2011年1月12日水曜日

クイーンズランドの洪水




akikoさん。
オーストラリアの町が
浸水被害に襲われた映像を見ました。
シドニーは離れているから大丈夫ですよね?
ふと心配になり、メッセージしてみました。
スーマー


DEAR スーヤグニールさま
ご心配いただいて どうもありがとうございます。

私どもの住むシドニーは 高台ですし、クイーンズランドの洪水にあっている地帯とは 離れていますので、無事です。ただ、送られてくる クイーンズランドのニュースに心を傷めています。

いま、クイーンズランドを中心に 雨が降り続けて、オーストラリアの国土の15%が、水に浸かっています。その広さは フランスとドイツを合わせた大きさだそうです。オーストラリアは 日本の21倍の広さをもっていますから、日本が2つと半分 水に沈んで居る計算になります。
オーストラリアで3番目に大きな ブリスベンの街がすっかり水に浸かってしまいました。
「陸地津波」で、10人の死亡者と80人の行方不明者が出ました。死亡者数は今後、増え続けると予想されています。
陸地津波とは 日本で言う鉄砲水のことだと思いますが、雨がやまず、河が氾濫して、集中豪雨が鉄砲水となって、、川沿いの家々を、高さ8メートルとか9メートルの高波が襲い、人々が家ごと河に流されました。

今年の冬は 珍しく雨の多い冬だったので、10年余りの旱魃に汲々としていたニューサウスウェルス州やクイーンズランド州の農業牧畜経営者達は 嬉しくて恵みの雨のなか、牛を増やし、作物を植えたところで、洪水にやられました。
街に住む私たちも、雨の多い冬と春を過ごし、緑がひときわ冴えて美しい初夏を 楽しんでいたところだったのです。

オーストラリアの東側が洪水で被害を受けているというのに、パースなど西側では 逆に旱魃に苦しんでいます。雨が降らず、土地が乾燥して自然発火して山火事が多発しています。もともとオーストラリアは 海沿いの街以外の内陸は乾ききった砂漠ですから、雨が降らなければ 内陸での農業、畜産に被害が出ます。

まことに日本は 水が豊かで、緑の多い 温暖で穏やかな自然に恵まれている、ということが、アメリカやオーストラリアに住んでみると しみじみ実感としてわかります。日本のアルプスなど山々が 他のどこの国の山より美しく、多種多彩な植物 蝶の種類も多く、四季の変化がはっきりして、それが人々の心にも影響して独特の文化を育ててきた日本は、本当に特別な国だと思います。

今年のお正月が帰国できなくて、スーマーさんの音楽を聴きにいけなくて残念です。
ジョンの70歳の誕生日に、スーマーさんの歌を聴きたかったなー。
どうぞ、お元気で ご活躍ください。

あ、、、勝手に個人あての手紙を公開してしまって、ごめんなさい。
事後承諾ということで、、。