2025年12月17日水曜日

ボンダイライフル乱射事件から3日目

事件から3日目。
ボンダイビーチでのライフル銃乱射事件は、15人の死者と42人の怪我人を出して、その興奮と余波の中にいる。
自宅から車で40分、ボンダイは私にとっては心の晴れる場所だった。曲がりくねった坂道を降りていくと、目の前に突然、真っ青な海が現れる。その瞬間、胸が大きく開かれ広がっていくような、沈んでいた心がカラリと晴れるような、そんな場だ。

事件が起きて、怪我人らが搬送された、数時間後にシドニーのアイコン、オペラハウスではその屋根に、マノーラと呼ばれるユダヤ教のお祭り、ハヌカの間に灯される9本の枝も持つ燭台を映し出した。同情と共感が込められている。

オージー魂も健在で、事件の24時間以内に、怪我人のため献血した人の数は、7万5千人、献金は1億円を超えた。
「ZAKA」という米国を拠点にするユダヤ人組織が来豪して、亡くなった方々のユダヤ式葬儀を執り行い、事件でトラウマを抱えた人々の回復と治療に当たるそうだ。

いま分かったことは、ポリスに撃ち殺された50歳の犯人と、病院に運び込まれた24歳の息子は、ひと月前に4週間ほどフィリピンに滞在していた。南フィリピンのISアブサヤフと関係して軍事訓練を受けていたようだ。犯行声明が出ていないので、わからないが、ISの旗が車から見つかった。
話題は、ライフル銃を乱射中の犯人に、タックルして5発の銃撃を受けながらも犯人から銃を奪った43歳の勇敢な人が、シリアからきた移民だったことだ。ムスリムがムスリムを制した。これこそが多種多様なマルチカルチャーの豪州だ、ということで、首相も、州知事も大喜びだ。どうでもいいけど豪州の主王国英国王のチャールズとカミラからも、彼の勇気を称え、感謝の言葉が伝えられたそうだ

ユダヤ人がひどい目に遭うと、ヒジャブを被ったムスリムに暴力をふるう馬鹿が出てくる。ユダヤ教のシナゴクに火をつけると、イスラム教会が放火される。しかし今回の事件では、こんな報復合戦が繰り返されないように、政治家たちは最大の注意を払っている。政府はくりかえし、これはユダヤ人憎悪ではない、移民の問題でもない、ムスリムの問題でもない、と強調している。報復が起きてはならない。
豪州では英国教会信者が最多数で、ユダヤ教信者は国民の1%にも満たない。しかし差別禁止法、ヘイトクライム法が連邦議会で決議施行されていて、ユダヤ人迫害は、禁固刑を含む実刑を課されている。私の目からはユダヤ人は法的にも、警察による保護においても十分保護されていると思う。

ユダヤ人のお祭りに集まった1,000人の市民にライフルを乱射した2人の父子の頭の中には、パレスチナで日々殺されている子供たちの姿があったのだろう。7万人のおびただしいパレスチナの人々の葬列を見つめていたのだろう。
頭を撃たれて命の危機にあった犯人が、意識を取り戻したそうだが、命を取り戻して、強く生きてほしい。

ユダヤ人であってもなくても、ムスリムであってもなくても、亡くなった犠牲者を悼み、さらにパレスチナの7万人の人々の葬列を心から哀悼したい。
また、こうした事件が再び起きないように、
イスラエルのシオニストは、パレスチナから手を引け!
パレスチナを殺すな!