2012年2月26日日曜日

ACO定期公演でポリーナ レスチェンコを聴く





http://www.youtube.com/v/78QC1X-xD7w&hl=ja_JP&feature=player_embedded&version=3%22%3E%3C/param%3E%3Cparam
今年最初のオーストラリア チェンバー オーケストラの定期公演に出かけていった。リチャード トンゲテイ団長の率いる室内弦楽奏団、今年も年間7回の定期公演をする。

リチャードが愛用しているヴァイオリンが、1743年 カロダスという名のついたグルネリで、パガニーニが愛用したヴァイオリンと同じ樹から作られた名器だ。チェロのテイモ ベッキが使用しているのも リチャードのヴァイオリンと同じ1729年、ジョセッペ グルネリが作ったチェロ。コンサートマスターのサトゥ ヴァンスカが演奏するのは1728年のストラデイヴァリウス、そして、第二ヴァイオリンコンサートマスターのヘレン ラスボーンが貸与されているのが、1759年のガダニーニだ。これだけの世界の宝を このオーケストラのメンバーが貸与されている。とても名誉なことだ。それだけの実力と、日々の努力があってこそだ。素晴らしい楽団。彼らの演奏を 10年あまり聴き続けてきた。いつも新しい、そして、いつも聴いて良かったと思う。

プログラム
「カプリス オン カプリス」パガニーニ
「ピアノコンチェルト 第1番」 ショパン

「ピアノコンチェルト」(作品40) ゴレッキ
「ピアノと弦楽8重奏曲」(作品20)メンデルスゾーン

ゲストピアニストは ポリーニ レスチェンコ。
ベルギー生まれのロシア人で、マルタ アルゲリッチの秘蔵っ子。まだ20代の若い美しい女性だ。
アルゲリッチとレスチェンコとの二重奏は、CDになっているし、彼女の超技巧的演奏は、話題で大人気になっている。実際は、どんな人かと思って見ていたら、漆黒のドレス、小柄で飾りのない まるで女学生のような清楚な姿で登場した。可愛らしい。

ショパンは、耳によく聞きなれた曲。期待を裏切らない華麗な演奏でとても良かった。ショパンは、いつも聴く耳に直接聴こえてくる。ショパンは 沢山の人が 沢山集まっているところで演奏されるために作曲したのでなく、たった一人の人のために作曲し、たった一人の人のために演奏される。だから、ショパンを聴くと、いつも泣きたくなる。何て繊細で華麗な曲だろう。

ゴレッキのコンチェルトの、ダンパーペダルを踏み抜くかと思うほど 強烈な強音の連続には、驚愕。そして、メンデルスゾーンの弦楽8重奏との演奏は ハイスピードで技巧的、それがとても完成されていて、美しい音の掛け合いだ。
ポリーニ レスチェンコの演奏、とても良かった。
若くて、華奢な体で パワーがみなぎっている。
とても満足した。