2010年9月29日水曜日
キンバリーの旅 第6日目ペリーラグーン
今、旅をしているのは 西オーストラリア州のキンバリー地区とよばれるところだ。キンバリーは面積にして434,517平方キロメートル、西オーストラリアの6分の1を占め、日本の1,1倍の大きさがある。北にチモール海、西にインド洋に面しており、西オーストラリア州で一番暑く 雨期の始まる11月にかけては 37度、内陸部では40度にもなる。
今日は ペリーラグーン、干潟、湿地帯に入る。何千、何万という鳥が湖やまわりの木々に羽を休めている。
シドニーでも よく観られる騒がしい白い大きなインコ:サルファークレステッド コカトゥー。
愛らしいキングフィッシャー:カワセミは体に比べて 頭が大きくて可愛い。
ジャビルーというアボリジニーの愛称でよばれる足が赤く 体が白と黒のコウノトリ。黒くて長いくちばしで魚を取っている。
ブラックコカトゥー(黒インコ)は、全身黒いのに尾だけが赤くて とても大きい。
ブラミーカイトというトビは 白い胸に茶色の羽で悠然と飛んでいる。立派なので はじめはこれが 海の王様、シーイーグルだと思っていた。
シーイーグルは美しい白い胸に黒い翼で雄大、さすが王様の貫禄。ブラックブッチャーバードというモズもペリカンもガチョウまでいる。
鳥を見るための遊歩道と展望台が定められていて、それ以外のところを歩くことは禁じられている。ワニがいるからだ。
ワニには淡水ワニと海水にいるワニの2種類がいる。湖に居るワニは小型で人を襲わないが、海のワニは人でも動物でも何でも食べる。ワニを食べる地元のアボリジニーでも うっかりすると ワニに食べられる。
数年前、3人のアボリジニーの青年がキャンプをしていて、2人の見ている前で一人がワニに襲われて食べられた。二人は 立ち木に登って難を逃れたが、他のワニたちにとりかこまれて3日間 木から下りてくることが出来なかった。3日間、木に掴まって助かった青年達も偉いが、3日間人があきらめて落ちてくるのを待っていたワニも我慢強くて執念深い。
ペリーラグーンから アボリジニーの町 ウィンダムに入る。
人口1000人。かつて 人々は牧畜と食肉加工に携わっていた。屠殺した牛や羊の肉は冷凍処理をして外国に輸出したり他州に発送する。用のなくなった肉や骨は河に捨てられる。その血の匂いでワニが集まってきた。ところが近年では 牛も羊も生きたまま インドネシア、エジプト、サウジアラビア、中東の国々に輸出するのが主流になった。モスリムの国では生きたままの家畜を買い取り お祈りをしながら殺した肉しか食べないからだ。
これがまた、オーストラリアの動物愛護団体からクレームがついて、毎年のように問題になっている。生きたままの食肉牛が狭い船のなかで横になるスペースもない状態で運ばれる為死亡率が高いからだ。いまでは徐々に 運送中の環境が改善されてきた という。
今日も一日晴天で 暑かった。
ビールが美味しいはずだ