2024年12月31日火曜日

2024 年の終わりに

ウクライナでは、プーシキンの宝石のような詩の数々も、ドストエフスキーや、叡知の結晶のようなトルストイの書籍も、学校や図書館から運び出され、焼き払われたのか?
もうウクライナでは、ショスタコビッチもラフマニノフも演奏されないのか? もうチェホフもゴーリキーも上演されないのか?
もうウクライナでは、ユリウス暦に従ってクリスマスを祝うことはできないのか?人々はロシア語ではなく、慣れないウクライナ語でしか語り合えないのか?

なんということだろう。戦車は、人々の支えだった宗教も文化も言語さえも奪っていく。

パレスチナでは、4万5千人以上の市民の命が奪われ、1万人の行方不明者は、爆撃で崩壊した瓦礫の下に埋まったままだ。学校も救援物資トラックも病院も爆撃され、生きながら患者たちが焼き殺されていく。シオニズムという嵐の前に、言葉もない。
資本主義経済の避けようもない帰結としての戦争。
生産したものをできるだけ高くたくさん供給しなければならず、それによって蓄積した富を増大させ経済成長する事によってのみ生き延びられる資本主義経済のシステムは、当然ながらオイル収奪、エネルギー源独占、他国侵略と戦争を産む。

トマピケデイの、「暴力装置としての国家が介入し、資本税を徴収することによって富の公平配分を実施しなければならない。」という説をお伽話として聞いておこう。
斎藤幸平の「脱成長」と、「地球をコモンとして管理する」説も意識ある世代と限られた条件と努力によって、社会を改良はできても、資本主義の国々の強奪や軍事力には勝てない。
政治も宗教も上部構造は下部構造に規定されるという厳然たる事実は、それが資本主義経済そのものだということを歴史が語ってきた。それを壊さないと殺し合いも飢えも終息しない。
Where have all the books gone in Ukraine?
Like jewels Pushkin poets, Fyodor Dostoevsky, and the enlighten Leo Tolstoy's words?
Have taken away from schools, and from libraries for burning down?
Have the Ukraine stopped listening and playing Shostakovich and Rachmaninoff's beautiful concerts?
Have the Ukraine never played Chekhov or Maxim Gorky on stage?
Have the Ukraine changed their mother tongues Russian to Ukraine language, and celebrate Christmas at Western calendar, not Julian calendar?
long time passing
long time ago?
Where 45000 Palestinian civilian, women and children gone in the Gaza Strip?
Where 10000 Palestinian missing people gone? They have been under the rubbles.
Where have the justice gone ? Where have the law gone ? Where have human conscience gone ?
long time passing
long time ago?

I am singing [ Auld Lang Syne ] in the end of 2024.
「蛍の光」を歌ってみた。



2024年12月24日火曜日

映画:グラデイエイター1&2

イタリアを旅行したことのある人は、ローマの中心にあるカラカラ浴場を観たことだろう。AD2世紀に造られローマ市民に「庶民の宮殿」と呼ばれ、観劇や図書館まで完備した大浴場リクリエ―ション施設だった。今でもそこでオペラが行われ有名歌手の舞台になっている。それを建設した皇帝カラカラが、映画に出て来て馬鹿殿様ぶりを見せる。
リゴリースコット監督による映画の半分以上は史実に基ずいているから、面白くないわけがない。

当時、ローマの円形劇場コロシアムに集まる数十万人のローマ市民を前にして、猛獣や奴隷や他の剣闘士と戦うグラデイエイターは、高額な報酬を得られる人気稼業だった。戦って得られた貯金額によっては、ローマ市民として余生を送ることができた。当時のローマ帝国は100人の長老による元老院とローマ市民による直接民主主義的な投票によって国政が執行されていた。AD1世紀から500年近く、ローマ帝国の領土は最大限で、全ヨーロッパ、中近東、アフリカに及んだ最盛期で、最も華やかな時代だ。

映画:グラデイエイターⅠのストーリーは、
実在したローマ皇帝の中で最も賢帝と言われた皇帝マルクスアウレリウス(リチャードハリス)は自分の右腕だった将軍マクシムス(ラッセルクロウ)を次期皇帝に指名する予定だったが、それを知ったバカ息子コモドス(ホアキンフェニックス)は父親を殺し、マクシムスに皇帝殺しの濡れ衣を着せ、彼の家族を殺害、辛くも暗殺を逃れたマクシムスが、グラデイエイターとなってコモドスに復讐するが、自分も命を落とす。というお話だった。

映画:グラデイエイターⅡのストーリーは
皇帝マルクスアウレリウスの右腕だったマクシムスと皇帝の娘ルッチラとの間には、秘密の息子がいた。それが今回の主役ルシアス(ポールメスカル)。彼はローマの属州で孤児として育ったが父親に似て教養があり体が大きく勇敢で、ローマとの戦争に敗れ捕虜として奴隷商人に買われ、ローマに連れてこられる。彼の強さは破格の強さで、選ばれてローマのコロシアムで、アフリカから連れてこられたライオンやサイや狂暴サルと死闘を繰り返して名を馳せる。奴隷商人(ベンゼルワシントン)の野望は知恵の足りない皇帝カラカラに取り入って自分が次期皇帝の権力を奪取することだが、そのコマとしてグラデイアエイタ-のルシアスを使う。何も知らなかったルシアスは、アガシウス将軍(ペトロパスカル)に自分が前皇帝の娘ルッチラ(コニーニルセン)とマクシムス(ラッセルクロウ)との間に生まれた息子であることを知らされる。ルッチラは母親としてルシアスを守ろうとして、反逆者として命を落とし、アガシシウス将軍も皇帝に殺される。それを見てルシアスは反逆の時来たり、として皇帝もその側近も亡き者にする。というおはなし。

全編モロッコで巨大なコロシアムが実際に造られて撮影された。豪華絢爛のローマ帝国史になかでも最も華やかだった頃のコロシアムに、数十万人の市民が押しかけ、どう猛な野獣とグラデイエイターが戦う。コロシアムに実際海水を引いて、人食いサメを放ちガレー船とガレー船とで海上戦闘を繰り広げる、当時のローマ帝国の栄華、豪華な人々のレジャーが殺して、殺して、殺しまくるのを見物することだった。それが人々の労働からの解放で楽しみ、歓喜だった。
この映画、執念の父子、復讐劇といえる。年末には忠臣蔵を見る日本人に丁度よいタイミングだ。観て損はない。

2024年12月17日火曜日

大ユダヤ国家創出

大ユダヤ帝国創出
シリア国家消滅
パレスチナ国滅亡
これが毎日進行していることだ。シリアのアサド大統領が追放されてからの、この2週間、西側ジャーナリズムが流す報道への気持ちの悪さは例えようがない。
「独裁者に抑圧されていた市民が、解放されて歓喜に涙しています。」「迫害され拷問されていた民主主義の善良な市民が、遂に自由になりました。」「少数派のクリスチャンが、クリスマスを祝えると言って喜んでおります。」
テロリストで独裁者アサド大統領が、テロリスト軍団HTSに、乗っ取られてテロリストISISも、アルカイダも、守り切れないゴラン高原と国連の定める緩衝地帯をイスラエル軍が占拠した。それらの土地をテロリストから守るため、連日、そして今も数百数千の爆弾を落として、テロリストから市民を守っているそうだ。
テロリストって何だ?
いま独裁者アサドを倒したHTSリーダー:モハメドアリシャウラは英雄扱いだが、米国国務省から2005以来テロリストとして,1000万ドルの懸賞金つきで指名手配されていた。
今、米国とイスラエルは彼を英雄として懐柔し、操り人形として利用するためのスケジュールを練っている。
悪夢の再現、いつも観たてきた悪夢の再現だ。
米国は
2003:イラクで、サダムフセイン独裁者を倒した(オイル目的)
2011:アフガニスタンでオサマデインラデインを倒すため進駐した(オイル目的)
2011:リビアでカダフイ大佐を倒した。(オイル目的)
2011:シリアでアサドを倒せなかったが3分の1の国土とオイルを奪取した。
これが現在まで続いて、シリアは米国西側諸国からの経済封鎖によって経済的に困窮し、長引く戦争で人々は苦しんできた。
いま、イスラエル軍は多量の爆弾を落としてシリアの国家施設や軍事施設を破壊し、すでに市民の生活基盤も破壊してブルドーザーで「整地」している。イスラエル人セトラーを移住させるためだ。このようにしてイスラエルは、国際法に違反して、パレスチナの西岸地域の土地80%を奪い、セトラーに住まわせた。またガザを徹底的に破壊しパレスチナ人をジェノサイド攻撃し、家々をブルドーザーで整地している。かれら「選ばれた民」はパレスチナ全土に住み着く。そして、シリアにも。
バグダッドでCNNの報道官にマイクを向けられて、おばさんが「今年は教会でクリスマスが迎えられます。」と喜びを語らせられていたが、、、おっと!西側ジャーナリスト何言ってんの? アサド大統領はクリスチャンで、シリアでキリスト教徒が迫害されたことはない。
ついでマイクを向けられたおじいさんは、ひとこと「LEAVE US ALONE,」と言った。そうだ。ほっといてくれ!
シリアのことは米国ではなく、イスラエルでもなく、シリアの国民が決めることだ。ほっといてくれ!  汚れた手を引け! 
Is it great and wonderful that the Dictator Assad has been deported and people of Syria have been feed??? Are they happy Israel grabbing Syrian land??
Syria has been taken over the bunch of terrorist Jihadists : Hayal Tahror al Sham( HTS). Now, the leader: Muhammad Al- Jawlani is a[ HERO ] of the Syrian, according to Western media, however at 2005,Washington DC put on his head $1000 million award as a wanted terrorist.
Israel seized a buffer zone between the Israeli occupied Golan Hights and the rest of Syrian territory that was established 1974.
US governments spokes man stated that Israel should grab the land of Syria. It is important Israel-Syrian buffer zone which potentially creates a vaccum that could have been filled by terrorist organizations that would threaten state of Israel and civilians inside Israel. Every country has the right to take action against terrorist organization."
The short term HERO of Syria : HTS seems civilians of Syria make happy. However Israel settlers already started bulldoze the land of Syria. Israel took over and expanded their LAND again.
US won Iraq and Libya for [ OIL ] and now again and again.
One of Bagdad man told [ Enough and Enough. Leave us alone.]
Yes!
Leave them alone!


2024年12月4日水曜日

ソ-シャルメデイア禁止法

世界で初めて豪国では、16歳以下の子供がソーシャルメデイアにアクセスすることを禁止した。
ソーシャルメデイアとはFB、ティックトック、X、インスタグラム、スナップチャットなど、但しユーチューブやワッツアップの教育番組は例外とされた。すでに議会を通過したので実施を待つばかりだ。
FBや、X などに16歳以下の子供が登録するのを許したメデイアは、$50ミリオン、5000万円の罰金が課される。メデイアは、ただちに登録者の年齢を確認して、16歳以下の子供を見つけたらアクセスを中止しなければならない。
この決定には教育関係者からは、あまりに子供たちがソーシャルメデイアに時間を取られる「中毒症状」を起こしやすいことと、医療関係者からは、ソーシャルメデイアにのめりこんだ子供の「メンタルヘルス」が憂慮される事態になっているという背景がある。ソーシャルメデイアを通じて友達グループから虐めにあって、12才の少女が自殺したしたことで、家族がメデイアを法に訴えているが、似たような状況で命を絶ったテイーンの家族が声を上げていた。
この法案が決議されて、政府は「豪国はワールドリーデイングのアクションをした。」(世界を主導する)と自画自賛、鼻高々だ。

十分な議論が尽くされたとは言い難いが、基本的にはこのソーシャルメデイア禁止法に私も賛成だ。16歳以下の子供は本を読むべきだ。今子供たちは、10万円以上するアップル携帯をもって学校に行き、少しでも時間があるとゲームに興じたり、テイックトックで友達とオモシロ動画を送りあって共有して楽しんでいる。それをグループで共有できない子は仲間外れだ。おもしろ動画は1分程度の短いもので、そんなショート動画ばかり見ている子供は注意力を1分しか保てない、注意力散漫で集中力のない子供になってしまう。1日2時間以上ソーシャルメデイアに時間を取られる子供は、学校での読み書き、考える能力が20%落ちた、と言う統計がある。

大人も本を読まず、新聞さえ読まない。本という広く深い叡知の泉に出会うことなく大人になる子供を見るのは辛い。自分がどれほど本が人間形成に役立ってきたか、日々実感できるからだ。音楽もオペラハウスやライブミュージック会場に足を運んで実際の音のなかに身体を浸して体感する喜びを知らずに、メデイアによる電子音で満足してしまう子供の存在は哀しい。コンチェルトに15分、交響曲に90分、オペラに3時間、じっと座って音の奏でる素晴らしさを知ることは決して人生に無駄にはならない。
それをいうと、小姑、化石、博物館行きーと言われるだろうが気にならない。
FB、アップル、マイクロソフト、アマゾンなどIT企業は、世界1リッチな、イーロンマスクを始めとして世界の富を独占している。ソーシャルメデイアを通じて、個々人からデータを集めて抽出し、それをもとに経済効果を高め資本を蓄積している。個人がスマートフォンを使えば使うほど、消費欲求がアルゴリズムに導かれ、情報操作によって、資本家に富が集積する。世界の富の半分以上が数人の資本の私財になっている。

ソーシャルメデイアは道具に過ぎない。
便利に使えばよい。
そしてじっくり座って本を読み、実際に足を運んで音楽を聴き、映画は映画館で鑑賞し、美術館に行って優れた作品を見たら良い。16歳以下の子供たちに、ゲームを止めなさい、テイックトックを見てはダメ、などと言わず、16歳以下の子供に良い生活態度を身につけさせたかったら、大人が毎日本を読み、音楽に感動し、美しい絵を見て、良い映画に涙を流す、そういう生活をしたら良い。ところで、このソーシャルメデイア禁止法、他の国も、あとに続くだろうか。


2024年11月28日木曜日

ロシアの超高速弾道ミサイル

ロシアはウクライナの国土の20%以上を確保した。
クリミアは100%、ドンバス地方80%、ルハンスクとドネツク70%がすでにロシア領だ。クリミアは住民選挙でロシアに帰属することを決めた。
米国は1990年、ドイツ統一時に「NATO北太平洋条約統一機構は、東に1インチも拡大しない。」と約束した。この約束を覆したのは米国とNATOメンバーだった。冷戦が終わり米ソ対立がなくなり本来ならワルシャワ機構が無くなった時に、対抗する米国と英国を中心とする軍事同盟、NATOは、解散すべきだった。
しかしNATOは増強、拡大する一方でロシアの国境すれすれまで勢力を広げた。当初12カ国だった軍事組織は今、32か国、ソ連分解時、ラトビア、エストニア、リトアニア、ブルガリア、クロアチア、モンテネグロ、スロバニア、ルーマニアらが加わり、さらに2023にフィンランド、2024にスウェーデンが加わって、ロシアは完全に米軍に包囲された。

2年前、ロシアがウクライナに進駐を始める前、ロシアはウクライナ政府がクリミア、東部2州、ドネツク州とルハンスグ州の独立を認め、自治権を認めるなら進駐しないと約束した。しかし米国を中心とするNATOとウクライナ政府は、それを拒否した。
2121,10月26日にミンスク合意を破ったのはウクライナ政府であり、ウクライナ東部に住むロシア人を迫害し攻撃したのは、ウクライナだ。
2022年2月24日、ウクライナは国家総動員法を発令して18歳から60歳までの男子を徴兵し、本格的な戦争が始まった。
歴史にもし、を仮定してみても愚かしいが、もしミンスク合意が守られていれば戦争は起きなかった。もしこのときドネツク、ルハンスクに自治政府を認めて、住民にどのような政府に帰属するかを決めさせていれば戦争は起きなかった。

今年の11月17日、2年越しのゼレンスキー大統領の「もっと軍資金がほしい、もっと武器がほしい」の世界行脚にも拘らず、戦況が怪しくなると、ついに米英国は米国製、英国製の長距離ミサイルの使用を許可した。この米国製ATACMSと、英国製ストームシャドーという長距離ミサイルがロシアに撃ち込まれた。が、実際に撃ち込んだのは米国軍事衛星からデータを取り解析して目標を定めてスイッチオンしたのは、米軍のテクニシャンだ。ウクライナ兵ではない。
これに次いで、11月21日ロシアはその返礼としてドメステイックロングレンジミサイル:超高速弾道ミサイルを飛ばした。世界中が震える中、マッハ10、射程距離6000キロメートルで、ヨーロッパのどこでも15分で着弾、米国までも届く新型ミサイルを撃った。市民の住む住宅密集地ではない。ウクライナの軍事施設へだ。予告もしている。

ウクライナ:ロシア戦、イスラエル:アラブ戦。
この戦争は、ぜんぶ米国の「やらせ」だ。
武器は武器を呼び、軍拡に次ぐ軍拡の争いには限りがない。武器産業と製薬産業とで国の経済を維持してきた、究極の資本主義国家、米国は、武器を生産し武器を供給し武器を消費することでしか成長し生き延びることができない国家だ。そんな米国に、踊らされるのはやめよう。もう充分だ。止めにしよう。


2024年11月26日火曜日

千駄木のお稲荷さん

文京区千駄木には2人の娘たちが生まれた家があった。木造2階建ての古い家で、車が入れないような細い道の行き止まり、歪んで建っていて木造3階建ての今にも崩れそうな家や長屋や、乾物屋、畳屋などに囲まれていた。大学が成城で世田谷に長く住んでいたから、下町住まいは、珍しいことばかりだった。歩いて行ける距離に根津神社、須藤公園、森鴎外記念図書館、などがあり、自転車の前と後ろに娘たちを載せて、不忍池、東大三四郎池、上野動物園、後楽園までもビュンビュンとばして遊びに行った。
田端から団子坂を登る坂の途中に、菊見せんべいと佃煮屋があって、その向かいに小さな甘い物屋があった。おばあさんと息子が毎朝作る草餅がおいしく、小腹がすいた時にはお稲荷さんと海苔巻きがちょうどよいおやつになった。
30年近く豪国に暮らしていて、この店のお稲荷さんがモーレツに食べたくなることがある。甘すぎないで、中に何も入っていない、上に何も載っていない2口で食べられる小ぶりのお稲荷さん。
豪国でも「イナリ」は人気のテイクアウェイスナックだ。極甘の油揚げの中にこれでもか、これでもかというばかりに乗っているのはカニ、スパイシー鮭、照り焼きチキン、炒めた海藻、エビフライ、タコ焼きまで満載した上に、マヨネーズと甘辛ソースがたっぷりかかっている。1個3-4ドルで、1個につきスプーン4杯くらい分の砂糖が使われている。皆日本食は健康食だと思っていて、日本食ファンが多いが全然健康ではない。豪国人の肥満度は、米国を抜いて世界一なのも、うなずける。
日本食大好き国なのに、日本から進出した吉野家牛どん、千房お好み焼き、丸亀製めん、ミスタードーナッツ、モスバーガー、ロイズの生チョコ、などなど、全部商売にならなくて撤退した。最近進出して来た北海道パイ、もちドーナッツ、キリンバーアイスクリームも、人が入っていないので撤退近しか。若い子供たちはマックのソフトアイスが60セントで食べられるのに。キリンバーの7ドルもするほうじ茶アイスクリームなど食べない。なかなか日本の味が外国では生きのびられない。
日本人のデリケートでセンシテイブな味覚は、春夏秋冬の季節の変化によって花や草が変化し、自然の移ろいが体感できる自然条件と、食のしきたりが礼儀として家庭で伝えられる文化によるものだろう。
しかし日本の愚かな偽政者たちは、防衛費をGDPの2%以上にする約束を米国と交わし、1機3億円のトマホークを400発買う契約をした。時速330キロのトマホークは、おとなりの北朝鮮にさえ届くのに20-30分かかる。そのうちに撃ち落されること確実だ。音速の10倍という速さのロシア製ドメステイックロングレンジミサイルが飛んでいるいま、偽政者は何を言っているのか。
軍拡に軍拡で応えようとする愚かさを、このまま続けてはいけない。軍縮、これに勝るものはない。



2024年11月17日日曜日

委縮する脳

人は、手術台に乗って腹を開けてみれば、肌の白い人も黒い人も、黒髪の人も金髪の人も障害者も健常者も、内臓はみんなおんなじピンク色。心臓の大きさも誰でもさほど変わらない。だから、人は外見でなく内面に価値がある。
そして
人は、病院で生まれ病院で死ぬ。だから、医療従事者は差別なく誰の命も等しく大切にしなければならない。
おまけに、
人は誰しも歳を取れば脳が委縮して認知障害をもつ。
これは
1977年にナースの資格を取って、74歳になる今も、医療現場で働いている私の日々感じている実感だ。
私の父は、70歳まで早稲田の政経学部で教壇に立って、学生達を本当に可愛がった。若い人から慕われて満足な人生を送ったと思うが、最後の頃は実在しない人と会話して、見えない人と一緒に幻の世界に入ってしまうことが多かった。壁に向かって大声で嬉しそうに会話したり笑ったりする姿は、なかなかの迫力だった。

その父を、自分の弟の息子だった故に、実子同様に育てた経済学者の大内兵衛は、あれほど学問の人で、敬愛される人格者だったのに、晩年はひとり、話しかけても答えず、1日中ただ座って目の前のテレビを見ているだけの人だった。

いま、高度医療つきエイジケアに勤めていて、職場にはアルツハイマー病、癌末期、重度障碍者、経管栄養、経管尿、人工肛門、腎臓透析、糖尿病など複数の診断名を持つお年寄りが50人いる。多くが80歳以上なので、18年間勤めてきた間、数えきれない入所者を見送った。入所者のほぼ全員が自分では食事と排泄ができない。そしてほぼ全員が認知症を発症していて異常行動も起こすことも多い。
認知症による問題行動、混乱、ヒステリー、徘徊、盗み、暴力、譫妄などは、そういう人がいるのではなくて、風邪や尿路感染や、鬱病などを契機に問題行動が出る。トイレに座り込んで便をこね回して遊んだり、他の入所者やスタッフを殴ったり、何でも口に入れてしまったりする異常行動は、一つ一つ対策を考えて対処する。

NSW のクーマという街の老人ホームで、95歳の入所者が2本の刃物を振り回して徘徊しているので、困ったスタッフが警察を呼んだ。やってきた警察官が抵抗するおばあさんにテーザー銃を撃って転んだところ、打ち所が悪くて亡くなった、という事件が起こった。裁判で係争中だが、一般世論は、屈強な警官が可哀そうな年寄りを殺した殺人事件として報道されている。が、事はそれほど単純ではない。認知障害で譫妄を起こしている人は、予想外の暴力性と、普段の姿からは想像できないほど、何かに取りつかれたような強い力がある。その怖さは経験しないとわからない。
ただ今回の事件では、老人ホーム入居者が、簡単に台所に忍び込んで刃物を持ち出せた、ゆるい管理だったことは、責任を問われなければならない。95歳のおばあさんは以前も老人ホームを抜け出そうとして、止めようとした職員にけがをさせている、という。よほど家に帰りたかったのだろう。もっと家族も年寄りと、入所について密に話し合うべきだったろう。ただ家に帰りたかっただけのおばあさんも可哀そうだが、テーザー銃を撃った若い警官も、世間の非難を一身に浴びて気の毒だ。これがトラウマになって自分の人生を壊すようなことがないと良いと思う。

人は年を取り、様々な体の変化を体験する。自分が年を取り脳血管が詰まったり、脳神経の伝達に障害が出たり、脳が委縮したために、どういった症状や、異常行動が出てくるのかは誰にも予想ができない。
だから自分の脳がちゃんと働いてくれているうちは、そのことに感謝して、できるだけ良き人でありたいと思う。

ジャガランダが満開のシドニー、右がハーバーブリッジ、左がオペラハウス。