映画「イントゥー ザ ワイルド」ショーン ペン監督のアメリカ映画を観た。
1990年に大学を卒業したばかりの クリストファー マキャンドレス22歳は、約束された有望な将来に見向きもせず、自分を育ててくれた家族、友人すべてを残して 一人で旅立つ。技術者として優秀な父親、一人息子に盲目的な愛を注ぎ込む母親、中産階級のぬくもりすべてを捨てて、学生時代に稼いだ240万円全財産をOXFUN(児童育成基金)に寄付して、自分の身分証明書も、運転免許証も破り捨て、持っていた現金を焼き払い、無一文になって、旅を始める。
南ダゴダから、コロラド川をカヌーでくだり、アリゾナへと下って カルフォルニア、メキシコへと旅をする。心配した両親が警察ばかりでなく探偵まで雇って追跡調査しようとするけれど、身を隠すようにして姿をくらませる。沢山の人々との出会い、人助け、身を粉にして働いて得る食べ物、孤独な老人の心の友になったりしながら彼は旅を続ける。そして最後にはアラスカをめざす。しかし、悪天候と、大自然の猛威なさらされて 遂に生きて帰ることが出来なかった青年の冒険物語、権力とマネーパワーのアメリカに対する反逆児、自然と人との共生をあくまでも追求した理想主義者 ということもできる。
この実在した青年が死ぬ瞬間まで書き続けた日記と友人達からのインタビューをもとにして書かれた、作家ジョン クラクアー(JON KRAKAUER)による同名の本を映画化したもの。ベストセラーの この本を映画化したのがショーン ペンというだけで、注目に値するから、日本ではまだ公開されてないようだが そのうちに出てくるだろう。ショーン ペンは あのマドンナのもと旦那 と説明する必要のない立派な俳優兼映画監督。2003年「ミステイックリバー」でアカデミー主演男優賞、2001年「アイアムサム」で 6歳の娘より知能が低い父親の役を好演した。
この映画で、実在したクリストファー マキャンドレスを演じたのは、エミール ヒルク(EMILE HIRSCH)。彼は「THE EMPERORES CLUB」、「THE GIRL NEXT DOOR」という映画に出ているそうだが私は知らない。私が彼に注目したのは2年前の映画「ROADS OF DOG TOWN」という映画。これはカルフォルニアで1970年代に初めて スケートボードが作られて、これに夢中になった少年達がスポーツとしてスケボーを普及させるという痛快な映画だったが、美少年ばかりが5人も6人も出てきて大いに楽しんだ。中でもこのエミール ヒルクがとても冴えていたので、注目していた。今、この映画で、140分間、彼の冒険物語を見て、改めてショーンペンが抜擢した俳優だけのことはあると思った。コロラド川を警備隊の目を盗んでカヌーで川下り、砂漠を歩き、アラスカの山々を登山、鳥を撃ち半生の肉に食らいつく。「ROADS OF DOG TOWN 」ではぽっちゃりした可愛い少年だったのに、この映画の最後の方 飢えで死ぬ直前などあばら骨浮く姿で、すごく迫力ある演技だった。
彼の冒険物語をみながら、映画「グリズビー マン」が思い出されてならなかった。ショーン ペンは明らかに、この映画というか、ドキュメンタリーフィルムに影響をうけている。青年が山を歩いているときにかかる音楽なんか、ギターかかえて、ひとり男が歌うカントリー調のロックで、とても効果的。この映画ではエデイー べダー(EDDIE VEDDER)が 映画のために曲を作って歌っている。 「グリズビーマン」では、リチャード トンプソンという人が音楽監督、なかでボブ ミッチェルが,「コヨーテ」を歌っていて、とても、印象的で忘れられなくて、あとでCDを探したけど、見つからなかった。
「グリズビーマン」はテイモシー トレッドウェルという、アラスカでグリズビー灰色熊に、人間で一番近くまで行った人の、ドキュメンタリー映画。野生の熊との交流を 何年も、自分でカメラのフィルム回して撮影していて、ガールフレンドと一緒に年老いた熊に襲われ 食われてしまった。熊に襲われる直前まで本人が回していたフィルムだから、それはそれは迫力があった。好きなことをして その結果 命を落とした本人は それで満足だろうが ガールフレンドが彼を助けようとして自分も食われてしまった現実について、現地のインデアンの人は、「認識が甘すぎた。熊との共生は 距離をおいて、互いに尊重しあわなければ誤りだ。」と言っていた。正論だ。
「INTO THE WILD 」でも、グリズビーが出てくる。 この映画、「グリズビーマン」同様、好きな人と嫌いな人がいるだろう。親の立場からみたら、自分の子供にこんな無茶なことをやられた末に 死なれてしまったら、かなわないと思うかもしれない。彼の両親に対する憎しみ、何と自分勝手な、、と、彼に共感できない人も多いだろう。でも子供から大人になる為に、人は一度は親を切り捨てる必要がある。その捨て方は、人が100人いれば100様だ。クリストファーの生きかた、人生をロマンと捉えるか、現実を先に見るか、人は一様ではない。
私は100の説教より行動する青年が好き。一歩踏み出して失敗したら反省すれば良い。この映画、私はこの青年にとても共感できた。身分証明書も運転免許証も焼き捨てて、現金も焼き捨てて、ただただ、自然と一体になりたくて旅に出る青年に 潔い美しさを認める。こんな青年が私達のまわりにたくさんたくさん居てくれても良いのだと思う。
1990年に大学を卒業したばかりの クリストファー マキャンドレス22歳は、約束された有望な将来に見向きもせず、自分を育ててくれた家族、友人すべてを残して 一人で旅立つ。技術者として優秀な父親、一人息子に盲目的な愛を注ぎ込む母親、中産階級のぬくもりすべてを捨てて、学生時代に稼いだ240万円全財産をOXFUN(児童育成基金)に寄付して、自分の身分証明書も、運転免許証も破り捨て、持っていた現金を焼き払い、無一文になって、旅を始める。
南ダゴダから、コロラド川をカヌーでくだり、アリゾナへと下って カルフォルニア、メキシコへと旅をする。心配した両親が警察ばかりでなく探偵まで雇って追跡調査しようとするけれど、身を隠すようにして姿をくらませる。沢山の人々との出会い、人助け、身を粉にして働いて得る食べ物、孤独な老人の心の友になったりしながら彼は旅を続ける。そして最後にはアラスカをめざす。しかし、悪天候と、大自然の猛威なさらされて 遂に生きて帰ることが出来なかった青年の冒険物語、権力とマネーパワーのアメリカに対する反逆児、自然と人との共生をあくまでも追求した理想主義者 ということもできる。
この実在した青年が死ぬ瞬間まで書き続けた日記と友人達からのインタビューをもとにして書かれた、作家ジョン クラクアー(JON KRAKAUER)による同名の本を映画化したもの。ベストセラーの この本を映画化したのがショーン ペンというだけで、注目に値するから、日本ではまだ公開されてないようだが そのうちに出てくるだろう。ショーン ペンは あのマドンナのもと旦那 と説明する必要のない立派な俳優兼映画監督。2003年「ミステイックリバー」でアカデミー主演男優賞、2001年「アイアムサム」で 6歳の娘より知能が低い父親の役を好演した。
この映画で、実在したクリストファー マキャンドレスを演じたのは、エミール ヒルク(EMILE HIRSCH)。彼は「THE EMPERORES CLUB」、「THE GIRL NEXT DOOR」という映画に出ているそうだが私は知らない。私が彼に注目したのは2年前の映画「ROADS OF DOG TOWN」という映画。これはカルフォルニアで1970年代に初めて スケートボードが作られて、これに夢中になった少年達がスポーツとしてスケボーを普及させるという痛快な映画だったが、美少年ばかりが5人も6人も出てきて大いに楽しんだ。中でもこのエミール ヒルクがとても冴えていたので、注目していた。今、この映画で、140分間、彼の冒険物語を見て、改めてショーンペンが抜擢した俳優だけのことはあると思った。コロラド川を警備隊の目を盗んでカヌーで川下り、砂漠を歩き、アラスカの山々を登山、鳥を撃ち半生の肉に食らいつく。「ROADS OF DOG TOWN 」ではぽっちゃりした可愛い少年だったのに、この映画の最後の方 飢えで死ぬ直前などあばら骨浮く姿で、すごく迫力ある演技だった。
彼の冒険物語をみながら、映画「グリズビー マン」が思い出されてならなかった。ショーン ペンは明らかに、この映画というか、ドキュメンタリーフィルムに影響をうけている。青年が山を歩いているときにかかる音楽なんか、ギターかかえて、ひとり男が歌うカントリー調のロックで、とても効果的。この映画ではエデイー べダー(EDDIE VEDDER)が 映画のために曲を作って歌っている。 「グリズビーマン」では、リチャード トンプソンという人が音楽監督、なかでボブ ミッチェルが,「コヨーテ」を歌っていて、とても、印象的で忘れられなくて、あとでCDを探したけど、見つからなかった。
「グリズビーマン」はテイモシー トレッドウェルという、アラスカでグリズビー灰色熊に、人間で一番近くまで行った人の、ドキュメンタリー映画。野生の熊との交流を 何年も、自分でカメラのフィルム回して撮影していて、ガールフレンドと一緒に年老いた熊に襲われ 食われてしまった。熊に襲われる直前まで本人が回していたフィルムだから、それはそれは迫力があった。好きなことをして その結果 命を落とした本人は それで満足だろうが ガールフレンドが彼を助けようとして自分も食われてしまった現実について、現地のインデアンの人は、「認識が甘すぎた。熊との共生は 距離をおいて、互いに尊重しあわなければ誤りだ。」と言っていた。正論だ。
「INTO THE WILD 」でも、グリズビーが出てくる。 この映画、「グリズビーマン」同様、好きな人と嫌いな人がいるだろう。親の立場からみたら、自分の子供にこんな無茶なことをやられた末に 死なれてしまったら、かなわないと思うかもしれない。彼の両親に対する憎しみ、何と自分勝手な、、と、彼に共感できない人も多いだろう。でも子供から大人になる為に、人は一度は親を切り捨てる必要がある。その捨て方は、人が100人いれば100様だ。クリストファーの生きかた、人生をロマンと捉えるか、現実を先に見るか、人は一様ではない。
私は100の説教より行動する青年が好き。一歩踏み出して失敗したら反省すれば良い。この映画、私はこの青年にとても共感できた。身分証明書も運転免許証も焼き捨てて、現金も焼き捨てて、ただただ、自然と一体になりたくて旅に出る青年に 潔い美しさを認める。こんな青年が私達のまわりにたくさんたくさん居てくれても良いのだと思う。