2011年2月18日金曜日

ドキュメンタリ「プラネット アース」とサンクタム



スポーツ完全音痴でトロいくせに、冒険物語が大好き。
世界で一番 植村直己と デヴィッド アッテンボローが好き。
山の先輩のひとりに 登山も ロッククライミングも 渓流釣りも 洞窟探検もする人がいた。幾度か 洞窟探検の話をきかせてもらったが、深い洞窟の中に 生息する魚などの生物は 必要がないので 体の色がない上 目が退化して 無くなってしまっている と聞いて、どうしてもそれを見たいと思った。すぐに上野動物園に行って、小さな白い体をもっていて、エラの横に退化してなくなった目の跡をもった魚を見て、なるほど、、と感動した。
冒険の中でも、洞窟探検は 最も危険で神秘的で興味津々だ。
ジェームス キャメロンの 洞窟探検物語「サンクタム」に、思ったより感動できなかったので、本物の 洞窟探検のドキュメンタリーを 引っ張り出して 観た。改めて、こちらは、すごい。

数年前に イギリスBBCによって製作された 「プラネット アース」という すぐれた自然ドキュメンタリーフルムだ。日本のNHKと、アメリカのディスカバリーチャンネルも 製作に協力している。
すべてが HDカメラによって収録され、1シリーズが50分のフイルムを 全部で11シリーズに収録されている。ブルーレイでも出ているが、DVDではこれが2枚でセットになって いまでは2枚全部で50ドルくらいで、アマゾンで売っている。私は、完成と同時に それぞれのDVDを 50ドルで買った。

2006年に この11シリーズのうちの5シリーズまでが完成して放映されたが、そのときにすでに BBCは 40億ドルを 撮影に投入していた。並みのドキュメンタリーフィルムではない。衛星から観た地球の映像を ふんだんに使って、立体的に撮影している。その後2年かけて 6-11シリーズが製作された。全11シリーズとも、デヴィッド アッテンボローが ナレーターをやっている。素晴らしい出来で、 このDVDを 何度も何度もくりかえして観て そのたびに感動する。

NHKでは BBC版のフイルムを細かく切って、緒方拳のナビゲーターと 独自のフイルムを加えて 3枚のDVDにした。のちにこれをまた 細かく切ってとくに反響の大きかったシーンを NHKが再編集して 75分間のフイルムを2本作って、NHKスペシャルで放送したそうだ。原版のBBC版が いま50ドルで買えるのに、 NHK版がアマゾンで 安く買って1万6千円。定価より安く買っても 未だに、日本版は3倍もする。定価でしか買えなかった 数年前の発売当時では イギリスアマゾンから直接取り寄せたDVDと、NHKから売り出されたDVDとでは NHKの方の値段が 7倍も高かったそうだ。NHKは あこぎな商売をしているのではないだろうか。これから 買って見る人は BBC版を買うべきだ。

内容は
DVD1
シリーズ1:南極と北極
シリーズ2:山々
シリーズ3:水
シリーズ4:洞窟
シリーズ5:砂漠
DVD2
シリーズ6:氷の世界
シリーズ7:大陸
シリーズ8:ジャングル
シリーズ9:淡水
シリーズ10:森
シリーズ11:深海

このなかで洞窟シリーズは1時間30分。自然のなかの洞窟の美しさ。何千年もかけて、地球が作り上げた芸術の大成。まさに、人が立ち入ってはならない サンクタムだ。ボリビアのデア洞窟では、撮影の許可を取るだけで、交渉に2年間かかったそうだ。500キロの撮影機材を運び込むために、史上初めて、クレーンを洞窟内に設置しなければならないので、許可が下りなかったためだ。内部を絶対に損傷しない確約と保険をかけて、撮影している。1000年間、人から侵害されずにいた洞窟の中を 地上から400メートル 下って探索して カメラに収めている。
蝙蝠、ゴキブリ、白いカニ、目のない洞窟エンジェルフィッシュ、珍しい目のないサラマンダという生物、、。鍾乳洞に、クリスタルの自然の彫刻。

またメキシコのヨコタン半島にある水中洞窟では 淡水ワニや水鳥もいる。何キロも先は 深い水のなかで 海に通じている。
ニュージーランドの洞窟の中の 漆黒の中を土蛍の光り輝く美しさ。クリスタルに光る糸にからめとられた蚊や小さな虫が 光る蛍の幼虫に飲み込まれる瞬間も接写で写している。
素晴らしい BBCでなければ とても製作できなかった科学ドキュメンタリーだ。
地底に向かって 何百キロも下って下って行く 冒険の旅、、なんて素敵だろう。やっぱり、映画よりドキュメンタリーが良い。なんといっても本物だ。