2022年3月24日木曜日

即時停戦を

即時停戦を
ウクライナで激しい攻防戦が行われている。1千万人もの国外避難する子供や老人を連れた女性たちの姿は、100の言葉よりも雄弁に戦争の悲惨さを訴える。
ロシアは昨年暮れから国境線に10万人規模の兵を配置して、ウクライナのルガンスク共和国とドネツク共和国の独立を要求していた。この2つの州の人口の半分はロシア人で、ロシア正教を信じ、ロシアのパスポートを持ち選挙権もあり、ロシアの政治に発言権も持ち、ロシアへの併合を望んでいる。今回の戦乱で260万人の親ロシア避難民がロシアに避難した。

一方ウクライナの隣国、ポーランド、ルーマニア、チェコ共和国には、米国ミサイル防衛システムをもったミサイル発射装置があり、それらはロシアを標的に備えられている。NATO軍はかつてソビエト連邦との冷戦時、ワルシャワ条約機構に対抗して作られた軍事組織だが、ワルシャワ条約機構が無くなった今も、米軍の強い協力を得て一体化している。ロシアは、ウクライナのNATO加盟によって、これ以上ロシアとの国境線に米軍ミサイル発射装置を作ってもらいたくない。

ウクライナ首都キエフは、ロシア国境から200キロ、ベラルーシから80キロの距離にあり、はじめからロシアがウクライナを占領支配するつもりでいたなら、侵攻第1日目に電撃的に首都陥落することができた。それをしなかったのは、圧力と時間をかけて、ウクライナとの話し合いを公開的に進めたかったからだと思う。
すでにウクライナは、NATO加盟をあきらめたが、2つの共和国の独立について話し合いに応じていれば、戦乱は避けられた。またロシア軍が国境を越えたときに、キエフがオープンシテイー(無血開城)していれば市街戦など起きず、死者も避難民も出なかった。

1940年のパリ、1943年のローマを思い起こしてもらいたい。しかしゼレンスキーは最悪の選択をした。NATOと米軍の協力のもとに徹底抗戦を選んだ。米軍はすでに5億ドルの武器をウクライナに送ったが、さらに追加して800機のステインガ対空ミサイル、9000の対戦車火器、2,000万発の弾丸を送ったそうだ。ゼレンスキーは湯水のように投入される米製NATO軍の武器を使い交戦し、街を破壊し、国民の4分の1の人口を他国に流出させた。米軍、NATO軍は武器だけでなくクロアチア、チェチェンなど16か国から外国人傭兵を送り込んだ。高い生命保険をかけ、1日2000ドルでどんなことでもするプロの殺し屋だ。戦争する傭兵達に正義はない。勝利も敗北もない。

日本はかつてアジアの国々を侵略し、中国人1100万人、インドネシアなどアジアで800万人、計1900万人を殺害し、謝罪も賠償もしていない。その日本の国会で、徹底抗戦中の国の代表者がもっと援助を、と訴えて議員のスタンデイングオべーションを得たという。ゼレンスキーは「平和を」と訴えたのではない。ウクライナの軍事勝利のための支援を訴えたのだ。戦争する一方の側だけに味方をして支援するのは、自分たちも参戦していることになる。正義の戦争などないからだ。ウクライナの戦いのために総立ちになって拍手した日本の国会議員に、良心というものがあるのだろうか。
I am singing 'Sound of Silence" written by Paul Simon in 1963.