2013年1月22日火曜日

7人の邦人犠牲者を悼む、仏はマリ介入を止めよ

アルジェリア南部イナメナスの天然ガスプラントで起きた、イスラム武装勢力による人質事件で、軍が介入したため、日本人7人の犠牲者が出た。ロイター共同によると人質48人が殺害された と伝えられている。詳細がわかってくれば、もっと犠牲者が出る可能性もある。

イスラム武装勢力が、外国人人質を取って世界に対して「マリへのフランス軍攻撃を止めるように」訴え、要求したにも拘らず、アルジェリア政府軍が聴く耳をもたず、強硬手段に出たために、犠牲者が出た。多数の犠牲者が出たのは、勿論イスラム武装勢力のテロリズムによるが、人質交渉も、フランス政府やイギリス政府などと話し合いも一切せずに、武力で一挙に解決をはかったアルジェリア政府の責任だ。

人質をとった武装勢力は、隣国マリへのフランス軍攻撃の停止を要求していた。マリで、北部のトゥアレグ人がアルカイダの支援をうけて、勢力を拡大してきたことを憂慮するフランス軍は、マリ政府軍の要請を受けて トゥアレグ勢力を攻撃している。マリ政府軍の後にフランス軍が居て、それをイギリス、アメリカ、ドイツ、ガーナ、アルジェリアが後押しをしている。マリ国内民族問題に、フランスは口出しをすべきではない。

アルジェリアは人口のほとんどがアラブ人で 90%以上がスンニ派のイスラム教徒。天然ガスの生産量、世界第9位。今回 武装勢力に占拠された天然ガス施設は イギリスの石油最大企業BPのものだ。人質になって犠牲になった日本人は 天然ガスプラント日揮の技術者だった。国境の囲いに関わらず、企業は国境を超えて共同で利益を追う。世界が今、豊富な資源を求めてアフリカや中東の国々で勢力をのばそうとしている。資源の奪い合いだ。マリへのフランス軍介入も、豊富な資源を確保し続けることが、目的だ。

改めて7人の邦人の犠牲を悼む。フランス軍は、これ以上の犠牲者を出さない為に、マリへの介入を止めるべきだ。