いま世界中で500万人の人がCOVID19に感染して苦しんでおり、すでに35万人の人が亡くなった。
全米では、160万人が感染、10万人が亡くなっている。世界一の軍事力を持ち、世界一の規模の経済力を誇っている米国で、世界一の死亡者数が毎日記録更新されている。飢えた人々がフードサービスを受けるために、5時間じっと車の中で列を作って待っている。その国の大統領トランプは、マラリア予防薬ハイドロオクシロロクインを服用しているから、「俺は元気だ」そうだ。失業者が増え治安が悪くなり不穏な空気になっていて、銃の売り上げが最高を記録しているそうだ。
英国では4万人に近い死者が出ており、自分も感染して死にかかったボリス ジョンソン首相は、医師や看護師の交代時間になると家の外に出て、「CLAP FOR CARERS」 ケアラーに感謝をこめて手をたたいている。サッシャー首相時代に彼女は新自由主義経済を採用し、病院や公共機関を民間に売り渡したため、病院施設は設備などが最低の状態だったことが、COVID19で、他のヨーロッパの国々に比べてはるかに多い死者を出すことになった。
日本では5月20日の段階で16385人の患者数、771人の死亡者を数えている。東京オリンピックを1年延期することが発表されたのが3月24日、この遅すぎた判断が患者数を増やすことにつながった。3月24日「新型コロナ対策特別措置法」が発表されたが、その時点で、世界中でCOVID19による死亡者は10万人に達していた。日本では、PCR検査数が世界一少ないにもかかわらず、陽性率は世界一高い。恥ずかしいことだ。この国の首相によると、すべてアンダーコントロールだそうだが、現実には老人ホームや障害者施設などで、たくさんの死者が出ているはずだ。
オーストラリアでは、5月24日今日の段階で、感染者7100人、死者102人だ。モリソン首相は3月13日に保険医療専門家を加えた連邦、州の首相会議を開き、COVID19への対策は、連邦各州のリーダーで構成される「国家非常時内閣」ナショナルキャビネットで、対策を講じる事に決めた。そこで事業体への支援、失業者対策、非課税給付金など、660憶ドルの経済対策費を拠出することが決まった。小事業体への非課税助成、ビジネスに25万ドルまでの無担保の貸し入れ、今まで福祉助成金をもらっていた人にその倍に当たる援助金助成、失業者に月1500ドルの失業補償、またすべての労働者の退職金(スーパーアニュエーション)を、60歳になっていなくても、2万5千ドルまで無利子で引き出して良いことにした。50万人が申請し、平均8500ドル引き出しているそうだ。
国境封鎖、外出禁止令のおかげて、3月から4月までたったひと月に、60万人が失業、5人に1人の割合で失業している。 3月にCOVID19が問題になった時からつい最近まで、モリソン首相は日曜も含めて毎日記者会見をして、COVID19の感染状況を報告し、さまざまな対策のついての質問に応じてきた。いまは細かい取り決めは州政府に任されているため、州知事も、毎日記者会見に応じている。例えば今週は、レストランで食事はできず、テイクアウェイだけだったが、来週からは10人まで、1,5メートルの間隔をあければ、レストランで食事ができる。NSW州では来週からビューティーサロンに行っても良いが、ビクトリア州ではまだ許されていない、戸外で10人までなら友達と会っても良くなったが、来週から50人まで集まって良い、6月から教会もオープンする、などなど。
ただこのような非常時に政府や権威筋はいろんな悪だくみをしている。
まず5Gのコロナ追跡アプリを、携帯でダウンロードすることを、政府が強く勧めていることだ。このアプリでは、COVID19感染者がいる場所が携帯を通してわかるため、そこには近付かないようにして自分を守ることができる、ということで政府が推進したために30万人がすぐにダウンロードした。しかしこのようなアプリで、自分の情報を簡単に政府に差し出してしまった人々のプライバシーはどうなるのか。また5Gは、もともと軍が開発した情報兵器であって人の行動を監視する目的で開発された。また磁気による血小板の減少や癌の発生など、人体への悪影響が見逃せない。COVID19が終息したら、このアプリは廃棄すると言っているが、情報はこの資本主義社会の金よりも価値があるので、簡単に廃棄できるとは思えない。
またCOVID19で、司法による刑事裁判で従来2人いた裁判官が一人に減らされた。重要犯罪でないような裁判の審議をCOVID19のために遅延することを恐れての判断らしいが、いままで2人で判決が下されていたのが、たった一人の判断で有罪、無罪が決まる被疑者にとってはフェアではない。重要犯罪でないとはいえ、無罪になるのと、有罪で罰金1万ドルを課せられるのとでは、その人の人生にとっての意味は全然違うではないか。
またまた、オーストラリアでは、フットボールをやらない奴はオーストラリア人じゃないというくらい盛んな、NRL(ナショナルラグビーリーグ)だが、やっと外出制限とスポーツ観戦禁止のなか、来月から観客なしで試合が始まることになった。プロのフットボールの選手たちは、20%給料カットされることになって、気の毒だが、試合の際の2人いたレフリーが今回から1人に減らされた。100メートル10秒で走るプロの男たちのゲームだ。スピードに乗ったボールを追うレフリーが、減らされて、たった一人のレフリーの判断で違反者が退場になったり、1点損したり、得したりすることになるのは、フェアだろうか。
というわけでCOVID19のおかげで、さまざまな変化が表れている。病気で死ぬのは嫌だから、みんな良い子にして首相や大統領や知事や警官のいうことを守るように努力している。でも盲目でいてはいけない。事態の変化をしっかり見守っていないといけない。COVID19が終息した時に、私たちは今までいたような自由や権利が失なわれているのかもしれない。疑いながら、しっかり見ていこう。
歌は「ワルシャワ労働歌」