きょうはオーストラリアのシーカーズというポップカルテットが歌った「カーニバル イズオーバー」(涙のカーニバル)を歌ってみた。トム スプリングフィールド作詞。
この曲、どこかで前に聴いたことがあると、ずっと思っていたら、なんだ!「ステンカラージン」ではないか!オリジナル曲はロシア民謡だった。
バラライカを伴奏によく訓練された、バリトン歌手がゆっくりしたテンポで、朗々と歌う素晴らしく堂々とした歌だ。ステンカラージン(1630-1671)は、ロシアロマノフ王朝に、厳しい徴税と度重なる徴兵で疲れ切った農民や下層民を組織して武装蜂起し、ボルガ河からカスピ海まで進出して強盗、強奪を繰り返し、ツァーリズムと戦った民衆の英雄だ。ロシアの王侯貴族を追放しコサック王国を建設する予定だったが、捕らえられて刑死した。
しかし、オリジナルの詩は、ペルシャから綺麗なお姫様を強奪してきて、ねんごろになったがステンカラージンは男だ!部下どもに、女にうつつを抜かして、となめられないようにボルガの急流にお姫様を投げ込んでやったぜいー!というようなとんでもない詩だ。人権擁護者が聞いたら卒倒するような詩。今でもこの詩でロシアで歌われているんだろうか。
子供時代に、この「ステンカラージン」や、「ボルガの舟歌」をどでかい蓄音機で聴いて育ったのは、戦後の国民総貧困、総栄養失調の時代に「資本論」や「共産党宣言」を翻訳した大叔父や叔父たちの影響もあっただろうが、単に父が薄給の大学教授だったからだ。意味も知らず、ステンカラージンステンカラージンと言いながら、縄跳びをしていた幼児期の記憶がある。
うちにはテレビが長いことなかった。おかげで小学校で友達の話題に全然ついていけなかった。人形も、みんな友達が持っているような人形でなく、東ドイツ製の粗末な藁人形だった。
しかし今になってみると、家族そろって蓄音機をわきに、「ツイゴイネルワイゼン」や、「ホフマンの舟歌」などのレコードに耳を傾けたことは、かえって幸運だったのかもしれない。
I am singing [ Carnival is over] by The Seekers: Australian pop quartet( 1962-2014). Ordinal song is Russian Folk song, titled [ Stenka Razin]. Stenka was a leader of Cossack rebel (1630-1671). He fought toward Russian Kingdom in 17C and killed by government.
I was familiar with this song since I was very little. My father put this record on old phonograph frequently and well trained opera singer used to sing with gorgeous baritone.