知らない若い人にとっては、お経みたいなもんなのか???
ボブ デイランが「THE TIME THEY ARE A_CHANGIN」を歌っていた頃、日本は アメリカ軍がベトナムを攻撃 侵略するための補給基地だった。アメリカ政府のいう共産主義勢力拡大を防ぐためアメリカ軍の後押しを日本政府がしていた。沖縄はまだ日本のものではなく、沖縄は米軍が ベトナムに出撃するためのアメリカ基地だった。日本人がパスポートを提示しても簡単にいけるところではなかった。
ボブ デイランが歌いだしてからだ。 アメリカの公民権運動が表面化し、黒人有権者登録運動が大きな運動となり 人々が反戦運動に立ち上がったのは。日本では 安保条約を破棄させる運動が、反ベトナム戦争へと波及し、学生は大学を封鎖し、全学ストに持ち込み、街頭に出て行った。
ボブ デイランがいかに、時代を先駆けていたか、彼の「風に吹かれて」の歌詞をみて、いまでも、驚く。彼はレイチェル カーソンの科学書「SILENT SPRING」(沈黙の春)の発表のすぐ後でこれを書いた。環境ホルモンなどという言葉もまだなかった頃のことだ。
「I 'M NOT THERE」は、ボブ デイランの半生を映画化したものだ。彼のようにまだ生きていて、音楽活動も継続していて、多様性をもった音楽家を ひとつの映画にまとめるのは、いかにも、困難すぎたらしく、映画では、6人の俳優がボブ デイランを演じている。
1959年ー1961年:MARCUS CARL FRANKLIN
1965年 ;BEN WHISHAW
1964年ー1973年:HEATH LEDGER
1966年 :CATE BLANCHETT
1979年ー1981年:CHRISTIAN BALE
1967年 :RICHARD GERE
以上の6人が6様のボブ デイランを演じた。
なかで、ケイト ブランシェットは、これで、ベニス映画祭 最優秀女優賞をもらった。2008年ゴールデングローブでもブランシェットは助演女優賞にノミネイトされた。
初めに 1959年の頃のデイランを演じた、マルコス カール フランクリンは10歳くらいのアフリカンアメリカンの少年で、めっぽうギターで語り弾きがうまくて、一人前に口が立ち よくしゃべる。確かに、ボブ デイランのその年頃、あんなんだったろう と思わせる。天才音楽家の開花直前といったところ。
1973年までのデイランを演じた、ヒースレジャーは 私の大好きなオージー俳優で、「ブロークバック マウンテン」では泣かせてくれた。が、ここでは、フランス人画家と結婚、家庭を持ち、二人の女の子をもつが、妻のラジカルについていけず、オタオタしていて、すごくかっこ悪い。音楽家としては充実期のデイランだ。
1981年までのデイランを演じた、クリスチャン ベイルも大好きな俳優、「バットマン ビギンズ」で あこがれて舞い上がった。彼のデイランは ボーン アゲイン クリスチャニテイーに入って洗礼を受け、牧師とともに説教台に立ち、ゴスペルを歌う。この時期のデイランに批判的な人の方が多いが、彼のゴスペル すごく良い。
リチャード ギアは、デイランがバイク事故で重傷を負い、隠遁生活に入った1967年のころの姿。リチャード ギアは素晴らしい俳優だが、ごっつすぎて、デイランのイメージが私には作れなかった。
しかし、なんといっても、ケイト ブランシェットのボブ デイランが すごい。胸にさらしを巻いて 両あごに詰め物をして、あの頃1966年ころのデイランにそっくり。歩き方、身振り、話し方なんかも。デイランが歌と歌の間にアジテーションをよくいれるが、その調子は全くのデイランそのものだ。劇場の舞台でピアノ語り弾きも、すごく本物。ロイヤル アルバートホールでの舞台だと思うけど、「LIKE A ROLLING STONE 」も、すごい迫力で歌った。
メデイアが インタビューのためにデイランを探していたら、近所のジュニアスクールの子供達と転げまわってふざけて遊んでいたシーンがあったけど、デイランが生き生きしていて ものすごく可愛い。
チェーンスモーカーで、小柄で、やせっぽちで、パワフル、まさに1966年のデイランが生きてよみがえってきて、心の底から、感動してしまった。
デイランは詩人 音楽家として天才だが、ケイト ブランシェットも 役者として天才。彼女は何にでもなれる。変形自在、カメレオンジャック。デ カプリオの相手役で出た映画「アビエーター」で、キャサリンヘップバーンの役をやって、アカデミー女優賞を獲った。話題になる前に見たが、あまりにキャサリン ヘップバーンにそっくりなので、映画を観ながら おーおーおー!っと声を出さずにいられなかった。キャサリンとケイト 全然顔が違うのに、ケイトが演じると 肩をそびやかしたり、歩いたり、話し方もッ表情もキャサリンとしか思えない、すごい役者だとおもってたけど、今回も、ボブデイランという、性別のちがう人の役を 立派に演じていた。
というわけで、私はこの映画、2時間30分を長いと思わず 充分楽しんだが、ボブ デイランをあんまり知らない若い人にとっては、お経みたいなもんなのか???