2023年10月26日木曜日

今すぐ停戦を!

1973年10月第4次中東戦争の開戦から50年。
この10月にガザのハマスによる、入植地のイスラエル人に対する攻撃と誘拐を契機に、イスラエル軍による攻撃が激しさを増している。すでに、7000弾の爆弾がガザに投下され、6000人のガザ市民が犠牲になった。イスラエルによるミサイルで、ガザ最大の病院が破壊され600人の犠牲者を数えたことで、国連事務総長は「56年間イスラエルに占領されていたパレスチナ」への国際理解を求め、ガザへの食料、水、医薬品、ガソリンを早急に送るように勧告した。
ガザは365平方キロの狭い封鎖壁の中に、220万人の難民が暮らしてきた。イスラエル軍は、ガザ北部から南部に24時間以内に移動するように通告したが、ガザ南部への攻撃の手を緩めず、エジプト国境近くでも、白リン弾もクラスター爆弾も使って攻撃やり放題だ。ガザ北部にいた1000人の腎臓透析患者、1000人の保育器にいた未熟児、新生児や、癌治療中の患者たちは、今どうしただろうか。

イスラエルが攻撃されたとき、ニューサウスウェルズ州はイスラエルと共に立つと言い、アイコンのオペラハウスをイスラエルの国旗の色に照明デイスプレイしたが、それに怒ったパレスチナ支持者による大規模なデモが起こり、知事は謝罪して照明を取り消した。

いまシドニーのランドウィックと、カンタベリーバンクスタウン町議会が緊急議会で決議して、議会前の広場に、オーストラリア国旗と共に、パレスチナ国旗を立てた。
ランドウィックは、ニューサウスウェルス大学のある大学街で、市の中心からトラムで15分、住民にグリーン支持者が多く、州最大の公立病産院もある。東京でいうと、広尾とか駒込だろうか。カンタベリーバンクスタウンは、シドニー西南部で、レバノン人やムスリム移民の多い地域だ。パレスチナに連帯する議会の旗は、イスラエルが停戦するまで掲げるそうだ。

イスラエルは第4次中東戦争から、今回5回目の戦闘攻撃をしていが、ガザ220万人の住民を完全排除することなどでいない。ガス室でユダヤ人が絶滅しなかったのと同様に。
解決策は「2国家共存」と「パレスチナ国家容認」、そして、エルサレムを、ユダヤ教、クリスチャン、ムスリムのそれぞれの聖地として尊重しあって生きるしか道はない。
いますぐ停戦を!

アイルランド民謡の「ダニーボーイ」を歌ってみた。
意訳は
愛しい息子  山を越え谷を越え  バグパイプが勇ましく鳴り
  おまえは戦争に行く  夏が終わり  花々が枯れ  お前は去っていく  おまえはまた夏が来たら帰ってくるだろうか  丘が真っ白い雪で覆われる頃まで  わたしは待っていられるだろうか   愛しい息子   心から愛しているよ
でも薔薇が散って  きっと私は生きていない  お前が帰ってきたら  わたしが眠っているところをみつけて   そこに膝まずいておくれ   おまえが帰ってきてくれて おまえの声を聴いて  わたしの墓は  あたたかくぬくもるだろう  おまえが愛している、といってくれたら  わたしは初めて安心して 眠ることができるだろう
I am singing [ DANNY BOY ] Ireland folk song.




2023年10月19日木曜日

民族差別を過小評価するな

オーストラリアでこの10月21日に行われた国民投票は、先住民の地位を憲法に明記し、連邦議会にアボリジニのアドバイザーを置くかどうかを問うものだったが、残念ながら否決された。
オーストラリアはキャプテンクックによって「発見」され英国人の侵略によって235年間人々が住んできた。しかしこの大陸では、2万年前から、アボリジニ、トーレス海峡諸島民が住んでいた。現在、これらアボリジニ、トーレス海峡諸島民は、オーストラリアに81万人、人口の3.2%いる。彼らがオーストラリアの先住民であることを憲法に明記し、欧州から来た人々が、植民し侵略してきた事実を謝罪し、彼らが連邦議会に直接提言できるように憲法を改正するというのは、ごくまっとうな、正当なことだ。

それは、総人口の3.2%の先住民アボリジニとノンアボリジニとの格差をなくすことにつながるが、その提言が、否定されたことは残念だ。現実にアボリジニは、ノンアボリジニの平均寿命では8年短かく、乳幼児死亡率も自殺率も、心臓糖尿病罹患率も2倍と、高い。にもかかわらず、国民の60.6%が、NO に投票した。
キャンベラ以外すべての州で提案が否決され、エメラルドの海、世界最大のサンゴ礁を誇るツーリストの州、クイーンズランドでは68.8%がNOと答えた。反対に、本島から一番遠い木曜島では、90%がイエス、国民投票の結果に島民は落胆している。

オーストラリアでは投票は義務で、投票しなかった人には罰金の請求書が来る。今回の投票では史上最低の投票率を記録して、250万人、実に7人に1人が投票しなかった。罰金を払ってまで投票したくない人、アボリジニの関心のない人、差別に自分は関係ないと関りを持ちたくない人、自分は民族差別者ではないと言いながら、少数者、障害者、フェミニスト、LGBTIQ+などマイノリテイから目を背けて避けていく人々が、とても多いことは、残念だ。NOを主張した大半は、アボリジニはすでに、十分保護されていて、これ以上特別扱いする必要はないという意見だ。しかし十分な保護を受けているかどうかを判断するのは、マイノリテイの保護されている側であって、マジョリテイの側ではない。圧倒的多数のアボリジニの声を謙虚に聞くべきだ。

今回の投票結果は60.6%がNOで、憲法改正に至らず、アボリジニが連邦議会に直接提言できるシステムを作ることができなかったが、アルバ二ジ労働党首相の提案そのものを評価したい。国民人口の3.2%の少数民族を、その地位を憲法に明文化し、連邦議会のアドバイザーに置くと言うことを実現している国が他にないからだ。
日本ではどうか。少数民族アイヌ省を国会に、在日中国朝鮮の人を議会のアドバイザーに、障害者による障害者省を、建設省や厚生保険省同様の存在として置くことができるか。それができれば少数者は生きやすい。すくなくとも差別的入管法や、LGBTIQなんじゃら法は成立しなかっただろう。

ブラジルのルーラ ダ シルバ労働党が率いる新政権は、人口169万人、ブラジル人口の0.8%の先住民族を尊重し「先住民族省」を新設した。先住民族団体の全国ネットワークから下院議員の当選した代表が、先住民族省の初代大臣に任命されて、アマゾン乱開発、森林破壊をくい止めるパワーを持つことになった。立派な判断だと思う。今後も注目していきたい。

パレスチナはどうか。ガザは。先住民族の土地を侵略し、75年間彼らの生きる権利を蹂躙してきたイスラエル国は、先住民族を尊重するどころか銃で追いやり、16年間ガザを封鎖し、自由を奪い、セトラーと呼ばれるシオニストが、新たな住宅を次々と建てている。国連はそれを違法だと非難しているが、止める力を持たない。
ガザで病院がミサイルで破壊され、先住民族がジェノサイトの対象になっている。国連は何をしているのか。国連平和軍を送って停戦を実現しろ。 民族差別はどこにでもある。差別されるものと差別する者とのギャップを埋めるためには、差別される側の声の耳を傾ける努力を常に続けなければいけない。マイノリテイの存在を過小評価するな!
武満徹作曲、谷川俊太郎作詞の「死んだ男の残したものは」を歌ってみた。

I am singing[ Shinda otokono nokoshita monoha ]( What dead man left ) Composed by Takemitsu toru , Lyrics by Tanigawa Shuntaro.

What the dead man left. He left his wife and a child. No other was left. no grave stone no cemetery.
What the child left. He left a wooden foot and tears. No other thing was left. No memory no record. What a soldier left. He left a broken gun and distored the Earth. No others were left. No peace no pacifist. What they left. They left me and you. No other people left . No men and women. What the history left. The history left shining today and bright tomorrow. No other thing was left. No others.



2023年10月12日木曜日

一刻も早く停戦を!

ウクライナのゼレンスキー大統領が、ウクライナに兵器工場を建設し海外の需要にこたえて多くの武器を作りたい、とツイートし数分以内にイイネが8000付けられた。彼はウクライナを防衛産業複合体用の経済体制にしたいという。今現在、戦場で実験されている兵器の注文を受け、その兵器が人体にどう効果的に使われ、、、すなわちより少量で最大限の人を殺せるか、実地試験できるわけだ。製造業者も軍隊も戦場で武器の性能を分析し、どう使うと、より良く人を殺せるか、その場で知ることができる。

9月30日、戦闘下のキーウで、米国、EU、アジア、オーストラリア、30カ国から防衛企業25社が集まり、ゼレンスキーと今後の武器製造と供給について話し合いがもたれた。まさにウクライナは武器見本市と、兵器の実験場となっている。
国家総動員令を発動し18歳から60歳までの男性の国外脱出を禁止し、国民に武器を持つことを強制しているゼレンスキーは、英国から劣化ウラン弾を手に入れて自ら国土を破壊し、EUと米国からF16 戦闘機を受け取り、100か国で禁止されているクラスター爆弾を多量に送られて使用している。そういった米英EUから無償提供された武器だけでなく、自国でも武器製造をしたいという発想は異常だ。武器産業と関係を深める中で、死の商人のうまみを知ってしまい、其処から抜けられなくなっているのではないか。

武器産業は、戦争が長引けば長引くほど儲かる。
ゼレンスキーの個人資産は調査報道メデイア捜査インフォによると、1800憶ドル。戦時下にイタリアに別荘を持ち、英国とキーウにもアパートを購買、タックスヘブンと言われるバージン諸島にペーパーカンパニーを作って、2021年だけで8億5千万ドルの蓄財をした、と国際調査報道ジャーナルが言う。こういったレポートは気分を悪くするだけだが、ウクライナに兵器工場を作り、世界の兵器需要の応えたい、というのは、最悪だ。

10月7日に始まったイスラエル、ハマス間の「戦争」にウクライナに行くはずだった武器がイスラエル軍によって使われているという。
旧約聖書の時代から差別されローマ帝国からも追放され国を持たず、オスマントルコの地、パレスチナに大移動し、1947年にイスラエル国を作った人々は、強い宗教心に導かれ、先住者パレスチナの民を迫害してきた。
先住者の住んでいたパレスチナはパレスチナ共和国として、国連でも国として、138各国から認められた独立国だ。国連代表として、マンスール国連大使を送っている。そしてハマスはパレスチナの人々によって、民主的な選挙で選ばれた代表だ。彼らは断じてテロリストではない。
エルサレムはユダヤ教にとっても、イスラム教にとっても、キリスト教にとっても聖地だ。そこで人々は、喜びを分け合い、悲しみを共感しあい、思いやりをもって生きるしか道はない。
いまイスラエルとハマスにとって必要なのは戦争ではなく「停戦」だ。ガザ200万人の住民のうち、45%は14歳以下の子供だ。子供には罪がない。だれも自分では生まれるところを選べない。自分はパレスチナに生まれていたかも知れないし、イスラエルに生まれていたかもしれない。国連は今すぐガザの境界線に国連平和軍を派遣すべきだ。
いますぐ停戦を!

サトウイチロー作詞、加藤和彦作曲「悲しくてやりきれない」を歌ってみた。

I am singing [ kanashikute yarikirenai] (Too sad to bear on) Lyric by Sato Hachiro and composed by Kato Kazuhiko.
Lyric is
Too sad to bear on Heart ache. Cry with pain. Although the Sky is shining.  My heartache. Who can listen? While clouds hanging low. my dream was broken. Who can save me? The green forest stretching. Although the wind is singing. My heartache. Should I suffer tomorrow, weeks, months or years?



2023年10月5日木曜日

国民投票にイエスを!

今、オーストラリアでは、国民投票が行われている。最終投票日は10月21日だが、その2週間前から投票が始まっている。先住民族の地位を憲法に明文化し、連邦議会に彼らが提言できるようにする連邦憲法改正法案が上、下院で採決された結果だ。

憲法を改正してオーストラリアは、アボリジニートーレス海峡諸島民が、先住民族として6500年余り前から住んでいた土地であることを明記し、連邦議会に先住民族のアドバイザーを置くことにする、という提言だ。
投票は選挙同様、国民の義務でその投票義務を果たさないでいると罰金刑が科される。用紙に書き込むのは、イエスかノーだけ。

結果がどうなるかわからないが、現在保守派自由党から労働党政権になったので、ごく自然な流れだったと思う。
2008年、前労働党ケビンラッド首相は、政権を取ってすぐ先住民族アボリジニに対して、親子を引き離し、子供を強制的に取り上げて西欧の教育を強いた、ロストゼネレーション政策に対して公式な政府からの謝罪をした。いま活躍中のアボリジニのスポーツ選手、政治家、人権活動家などの多くは、彼らの親たちが、この強制教育の犠牲者だった。この人たちが生きているうちに、政府の植民地政策が間違っていたこと、重大な人権侵害を冒していたことを認め、国として謝罪した意味は大きい。ケビンラッドはよくやったと思う。

アボリジニがオーストラリアのFIRST PEOPLE(最初の人)、先住民族であり、独自の言語や文化を持った人々だと公式に認めることは、欧州人によるオーストラリア侵略、植民と、アボリジニの虐殺の歴史を認めるということだ。英国帝国主義の誤りを認めることでもある。
植民地としてのオーストラリアは、はじめの20年間は英国の刑務所として機能した。移住者の4分の3は囚人で、人口が急増したロンドンなどで犯罪人の大半は上流社会を不安に陥れるからという理由で国外追放となった。囚人の40%がアイルランド人、3分の1が女囚だった。女囚の65%は家政婦、20%が娼婦だったと記録されている。ともかく英国の国策として送り込まれた囚人は刑期を終え、農地を得て、そこに住む先住民族を奴隷化し、奴隷にも値しないと言う理由で「害蓄」として殺しまくった。クイーンランド州やタスマニア州では、アボリジニ人口がゼロになるまでジェノサイトを徹底した。
このような200年の歴史を、憲法に明記することによってはじめて歴史を正しく見ることができるようになるだろう。帝国主義による植民、侵略がいかに人道に反することであったか、改めて認識しなければならない。

この国で先住民族は平均寿命が、8年も短い。私がこの国に来た1996年は、アボリジニとノンアボリジニでは平均寿命が12年も異なっていた。差が縮小してきているとはいえ、自殺率はアボリジニが2倍、疾病率も乳幼児死亡率も高い。失業率も犯罪率も高い。北部準州では、今でもアボリジニに深夜過ぎるとアルコールを売らないという法がある。差別だとして半年してそれを解除すると、一挙に家庭内暴力が増え、被害者たちが音を上げたため、再び深夜のアルコール禁止令が発動されている。問題はたくさんある。しかしこれらのギャップを埋めていくこと、それが入植し、侵略し、虐殺してきた人としての進むべき道だ。

オーストラリアで27年暮らしているが、アボリジニの友達は居ない。人口は総人口の3.2%にすぎない。保護政策によって人口はここまで回復した。
でも以前シドニーの公立病院、心臓外科病棟に勤めていた頃、アボリジニのおばあさんが心筋梗塞で入院してきた。この方は手術の甲斐なく亡くなった。そのとき付き添いで来ていた親族の方々が、祈りの儀式をした。祈りの歌を歌いながら死者のベッドのまわりを列を作って回りながら踊った。夜明けで、深闇だった窓からわずかな光が差し込んできて、アボリジニの歌と祈りが厳粛な、それでいて優しい愛情に満ちた時間を作っていて、その姿に心打たれた。
投票にイエスを!

I am singing 「ALWAYS REMEMBER US THIS WAY」 written by LADY GAGA.
レデイ―ガガの「いつもこうやって思い出す」を歌ってみた。バンドを一緒にやっていた恋人に死なれた人の悲しい歌。
意訳は
あなたの目の中で  アリゾナの空が燃えている   あなたは燃える火を捕まえようとして   カルフォルニアの金みたいに私を焼き尽くす   あなたは私の中に光を見つけてくれた   息が止まる   言葉が出てこない   いつもサヨナラを言うたびに傷ついてた    陽が沈み  バンドが演奏が終わり  わたしはいつもこうやって思い出す     夜になると詩を書く   どうやって韻を踏むのかしらないけど  やってみる   だけど私にわかることは  どこに行きたいか   私の1部であるあなたは  決して死なない    だから私が息を止めるとき   言葉が見つからなくて   いつもサヨナラを言うたびに傷ついてた   陽が沈み   バンド演奏が終わると   いつもこうやって思い出す