2024年11月13日水曜日

ヘイト シンボル法

豪国ではナチのシンボル鍵十字や、ナチ式敬礼を公共の場で示威することは法的に禁止されている。この「HATE SYMBOL LAWS」という法の違反者は拘束され、1年程度の実刑と23000ドル(230万円)の罰金が課される。
メルボルンで自称「ヒットラーソルジャー」と名乗る25歳の男性に1か月の実刑と罰金の判決が出た。本人は「控訴する、民主主義のこの国で言論と表現の自由は守られなければならない。裁判で戦うが自分は恐れず監獄にでも行ってやる」と息巻いていた。彼とその支持団体は、「WHITE MAN FIGHT BACK」(白人の男は戦う)という旗をかざし、歴史的事実であるヒットラーによるホロコーストを否定し、中国代表のシージンピンの写真を焼いて、気勢を上げている。ヒューゴボスがデザインしたドイツ軍の制服とチョーカーで一糸乱れず行進するナチの姿を夢見ていたのかもしれないが、それに比べようもなく、20人たらず黒ずくめの服にサングラスの男たちで行進というよりはショボくって、オージーっぽく朝の散歩といった感じで歩きはじめたとたんに警察に規制、解散させられていた。
もともと直立不動で右手を斜め前にあげるナチ式敬礼は、ローマ帝国のシーザーが始めたものだった。それをイタリアのムッソリーニが真似をして、またそれをヒットラーが真似をした。シーザーはルビコンを超え、今でいう仏国、ベルギー、ルクセンブルグ、オランダ、ドイツ、スイスからドーバーを超えてブリタニアまで進攻して勝利をおさめ、ローマに凱旋した。シーザーは、この凱旋の先頭を、ずんぐり背で黒髪のローマ人ではなくて、青い目、金髪の背が高く立派な体のゲルマン人の騎兵を、先頭に立たせた。青い目、金髪、堅固な体つきのドイツ人はローマの時代から人気があったわけだ。
それにしても、ローマ時代でなく、太平洋戦争中でもない現在に、ヒットラーソルジャーと自称し、自分が選ばれた特別な存在だと思いこむ幼児性にはあきれる。ヒットラーのまねっこするのも勝手だが、他の人を攻撃したり口頭やデモストレーションで攻撃することはヘイトクライムで、立派な犯罪だ。「反共、移民排除、白人、男だけ」が優れているという選民思想は、社会の規範に沿わない。鍵十字やナチ式敬礼を禁止するのは公益にかなっていて正しい。

しかしそれよりも、ナチズムより強い民族意識と優生思想を持ったシオニズムとは、本当の差別主義でユダヤ人だけのものだ。ヘブライ人だけが神に選ばれた民族で救済されなければならないという選民意識は、他民族を差別し、他宗教信者を人扱いしなくても良いと理解されている。ナチの「ゲルマン民族純潔主義」の裏返しで、自分達だけが他とは同化できない「ユダヤ純潔主義」に固執する。ネタ二ヤフ政権は、ガザでジェノサイトを続け、ヨルダン川西岸を完全に侵略し、ゴラン高原を占拠し、レバノンを侵攻し領土を広げている。
政権をトランプに引き継ぐ前に、米国民主党政権は最後の大判振る舞いで最大限の武器をイスラエル軍に送っている。シオニズムというユダヤ人選民思想に基ずく他民族排除と、その攻撃的で暴力的な憎しみを、取り締まることができるのは、何なのだろうか。法でも、人の良識でもなく、やはり力しかないのだろうか。
「つきのさばく」を歌ってみた。
I an singing [ The desert under Moonlight]



2024年11月6日水曜日

トランプ再選

トランプが米国大統領に返り咲いた。
豪国労働党政府はパニックに陥っている。豪国の米国大使ケビンラッド元首相は、かねてからトランプのことをナッツ:下品でやな奴と公言していた。大使を退き上げ、交代することになるだろう。だいたいキャンベラにトランプと直接会って話をした政治家が居ない。トランプが以前大統領だった時、豪国首相だったのは民主党のスコットモリスン。豪国歴史の中でも最も不人気な首相だった。頭が良く弁が立ち、笑顔でべらべら残酷なことでも、人を傷つけることも平気で言える奴。国中がブッシュファイヤーで死者が出ていた時に、ハワイ休暇中で平気でインスタにVサインの家族写真を見せたり、コロナで過労死寸前の医療従事者を顧みることもなかった。トランプ勝利に沸くニュースをみながら、アルバニー二首相は、誰とでも仲良くできる、とか言っていたけど。

トランプ当選を一番心配していたのは、ウクライナのゼレンスキーだろう。トランプはNATOから脱退し、ウクライナの武器支援を止める。ウクライナの国土の20%はロシアのものになるだろう。
それよりも深刻なのは、米国内の移民追放だ。1100万人の米国内にいる違法移民が国外追放になる。米国の市民生活を支えてきた労働者が居なくなって、インフレも加速して米国経済はガタガタになるだろう。

日本では桜の季節が一番美しい、というならば、豪国ではジャカランダが咲き乱れる今が一番美しい時期だ。薄紫色の花がこんもりと咲いていて外出するのが楽しい。南米発祥の樹だが、むかしシドニーから600キロ離れたグラフトンの街に、移民によって持ち込まれた。小さな田舎町グラフトンには1700本のジャカランダが咲いているそうだが、一挙に広まって今ではどこでも咲いている。花が終わると葉がでてくるところも桜に似ている。
夜桜は美しすぎて妖気が漂う、というが、トランプの再現で世界中に妖気が漂ってきた。