世界最大の大型映像アイマックスで、U2のコンサートを観た。$18なり。
U2は アイルランド ダブリン出身のボノを中心とする4人のロックグループ。1976年から活動を始めて 30年あまりたった今も現役で ワールドコンサートを続けている。バンド結成当初から、政治的メッセージを歌にこめて歌い、ベトナム戦争終結当時の騒然とした社会をよく反映していたが、時代とともに、成長し続けてきた。ボノの のびやかで、豊かな声量と、THE EDGE のギター、キーボードと声のコンビネーションのよさは絶妙だし、ADAM CLAYTONのベースで、がんがん パワー全開、LARRY MULLERJRのドラムでビートを効かせる。U2の どの曲も好き。聴いていて、ロックっていいなあと素直に思う。
彼らのアムネステイインターナショナル、THE ONE CAMPAIN、BONO'S DATA(DEPT,AIDS,TRADE,IN AFRICA)など キャンペーンも援助の仕方にいやみがなくて、理にかなっている。 フィルムは、HANNAH MONTANA コンサートや、マデイソンスクエアガーデンでのコンサートなど、最近のワールドツアーのいくつかを ひとつのフィルムに編集したもの。曲目は、SUNDAY BLOODY SUNDAY, BEAUTIFUL DAY など代表作含めて、15曲。88分のフィルムで、ボノは 休みなしで歌い続けて、途中、解説もおしゃべりもなし、文字どうりのコンサートパフォーマンスの中継になっている。9本ものカメラで、立体的に肉薄した映像を作っている。
受付で、プラスチックでできた3Dの眼鏡をもらって、中にはいって、大型画面にむかって、急傾斜の階段椅子にすわる。 アイマックスを観るのは二度目、松下電器パナソニックのテクニックで、シドニーに初めてこれが作られたのは、10年前。出来たばかりの頃、3Dではないが、野生動物のフィルムを初めて見た。その頃は $18がとても高く感じられて、映像を見ていて、何もかも大きすぎて、眩暈がして、見終わった後 吐きそうになった。それから10年、普通の映画でも$13.50に値上がりして、アイマックスの$18が安く感じられるようになった。それに、ロックを たまには がんがん聴いてみたい。
期待わくわく、3Dでみたコンサートは 確かに自分がコンサート会場にいるような錯覚がする。ボノが自分の横で歌ってくれたり、アダムクレイトンのギターが手で触れられそうに思える。すごく ドキドキする。
どうやると3D画面がこんなに身近に見えるのか、説明書を読んでみた。 人は右目と左目でものを見ていてそれぞれ多少違って見えているのが、脳の中で左右を統合してひとつの実体を見ている。同じ原理で右からと左からと 二つのカメラでフィルムを回して 巻きもどして同時に2方向から投射すると奥行きのある平面でない実物のような立体的な映像ができる、らしい。
アイマックスのフィルムの大きさは35ミリの普通の映画の10倍以上、70ミリのシネマスコープの3倍以上の大きさのフィルムを使っている。座って映像を見ている位置から 8階のビルデイングを見上げている高さということになる。普通映画のフィルムは縦に巻いてあるのを画面に映し出すが、アイマックスは フィルムを横(水平)にして、横から波の動きのように滑らかにフィルムを送るそうだ。そして、フィルムはカメラの後部にぴったりくっつくように、陰圧になっていて、しわもなく、完璧な映像が送り出されるようになっている。 フィルムのコマが大きくなればなるほど、画質が良くなるので、普通の映画で観られない 鮮鋭な映像が観られるということだ。
アイマックス3Dのような大型画面を見せるために、強力なプロジェクターが必要になるわけで、普通のプロジェクターは2000から4000ワットで済むのが、15000ワットの強力プロジェクターを使っていて、これを稼動させるために、1分間に1600メートル四方の冷風と、36リットルの冷水で 冷やしながらプロジェクターを回しているんだって。
裏方さんたち、ご苦労様です。
日本でもアイマックスは、東京、品川のプリンスホテルに あったのに、コクドの経営不振で 去年の3月に、閉館営業停止になったそうで残念。名古屋港水族館では 健全だそう。 コンサートをアイマックスで3Dで見せるというのは、とっても良いことだと思う。コンサートには行けなくても その場にいるような感じになれる。大きな音で 音の渦のなかですっかり浸りきれる。
今度は、ベートーベンの第9か、やっぱりパンクが良いかな。