2021年10月21日木曜日

ポールサイモンにとっての「ホームワード バウンド」(帰郷)

ポール サイモン作詞の「ホームワード バウンド」(帰郷)を歌ってみた。作曲者不明。
  駅で僕はギターを抱え、これから演奏旅行にいくところ            
  夜ごとに街から街へ移動して歌って歩くんだ
  本当はすごく家に帰りたい 
  家に戻れば苦しくないし ゆっくりできるし
  自分の音楽やってられるし 恋人だって待ってる
  毎日僕はタバコと雑誌で時間をつぶし
  どの街も映画館と工場ばっかり 人々もみんな同じ顔 
  今夜僕はまた自分で作った歌を歌う 約束通りにね
  だけど僕の吐いた言葉は自分に帰ってくる
  凡庸で、空虚な歌 こんな僕を慰めて欲しい
  本当はすごく家に帰りたい
  家に帰れば苦しくないし ゆっくりできる
  自分の音楽やってられるし、恋人も待ってる

ポール サイモンが無名時代に恋人と別れてデビューするために家を出て行った時に作ったという曲。後から考えると彼にとっての家は、恋人と住んでいたエセックスではなく、自分が生まれ育ったニューヨークのユダヤ人街のことだったのかもしれない。あるいはもっと掘り下げて、ホームとは、お母さんの子宮に戻りたいと言う、人の根源的な願望を言っているのかもしれない。人はみな自分がひどい失敗をしてしまったり、みじめな時、もう一度お母さんの子宮に戻って、はじめから生き直したいと思うものだ。
住んでいるアパートの隣が教会で、その入り口に電光掲示板がある。夜になると聖書からの言葉なんかが出てきてピカピカ光っているが、昨日のは、「R U OK?」だった。(アーユーオーケー?)あなた 大丈夫?というわけだ。コビッド禍が2年近くに及んで、精神的にダメージを受けていない人は居ないだろう。
若くて無名だったサイモンは、自分の才能を信じて家も恋人も捨てて、家に帰りたいよーと叫びながらも振り返らず、前に進んで成功を掴んだ。苦しい時自分の感情をため込まないで、外に放出する。黙っていないで、文章や歌や語ることで、傷ついた心を表現することが、とても大事なことだ。
I am singing [ Homeward Bound ] Lyrics written by Paul Simon, composed by unknown and recorded by Simon & Garfunkel.