2026年2月11日水曜日

イスラエル首相訪豪 その2

イスラエル首相訪豪 その2
大地にひれ伏して真摯に祈る人の姿は神聖で近寄りがたい。どんな宗教であっても、どんな民族であっても神に祈りを捧げる人の姿は輝きに満ちている。

夜になって、警官隊と、数千人のイスラエル首相の来豪にプロテストするパレスチナ支援者たちとの間が険悪になり、もみあいが始まった時、その間を割るように、隊列を組む警官隊の前で、15人ほどのモスリムが地べたに膝をつき、一斉に祈り始めた。それは、宗教者による暴力を否定する、整然たる平和行動だった。

しかし
警官隊はこれらの宗教者たちをひきずり起こし、パンチを食らわせ、蹴散らしたのだ。このようなことができる警察権力を、わたしは憎む。
人であることを恥じる。
武器を持つ人々を蔑む。

イスラエルのハーソグ首相が来豪した。
昨年の12月シドニーのボンダイビーチで、アクラム父子による銃乱射事件で亡くなった15人の犠牲者を慰霊するための訪問だという。乱射事件はユダヤ人のお祭りに集まってきた市民を無差別に殺害したことで反ユダヤ主義による行為だったと言われても仕方がない。
しかし事件の背景は言うまでもなく、イスラエル政権によるパレスチナ人へのジェノサイトに対する怒りだ。誰もがパレスチナの惨状を嘆かずにいられない。
また、警官でもユダヤ人でもないのに、捨て身で、自分が撃たれながら犯人の銃を奪ったのが、モスリムのシリアから移民してきた人だった。彼のおかげで死者数が抑えられた。

今日は、パレスチナ人へのジェノサイトの当事者、イスラエルのハーゾグ首相はアルバニー二豪州首相のエスコートで、首都キャンベラに移動した。キャンベラの国会前では数百人のプロテストがこれを迎えたが、彼は豪州連邦総督と会見し議会に招かれた。
一方、豪州外務大臣ペニーウオングは、この時間、2年前にガザで食料支援物資を運んでいたオージー、ゾーイフランケンが、イスラエル軍によるドローン攻撃で殺されたことで、彼女のお兄さんと一緒に彼女の墓まいりをして、この事件のイスラエルからの公式の説明と謝罪を要求した。

アルバニー二首相は、また昨日イスラエルのスモトリッチ財務相、国防省大臣が、ヨルダン西岸のユダヤ人入植を、もっと拡大し、もっとパレスチナ人を殺さなければならない、と発言したことを取り上げて、遺憾を表明したそうだ。
ヨルダン川西岸は、パレスチナ人の領地であるにもかかわらず、今まで30万人もの入植者が違法に、土地を奪い住みついて、パレスチナ人の建て物を破壊し、生活の糧であるオリーブなど農地を根こそぎ倒してきたが、いまは80万人ものユダヤ人が、拡大した土地に住み着いているという。582人の西岸に住むパレスチナ人が殺されている。
停戦中と言われ、トランプピースプランとやらのおしゃべりが継続される今も、イスラエル軍による攻撃は休むことなく続いており、毎日死者数が更新されている。このまま帰国させるのでなく、イスラエル首相を国際法廷に突き出せ!



2026年2月10日火曜日

イスラエル首相訪豪 その1

スラエル首相訪豪   
きのう2月9日、イスラエル首相アイザックハゾグが来豪した。
2か月前、シドニーのボンダイビーチでユダヤ人のお祭りが行われていたところ、2人の銃撃手による乱射で15人の命が失われる事件が起きた。再びユダヤ人が世界の歴史の不幸を唯一背負って犠牲になった、ということでキャンペーンを張っていたユダヤ人団体が招待したものだ。この事件は、この2年間にわたるイスラエルによるパレスチナへのジェノサイトに密接に関係している。

オーストラリア政府は、4人に1人は外国生まれの多文化国家として、事件には「ユニテイ」という言葉を強調して、ユダヤ人もパレスチナ人も、どの国家も民族も等しく扱うスタンスを事件当初から明らかにしていた。テロリズムは間違っている、だから銃規制を厳しくして、民族同士のヘイトクライムを禁止するためのヘイト禁止法が厳しくなった。犯人は厳しく法によって裁かれるだろう。

かつて、たくさんのユダヤ人がナチス政権によって殺された、その事実は、だから他民族を殺しても良いという免罪符にはならない。昨年12月にボンダイビーチで15人のユダヤ人のお祭りに参加していた人々が殺されたからといって、ユダヤ人が特別に保護され、国際法を違反しても良いという特権があるわけではない。

イスラエル首相は到着早々、ヘリコプターでボンダイビーチに飛び、15人の犠牲者家族をねぎらった。彼はマイクをもって「ユダヤ人は世界から守られ、自ら自分たちの国を守る権利がある。これからも反ユダヤ勢力とは断固として戦う。」と述べ、改めて、パレスチナの土地が自分たちに約束された土地であることを強調した。
このイスラエル首相は、パレスチナを侵略しパレスチナ人のジェノサイトを70年あまりの間継続してきた戦争犯罪者と言える。ネタニヤフ大統領同様の罪で、逮捕して国際刑事裁判所に、突き出すべきだ。

ガザには救援物資が届いていない。
この2年間に米国大統領トランプは217億ドル分の武器をイスラエルに送り、7000トンの爆弾の雨をガザに降らせた。その数は第2次世界大戦で世界中で使われた爆弾総数よりも多い。F35 やステルス戦闘機のような最新兵器が途絶えることなく、停戦中の今も使われて爆弾を落としている。数えられた遺体だけで、73600人が亡くなり、がれきの下には9500人がまだ埋まったままだ。
毎日、女子供の頭上に爆弾を落としながら、ガザの代表者ハマスを抜きに、トランプとネタニヤフは勝手に「ピースプラン」の計画を進めている。

これに対して、昨夜はシドニーのパレスチナ支援団体は、街の中心にあるタウンホールで抗議集会をもって、6000人の市民が参加した。メルボルンでも、他の中心都市でも同じように抗議行動が行われた。それに対して1000人の警察が警備をした。事前に市ではシドニー中心街のオフィスでは混乱が予想されるので、就業時間を早めて、沢山の人がシテイに留まって居ないように、と呼び掛けている。メインストリートのカフェやレストランなどの店も早めに店を閉めるよう通達されている。
この国の抗議集会で驚くべきは参加者がみな個人で参加していることだ。参加団体、組合のようなものの参加はない。みな個人の意志で来て、居られる間だけ居て友達を作り勝手に帰っていく。その自然体が、1949年生まれベビーブームで日本のゲバ棒デモに慣れた目には心地よい。ハーバーブリッジでも1万人パレスチナ支援デモのときも、組織動員ではなく、個人で自然に集まったものだった。
組織は腐敗するが、個人の意思は強い。

イスラエル首相は3日間、滞在するのでジェノサイト反対、パレスチナ支援の動きは連日さらに広がっていくことだろう。戦争犯罪者、パレスチナ人ジェノサイトの当の本人の来訪に抗議することは人として当たり前のことだ。規制するな!



2026年1月26日月曜日

軍人の死亡数を自慢する首脳たち

死体の数を自慢し合う首脳たち
国際経済フォーラムが行われているスイスのダボスで各国のリーダーを前にして、トランプ米国大統領が、「NATO軍などあてにならない。アフガニスタン戦争で米軍は2400人もの犠牲者を出したが、英国など、犠牲者も出さずさっさと先に撤退した。」と軽口をたたいた。
これに激怒した英国スターマー首相は、「許されざる発言だ。英国軍は457人もの尊い命を失った。彼らの家族の気持ちを思うと同盟国としてトランプは発言撤回、謝罪すべきだ。」と述べ、アフガン戦争に従軍していたプリンスハリーも、「許せない発言だ。僕も大切な仲間を沢山亡くした。」と怒った。
これを受けて、豪州国メデイアは、私たちもNATOのメンバーでもないのに英国から要請を受けて、アフガニスタンに兵を送り41人もの戦死者を出した。そのことに触れずに英国だけが犠牲になったような発言は許せない、と報道した。

2400人、457人、そして41人。
しかし
ばかをお言いではないよ。アメリカとイギリスとオーストラリアのおっさんたち。

アフガニスタンは、2001年911同時多発テロの主犯オサマデインラデインをアフガニスタン政府が匿っている、という真偽不明な説を理由に、米軍指導のNATO軍に侵攻されて、実に2001-2021年まで、20年間戦争を仕掛けられていたのだ。
その結果、176000のアフガニスタン人が殺された。
完全武装のNATO軍によって、17万6千人の市民、はだしの子供たち、善良な百姓たち、赤ちゃんを抱えた女たちが、虫を殺すように外国軍に殺されたのだ。
有名な「夜襲作戦」では夜半、民家のドアを爆破し、家の中の子供を含む男たちを狩り集め、タリバンの居場所を尋問して殺し尽くす。降伏したタリバン兵を100人単位で大量殺害する。それを20年も続け、最後米軍はタリバン兵に追われて、武器も兵站も回収できず、ただ逃げ帰ったために、NATO軍に雇われていた通訳や医療関係者はみな殺された。

アフガン戦争の契機となったラデイン氏と9,11との関係はいまだに「謎」で、ラデインがニューヨークの貿易センターを吹き飛ばした証拠は何も上がっていない。ワールドセンターのような大きなビルが、2機の飛行機がぶつかったくらいで崩壊するわけがない、というのが建築専門家たちの意見だ。ビルの地下に爆弾が仕掛けられていたに違いないと語る人も多い。
2001 9,11の報復を理由に、米国は2兆ド以上の予算を割き、NATOが13万人の兵を派兵したために、17万6千人のアフガニスタン人が殺された。しかしアフガニスタンは戦争前と同じタリバン政権に戻ったのだ。アフガニスタンはかつて、女性参政権はもちろん教育医療でも先進国だった。アフガニスタン戦争は誤りであって、やってはいけない戦争だった。

ベトナム戦争、チリ、ニカラグア、ベネズエラなどラテンアメリカの国々の戦争、イラク戦争、リビア侵攻、シリア介入、、、すべてやってはいけない、正義なき戦争だった。
アフガニスタンには、大量のリチウム、銅、石油、天然ガス、石炭、銀、レアメタルが、手つがずで埋蔵されている。いまアフガニスタンが、最貧国の一つに成り下がっているのは、米国主導のIMFによって、アフガニスタン中央銀行の海外資産、95億ドルが凍結されているからだ。
そのようにして、地下資源の豊富な国々が、米国を筆頭にした西側富裕国に戦争を仕掛けられた末、収奪されてきた。

トランプとスターマーと豪州国要人がアフガニスタンに派兵した軍人の死者数で言い争いをする姿は、醜く滑稽だ。「尊い犠牲」とは、いま喉が渇いて苦しんでいる子供たちだ。いま埋まった地雷で足を吹き飛ばされている子供たちだ。その連鎖をいつまでも続けていてはいけない。




2026年1月19日月曜日

グリーンランドはグリーンランド人のもの

ベネズエラのニコラスマドゥロ大統領の次は、グリーンランドのニールセン首相誘拐か?

いまグリーンランドの上空では、デンマーク空軍の戦闘機が忙しく旋回し、ドイツ軍、フランス軍も、英国軍も、ノルウエイ、フィンランド、オランダからも軍隊が到着した。欧州連合が、その1員であるデンマークの呼びかけに応じたものだ。
EU8カ国と、米国との間でグリーンランドをめぐって、戦争が始まるのか?すでに、米国は8カ国に対して「関税戦争」を仕掛けた。グリーンランドの米国占有に反対する国には、10%の関税をかけ、それを6月には25%に値上げするという。

グリーンランドは、BC2,500年ごろイヌイットが移住して、その独自の社会を形成してきた。それは、5万年前からアボリジニが暮らしてきたオーストラリアの歴史に似ている。オーストラリアでは、コロンブスによる「発見」後、イギリスから送られてきた罪人たちによって開拓、開発されて今日に至る。
グリーンランドでも、ノルウェー人のエリックソルヴァルゾン(950ー1003)が殺人を犯して流刑されてきて、グリーンランドに入植した。彼の努力が実を結び11世紀には人口は3000-6000に増え、280の農場が開拓されたという。

1721年デンマークとノルウェー連合王国が支配、その後、第2次世界大戦で、デンマークがドイツに占領されたのち、米国の保護下に置かれた。トランプが2024年に大統領に就任したとたんに、グリーンランドを米国に取り戻す、と発言した根拠はここにある。
その後1945年に、国土はデンマークに返還されたが、1979年5月1日に、デンマークはグリーンランドの「自治権」を認めた。

グリーンランドには、豊富な地下資源は埋まっている。オイル、ガス、希土類元素(レアアース)だ。

現在グリーンランドには米軍基地があり、トランプの義理の息子ユダヤ人のジャレットクシュナは、グリーンランドの豊富な地下資源の契約でじわじわと利権を拡大している。
トランプが言う、この戦争には、ロシアも中国も関係ない。まったく言いがかりも良いところだ。
トランプは、何としてでもレアアースが欲しい。
それがないと米国のF-35などの戦闘機も、レーダーも、高度な軍事機器も、電気自動車も、スマートフォンも、風力タービンも作れない。

そのもとになるレアアースを生産しているのは、ほぼ中国が市場を独占していて、その精製能力ゆえ、世界市場90%を占めている。一方米国の総埋蔵量は、わずか2%しか持っておらず、中国から輸入せざるを得ない。トランプのアキレス腱だ。

しかし、何が地中に埋まっているかに関わらず、グリーンランドは、グリーンランド人のものだ。グリーンランド人の意思決定が、デンマークの決定よりもずっと尊重されなければならない。
トランプに対抗して、デンマークのメッテフレデクセン首相の呼びかけ、ひと声でEUの、同盟国が一致団結してそれぞれの国の軍隊をグリーンランドに派兵したことは、軍事同盟の恐ろしさを示している。

米国の同盟国であることを選択した日本、、、米国のひと声でグリーンランドを占有したい米軍のために派兵するような日が来るのか。それとも日米軍事同盟から外れて、独立国として自覚して独自の道を探るのか。平和国、日本、日本国憲法の精神に戻れ。



2026年1月17日土曜日

大統領弾劾、罷免を!

米国大統領官邸でモニカルビンスキーとオーラルセックスをした程度のことで、米国議会が大統領罷免決議を出したクリントン大統領の前例があるというのに、どうして、よその民主国家の大統領を拉致して、その国の資産である石油を武力で奪い取るような、ヤクザもマフィアもしないような、醜い暴力をふるう大統領を罷免しないのか。そんな米国議会って何だろう。議員も国民も恥ずかしくないか。

もともとトランプは、大統領選挙で48.9%の得票数で大統領に選出された。米国の有権者、51.1%の多数派は彼が大統領に適しているとは思っていなかった。
トランプ支持者は米国で多数派ではない。2025年10月27日、CNNの世論調査では不支持率は、63%だった。それでも世界1の悪者を倒せない、そんな「自由民主主義」の世界とは一体何だろう。

こうしている間にもイランでは、CIAに踊らされた反政府自由民主主義を叫ぶ暴力的徒党が、官庁に火をつけ、パトカーを壊して軍に殺されている。
こうしている間にも、毎日毎日米国から湯水のように送られてくる武器で、ロシアで、ウクライナで、前線に取り残された兵士たちが殺し合っている。
停戦という言葉だけがむなしく交差するガザに、レバノンにイスラエル軍は爆弾を落とし子供たちの手足を吹き飛ばしている。救援物資を乗せたトラックは止められたままで、生まれたばかりの赤ちゃんが凍死し、洪水で避難所のテントが流されて飢えと寒さで避難民が命を奪われている。

トランプは去年までにイスラエル政権に、217億ドルの武器を送り、7000トンの爆弾を落として、ガザの避難民を7万人以上殺害した。
わずか365平方キロの土地に、23万人の難民が住んでいた、その頭上に、第2次世界大戦で世界中で使われた爆弾総数よりも多い爆弾を落としたのだ。

民主主義の自由な世界とは、何なのか。そんなものは幻想にすぎず、システムそのものが間違っていたのではないか、と思う。





2026年1月9日金曜日

ベネズエラの次はイランか

ベネズエラの次はイランか
イランで激しい反政府運動が、突然降って沸いたように起きている。各都市で抗議行動が起こり、内乱状態になって死者も増えている。人々がアリ ハメネイ最高指導者と、マソド ペゼシュキアン大統領のステップダウンを要求している。
明らかに米国CIAの巨額の金が動いている。トランプ大統領は、イランの内乱状態から民主勢力を救うために、米国が介入する必要があるかもしれない、と述べた。

ベネズエラでは、ニコラス マドロ大統領をトランプ大統領とその側近だけの決定で拉致し、米国裁判所で麻薬売買容疑、銃器法違反容疑で起訴し、終身刑を求刑する予定だそうだ。
大統領拉致の際に、100人余りの兵士と市民が殺された。かねてよりトランプ政権は、ベネズエラのオイルタンカーを襲撃し米軍基地に連行し、カリビアンで20曹余りの船を撃沈させ、100人以上のベネズエラ市民を殺害し、ニコラスマドロの首に、76億円の懸賞金をかけてきた。
トランプ政権の行為は国際法違反、国連憲章侵害、国連安全保障理事会無視、米国憲法の違反でさえある。

米国のラテンアメリカへの介入は
1954年:グアテマラ: 国民選挙で選ばれたアルベンス大統   領をクーデタで追放。
1965年:ドミニカ:ファン ボッシュ大統領を追放
1973年:チリ: サルバドール アジェンデ大統領をクーデタで追放。ピノチェト軍事政権による恐怖政治を行う。
1961年 キューバ: フィデルカストロ大統領に対して軍を上陸させるが失敗。
1979年: ニカラグア: ダニエルオリテガ’大統領を倒すため、レーガン大統領は10年間、内戦状態にした。
1989年:パナマ:レーガン大統領は6万人の米軍を投入し、マヌエルノリエガ軍最高司令官を拘束、米国で禁固40年を言い渡す。
そして2026年、再びベネズエラ侵攻。オイルの独占。
すべてにCIAの介入が確認されている。

この世はアポカリプスと化した。
「法」が何の意味も持たない。
世界が無法地帯となった。
法が意味を失って、自由と民主主義といった社会の根幹が崩れ落ちた。米国議会が眠っている間に、世界で1番強い男が1人で新たな植民地主義と帝国主義を復活させた。

希望は
コロンビアのペトロ大統領がBRICSに加入するという。
ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ、イラン、エジプト、エチオピア、インドネシア、AEU、アルジェリア、マレーシアがすでに加入している。続々と経済力を蓄えた国々が集まって、世界の経済の3分の1以上の経済力を持つ。IMFに頼らない、ドル建てでなく、脱ドル決済で世界の経済を流通させる。米国の力に抗するため、BRICSを強化させる。一方的にドルの力で経済封鎖されて苦しんできた国々を、解放させる。ドルの鎖から解き放つ、そのときが必ず来ると信じる。



2025年12月31日水曜日

2025年の終わりに

「僕の部屋に入ってくる方は笑顔を作ってから入ってきてください」
これは野坂昭如から直接言われた言葉だ。彼が都立駒込病院に入院した時、部屋に入ってくるドクターやナースたちが、激戦場に向かう兵士のような怖い顔で入ってくるのに辟易して、これを書いてドアに貼り付けた。

わたしは、といえば新聞記者になりたくてマスコミを学び新聞社に入ったが、酷いセクシャルハラスメントを受けて夢破れ、学びなおしてナースになりたてのホヤホヤ。笑顔などで居られる余裕もヒマもなかった。しかし、患者からみれば、注射1本、真剣な顔でされるより、笑顔でねぎらいと軽い冗談で注射されるのとでは痛みも異なる。
そうか、、、 笑顔は嬉しいときだけ笑顔になるのではなくて、プロならば、笑顔を作らなければいけないのか。と、このとき野坂昭如から学んだ。

あれから半世紀50年経って「笑顔を作る」努力をしてきた。
シドニー中心街から近い、50人ほどの高度医療を提供する老人施設でナースをしている。アルツハイマー、精神分裂症、重症心身障碍者、癌末期、胃瘻患者、人工肛門、人工透析などの患者のほかに、病院で大きな手術を受けチューブを付けたまま退院した患者が家に帰るまでのケアなどをする。お年寄りのほとんどは、自分で尿排便ができなくなって、家族が誰か分からなくなって入所してくる。
多くは、施設での食事、暖房、24時間のケアにかかる費用のために、自分の家を売って帰る場のない状態になって、カバンひとつでやってくる。費用の半分は政府もちだが、人件費の高騰で経営は楽ではない。20年勤めるうち、どれほどの人を見送ったか、数えられないほどたくさんの人を送ってきた。帰る場のないお年寄りが、安心して施設で暮らし、最後は幸せな気持ちで旅立てるように見送る。

仕事は主に疼痛管理とチューブの管理。癌末期や終末患者に、その効果を見ながら鎮痛剤やモルヒネを打つ。尿管チューブや胃瘻チューブや人工肛門を管理し、呼吸不全の人に酸素を吸入する。お年寄りはみな認識障害をもっていて、どこででも尿排便をする人や、何度傷口をふさいでも、包帯を取って血だらけで歩き回る人や、怪我をしても何度でもベッドからジャンプして床に転落する人も、自傷する人も居て、問題行動は多いが、それぞれの人の子供時代や環境などのバックグランドを考えて対策を練る。人工透析を拒否して、最後の時を静かに迎えたいと言ってくる人には、静かな環境を配慮する。大事なことは何が起きても冷静で、笑顔でいること。
人生の末期を迎えた人が、生まれてきてよかった、幸せな人生だったと思って旅立てるようにサポートする。長いこと職場では笑顔を作る努力をしてきたが、このごろは普通の顔が笑顔になってきた。

2025年が終わり新しい年が始まる。
どんな生にも価値がある。
どんな生もそれが尽きるまで生きる権利がある。
無慈悲に愛する者から引き裂かれ武力によって失われる命があることを認めたくない。
一刻も早い停戦を!
2025年最後に「蛍の光」(AULD LANG SINE)を。