2010年5月22日土曜日
わたしの2010年上半期漫画ベスト10
まだ5月が終わってないのだけど、今年の上半期に読んだ漫画のなかで おもしろかった順から並べてみた。
1:「バガボンド」 井上雅彦 1-32巻
2:「聖おにいさん」 中村光 1-4巻
3:「テルマエ ロマエ」 ヤマザキマリ
4:「竹光侍」 松本大洋 1-8巻
5:「宇宙兄弟」小山宙哉 1-9巻
6:「神の雫」 オキモトシュウ 亜樹直作 1-24巻
7:「青い春」 松本大洋
8:「ちはやふる」 末次由紀 1-8巻
9:「働きマン」 安野モヨコ 1-3巻
10:「源氏物語 あさきゆめみし」 大和和紀 1-7巻
10:「ドラゴン桜」 三田紀房 1-21巻
1:「バガボンド」1ー32巻 継続中
宮本武蔵を描いた作品。この作家ほど人物描写がうまい作家は他に居ない。絵が とても美しい。ストーリーの作り方も上手だ。他の漫画家から抜きん出て居る。
宮本武蔵が切り捨ててきた 数々の剣士達、一人一人が忘れがたい。32巻まで読んだが 第一巻からしっかり記憶に残っていて 感動がよみがえってくる。
「スラムダンク」で、高校生だった当時のファンたちと共に 成長してきた作家自身が 今度は武蔵とともに成熟し、作家としてゆるぎない地位を築いた。この作品を書くと同時に、全くジャンルの違う「リアル」のような 内容の濃い漫画も同時に連載している。本当に、力量のある作家に違いない。
2:「聖おにいさん」1-4巻 継続中
とにかく おもしろい。ページをめくるごとに 笑える。
イエスとブッダが二人して 地上に降りてきて高円寺のアパートで、一緒に暮らしている。今まで作家が取り上げなかった宗教を題材に漫画にしているが けっしてブラックジョークやシニカルにはならないところが良い。若い人らしく軽快に楽しい笑いを取るところが 爽やかだ。作家が実に 笑わせる芸に長けている。
3:「テルマ ロマエ」継続中
2010年漫画大賞受賞作品。
時は、紀元前。建国から800年ローマ文化の爛熟期。
ローマ風呂の技師ルシウスは、仕事に熱心なあまり、昼も夜も考えることは風呂のことばかり。仕事熱が高じて 現代の日本にタイムスリップしてしまう。まじめな顔のルシウスが、ローマ時代から 今の日本にくるごとに、驚愕する姿が おかしくてたまらない。ローマ人の風呂好きと日本人の風呂好きが、こんなに相似点で結ばれているとは、、、。
日本の銭湯にワープして「平たい顔族」(日本人のこと)や、一枚板の鏡やフルーツ牛乳に感動する姿には笑ったが、猿が浸かっている温泉にワープしたり、個人風呂ニワープするごとに、ストーりーが広がっていく。日本の風呂に突然、ルシウスが現れるたびに 日本人が大して驚きもせず ルシウスを自然に受け入れて あれこれ世話をする姿が本物っぽくて、すごく笑った。作家は とても頭の良い人だ。
4:「竹光侍」1-8巻 完結
絵にこだわる松本大洋の作品。瀬能宗一郎は、人里離れた山奥で 幼い時から厳しい父親に剣の道を教えられて育った。しかしある日、送り込まれた刺客によって 両親を失い独りきりになる。そこで、父親の形見の剣をもって、江戸に出る。目明し(御用聞き)親分に拾われて、かたぎ長屋で 子供達に読み書きを教えて、暮らすが 次々と現れる侍や殺し屋に、関わりあうことになる。遂に、命をかけた真剣勝負をすることになるが、彼は最後まで、自分がどうして人々から狙われるのか 知らずにいる。
おっとりした狐顔の宗一郎がとても良いが いったん剣を抜くと、別人に豹変する姿など、描き方が迫力満点だ。
5:「宇宙兄弟」1-9巻 継続中
宇宙飛行士になることを夢みて 成長してきた二人の兄弟、南波六太と3歳年下の南波日々人。日々人が一足先にNASAの職員となり、日本人ではじめて月面に立つことになった。
よく出来て、素直で性格も良い日々人に比べて、何をやっても冴えない兄の六太が、がんばる兄貴の姿に、自分を投影して、つい六太を応援したくなる。
6:「神の雫」1-24巻 継続中
味わい というものに これほど深さと多様さがあるとは、、、。
これを読んでから ワインの飲み方が変わってきた。神咲雫や、遠咲一青のように、微妙な味を味わい、香りを理解することはできないが 今までよりも 慎重に味わうようになった。何となく 人物のつながりと結末はわかってきたが、これからも出てくるワインの数々を見てみたい。
7:「青い春」 松本大洋 短編集
一つ一つの短編が、それぞれ違う味で、独立しながらキラキラ輝いている。
8:「ちはやふる」1-8巻 継続中
全く興味も知識もなかった百人一首 かるたとりの世界をちょっとだけ知ることが出来て、興味の幅が広がった。「ヒカルの碁」で、碁をちょっとだけ齧り、「ダービージョッキー」で、競馬のことが すこしだけ分かるようになった。漫画で得る知識もばかにならない。
若い女の子が ひとつのことに一生懸命になっている姿はいつ見ても 好ましい。主人子の綾瀬千早が、自然体でとても良い。彼女をとりまく男の子達も、清々しい。
9:「働きマン」安野モヨコ
雑誌社に勤める女の子。編集長になって 自分の思いどうりの雑誌を作りたい。そこまで登りつめるために仕事で徹夜も平気。気のあったボーイフレンドもいるけど お泊りよりも仕事第一。若い男の新人などの何倍もバリバリ働く女の子。マスコミ界にいたことがあるから「シメキリ」の4文字の怖さを知っているし、この女の子に共感するところもある。でも、現実はもっと過激かもしれない。実際編集長を務め 男性社員を叱咤しながら働いて、さらに家族を持っている立派な女性を何人も知っている。もっともっと、本気で働く女性が漫画で描かれて良いのではないか。
10:「源氏物語 あさきゆめみし」1-7巻、完結
随分昔に 発表されたらしいが、初めて手にした。絵が美しい。光源氏の描き方に好感をもてる。
10:「ドラゴン桜」1-21巻 完結
何が何でも 教え子を東大に入学させようとする 龍山高校の桜木健二先生が 押し付けがましいが、ばかくさくて、おもしろい。