いまグリーンランドの上空では、デンマーク空軍の戦闘機が忙しく旋回し、ドイツ軍、フランス軍も、英国軍も、ノルウエイ、フィンランド、オランダからも軍隊が到着した。欧州連合が、その1員であるデンマークの呼びかけに応じたものだ。
EU8カ国と、米国との間でグリーンランドをめぐって、戦争が始まるのか?すでに、米国は8カ国に対して「関税戦争」を仕掛けた。グリーンランドの米国占有に反対する国には、10%の関税をかけ、それを6月には25%に値上げするという。
グリーンランドは、BC2,500年ごろイヌイットが移住して、その独自の社会を形成してきた。それは、5万年前からアボリジニが暮らしてきたオーストラリアの歴史に似ている。オーストラリアでは、コロンブスによる「発見」後、イギリスから送られてきた罪人たちによって開拓、開発されて今日に至る。
グリーンランドでも、ノルウェー人のエリックソルヴァルゾン(950ー1003)が殺人を犯して流刑されてきて、グリーンランドに入植した。彼の努力が実を結び11世紀には人口は3000-6000に増え、280の農場が開拓されたという。
1721年デンマークとノルウェー連合王国が支配、その後、第2次世界大戦で、デンマークがドイツに占領されたのち、米国の保護下に置かれた。トランプが2024年に大統領に就任したとたんに、グリーンランドを米国に取り戻す、と発言した根拠はここにある。
その後1945年に、国土はデンマークに返還されたが、1979年5月1日に、デンマークはグリーンランドの「自治権」を認めた。
グリーンランドには、豊富な地下資源は埋まっている。オイル、ガス、希土類元素(レアアース)だ。
現在グリーンランドには米軍基地があり、トランプの義理の息子ユダヤ人のジャレットクシュナは、グリーンランドの豊富な地下資源の契約でじわじわと利権を拡大している。
トランプが言う、この戦争には、ロシアも中国も関係ない。まったく言いがかりも良いところだ。
トランプは、何としてでもレアアースが欲しい。
それがないと米国のF-35などの戦闘機も、レーダーも、高度な軍事機器も、電気自動車も、スマートフォンも、風力タービンも作れない。
そのもとになるレアアースを生産しているのは、ほぼ中国が市場を独占していて、その精製能力ゆえ、世界市場90%を占めている。一方米国の総埋蔵量は、わずか2%しか持っておらず、中国から輸入せざるを得ない。トランプのアキレス腱だ。
しかし、何が地中に埋まっているかに関わらず、グリーンランドは、グリーンランド人のものだ。グリーンランド人の意思決定が、デンマークの決定よりもずっと尊重されなければならない。
