恐ろしい勢いでCOVID19が、世界中に広がっている。5月15日の段階で、感染者460万人、30万人の死者が出ている。
アメリカでは、8万5千人がCOVID19が原因で亡くなり、ニューヨークだけで、たった1日に166人の人が亡くなった。その多くが貧困層にいるアフリカンアメリカンだ。また全米労働者の内3千3百万人が失業に直面している。この失業者数は、オーストラリアとニュージーランドの全人口を足した数を上回る。また、英国では、3万4千人、イタリアでは3万1千人、スペインでは2万8千人の方々が亡くなった。オーストラリアでは、100万人が検査を受け、現在感染者は7022人、死者98人となった。
そうした中で全米の医療権威筋は、このCOVID19が人為的に作られたものでも、遺伝子操作で故意につくられたものでもなかった、という調査発表をした。これで武漢のウイルス研究所が殺人ウイルスを「製造」してばらまいたという陰謀説が否定されたことになる。事故で研究所からウイルスが漏洩したか、あるいは初めから言われていたように、武漢のウェットマーケットから野生動物を介してヒトに感染したという説が有力になった。中国政府は、感染が報告されてすぐ、ウェットマーケットを閉鎖し、武漢を封鎖して他の地域と交流を絶った。この早業が、中国国内でのウイルスの拡散を最小限に留めることになった。
ウェットマーケットとは一般的に生きたままの動物や魚を扱い、客の要求に沿ってその場で殺して売りさばく市場のことを言う。中国だけでなくタイ、インドネシア、ベトナムなどにもあるが、工場で処理されスーパーマーケットで売られる肉類と違って、衛生管理の悪い市場で生きた動物を扱うことで、かねてから批判にさらされていた。とくに野生動物の売買では捕獲禁止になっている珍しい動物の密猟と密輸の源にもなっている。
2002年に中国広東省で起きた、SARS(重症急性呼吸症候群)では、8000人の感染者、800人近くの死亡者を出したが、原因はコウモリの糞からウェットマーケットで売られていたジャコウネコを介して、変異した病原体がヒトに感染し発病したと言われてる。ウェットマーケットでは捕獲された動物は、小さな檻に閉じ込められて、たくさんの客の目にさらされて、仲間が目の前で殺され、肉を刻まれ売られていく姿を見ているから、極端なストレスにさらされている。病原菌にも弱い。
野生動物を自然宿主にしているウィルスが、家畜などを経由してヒトに感染する事象は、これまでも多かった。ウシから天然痘や結核が持ち込まれ、豚やアヒルからインフルエンザが人に感染する。ネズミからペストが蔓延したことも有名だ。アフリカのチンパンジーがもっていた免疫不全ウイルスが変異して、ヒトにエイズをもたらせた事実も記憶に新しい。エボラ出血熱も、アフリカのコウモリからチンパンジーを介して、ヒトに感染したものと、報告されている。
2002年には広東省で、コウモリの持っていたウイルスがジャコウネコを介して、変異してヒトに重症急性呼吸症候群(SARS)を発症させた。香港にも広がり、たくさんの死者を出した。また2012年には、サウジアラビアで、コウモリからヒトコブラクダを介して、変異したウィルスが、中東呼吸器症候群(MARS)を、引き起こして沢山の犠牲者を出した。
オーストラリアでも、コウモリの糞で汚染された草を食べたサラブレッドが、致死率の高いウィルス、ヘンドラウィルスによる感染症をおこし、その馬を介護していた、獣医と調教師が’亡くなっている。
つい最近のタイ、バンコックにあるウェットマーケットを報道陣が訪れたドキュメンタリーフイルムでは、ありとあらゆる動物が売られている様子が映し出されて、ショックを与えた。犬、猫、カエル、キツネ、カモシカ、アルパカ、ダチョウ、孔雀、ヘビ、トカゲ、ワニ、亀、ハクビシン、サル、ネズミ、コウモリ、アルマジロ、ビーバー、極彩色の鳥、などなど、その国に生息していない動物がアフリカやほかの東南アジアや中東から密猟で密輸されて売られている。、絶滅の危機に瀕している山岳地帯に住む山猫の子供まで捕獲され売られていて、胸が痛んだ。
武漢にあるウェットマーケットは、2200万ドルかけて新しく改築されることになり、中国政府は野生動物の飼育、売買、またそれを食用にすることを禁止した。
しかし世界各国で野生動物の売買は、現実に継続されている。これを止めなければ、これからも野生動物を介して、たくさんの病原菌がヒトを苦しめることになるだろう。
サイの角を精力剤にするために、サイが密猟されて絶滅寸前になっている。二日酔いを治すために、クマが生きたまま針を刺されて、胆汁を抜かれている。日本人がスッポンを食べるように精力を付けるためにサソリや亀やコウモリをスープにする人々もいるそうだ。美味と言われる、アルマジロの密猟も許しがたい。肥満体の人が脂肪分の少ない肉を求めてカエルやヘビを食べる。これらの野生動物が体に良いという迷信はすべて「誤解」であって、科学的な事実ではない。
一時、性病を発病した金持ちたちが、バージンと交われば治癒するという根も葉もない説に浮かれて、東南アジアで無垢な少女たちが売春の犠牲になったことがある。バージンを凌辱しても性病は治らないし、サイの角を飲んでも、ヘビの生き血を飲んでもインポテンツは治らない。亀やヘビを食べても痩せないし、珍しい動物を飼育しても自慢にならない。生きたクマからとった胆汁を飲んでも、ヒトの肝臓がどうなるわけでもなく、消化されて便になるだけだ。シャークのヒレスープを飲んでも、コラーゲンでお肌がつるつるになることはない。胃で消化され排泄される。クジラもイルカも、ゲジゲジも、毛虫も単なる蛋白質にすぎない。ヒトの体も蛋白質だ。そのヒトには他にたくさんの食べものの選択肢がある。それなのになぜ、ヒトは野生動物を売買するのだろうか。ウェットマーケットは閉鎖されるべきではないか。
野生動物とヒトはずっと共生してきた。世界の人口が増え、野生動物のテリトリーは狭まるばかりだ。動物とヒトとが狭い地球で共生し合わなければならなくなった。ヒトは野生動物を密猟し、密輸し、飼育し、虐待して食べてきた。ほかに家畜から蛋白源がとれて、日々食べ物が余って捨てられているというのに、欲で野生動物にまで手を出してきた。そして野生動物を介するウイルスが原因の病気になって、やっと野生動物の危機を知ることになった。
30万人のCOVID19による死亡者、これは自然発生したわけではなく、野生動物を虐待してきたヒトによる人災でおきたことなのだ。同じ不幸を繰り返さないために、ヒトは動物たちの声を聴き、学ばなければならない。
歌っているのは、キャロルキングの「YOU GOT A FRIEND」
ウェットマーケットとは一般的に生きたままの動物や魚を扱い、客の要求に沿ってその場で殺して売りさばく市場のことを言う。中国だけでなくタイ、インドネシア、ベトナムなどにもあるが、工場で処理されスーパーマーケットで売られる肉類と違って、衛生管理の悪い市場で生きた動物を扱うことで、かねてから批判にさらされていた。とくに野生動物の売買では捕獲禁止になっている珍しい動物の密猟と密輸の源にもなっている。
2002年に中国広東省で起きた、SARS(重症急性呼吸症候群)では、8000人の感染者、800人近くの死亡者を出したが、原因はコウモリの糞からウェットマーケットで売られていたジャコウネコを介して、変異した病原体がヒトに感染し発病したと言われてる。ウェットマーケットでは捕獲された動物は、小さな檻に閉じ込められて、たくさんの客の目にさらされて、仲間が目の前で殺され、肉を刻まれ売られていく姿を見ているから、極端なストレスにさらされている。病原菌にも弱い。
野生動物を自然宿主にしているウィルスが、家畜などを経由してヒトに感染する事象は、これまでも多かった。ウシから天然痘や結核が持ち込まれ、豚やアヒルからインフルエンザが人に感染する。ネズミからペストが蔓延したことも有名だ。アフリカのチンパンジーがもっていた免疫不全ウイルスが変異して、ヒトにエイズをもたらせた事実も記憶に新しい。エボラ出血熱も、アフリカのコウモリからチンパンジーを介して、ヒトに感染したものと、報告されている。
2002年には広東省で、コウモリの持っていたウイルスがジャコウネコを介して、変異してヒトに重症急性呼吸症候群(SARS)を発症させた。香港にも広がり、たくさんの死者を出した。また2012年には、サウジアラビアで、コウモリからヒトコブラクダを介して、変異したウィルスが、中東呼吸器症候群(MARS)を、引き起こして沢山の犠牲者を出した。
オーストラリアでも、コウモリの糞で汚染された草を食べたサラブレッドが、致死率の高いウィルス、ヘンドラウィルスによる感染症をおこし、その馬を介護していた、獣医と調教師が’亡くなっている。
つい最近のタイ、バンコックにあるウェットマーケットを報道陣が訪れたドキュメンタリーフイルムでは、ありとあらゆる動物が売られている様子が映し出されて、ショックを与えた。犬、猫、カエル、キツネ、カモシカ、アルパカ、ダチョウ、孔雀、ヘビ、トカゲ、ワニ、亀、ハクビシン、サル、ネズミ、コウモリ、アルマジロ、ビーバー、極彩色の鳥、などなど、その国に生息していない動物がアフリカやほかの東南アジアや中東から密猟で密輸されて売られている。、絶滅の危機に瀕している山岳地帯に住む山猫の子供まで捕獲され売られていて、胸が痛んだ。
武漢にあるウェットマーケットは、2200万ドルかけて新しく改築されることになり、中国政府は野生動物の飼育、売買、またそれを食用にすることを禁止した。
しかし世界各国で野生動物の売買は、現実に継続されている。これを止めなければ、これからも野生動物を介して、たくさんの病原菌がヒトを苦しめることになるだろう。
サイの角を精力剤にするために、サイが密猟されて絶滅寸前になっている。二日酔いを治すために、クマが生きたまま針を刺されて、胆汁を抜かれている。日本人がスッポンを食べるように精力を付けるためにサソリや亀やコウモリをスープにする人々もいるそうだ。美味と言われる、アルマジロの密猟も許しがたい。肥満体の人が脂肪分の少ない肉を求めてカエルやヘビを食べる。これらの野生動物が体に良いという迷信はすべて「誤解」であって、科学的な事実ではない。
一時、性病を発病した金持ちたちが、バージンと交われば治癒するという根も葉もない説に浮かれて、東南アジアで無垢な少女たちが売春の犠牲になったことがある。バージンを凌辱しても性病は治らないし、サイの角を飲んでも、ヘビの生き血を飲んでもインポテンツは治らない。亀やヘビを食べても痩せないし、珍しい動物を飼育しても自慢にならない。生きたクマからとった胆汁を飲んでも、ヒトの肝臓がどうなるわけでもなく、消化されて便になるだけだ。シャークのヒレスープを飲んでも、コラーゲンでお肌がつるつるになることはない。胃で消化され排泄される。クジラもイルカも、ゲジゲジも、毛虫も単なる蛋白質にすぎない。ヒトの体も蛋白質だ。そのヒトには他にたくさんの食べものの選択肢がある。それなのになぜ、ヒトは野生動物を売買するのだろうか。ウェットマーケットは閉鎖されるべきではないか。
野生動物とヒトはずっと共生してきた。世界の人口が増え、野生動物のテリトリーは狭まるばかりだ。動物とヒトとが狭い地球で共生し合わなければならなくなった。ヒトは野生動物を密猟し、密輸し、飼育し、虐待して食べてきた。ほかに家畜から蛋白源がとれて、日々食べ物が余って捨てられているというのに、欲で野生動物にまで手を出してきた。そして野生動物を介するウイルスが原因の病気になって、やっと野生動物の危機を知ることになった。
30万人のCOVID19による死亡者、これは自然発生したわけではなく、野生動物を虐待してきたヒトによる人災でおきたことなのだ。同じ不幸を繰り返さないために、ヒトは動物たちの声を聴き、学ばなければならない。
歌っているのは、キャロルキングの「YOU GOT A FRIEND」