2009年5月27日水曜日

映画「X-MEN オリジンズ ウルバリン」


映画「X-MEN オリジンズ ウルバリン」を観た。この映画、日本では 9月に公開されるみたい。

1963年に 原作 スタン リー、作画ジャック カービーによってマーベルコミックから刊行されたコミックを映画化したもの。 X-MENシリーズは アメリカンコミック史上で 第一位のベストセラーだ。コミックブックだけでなく、映画、テレビアニメ、と対戦格闘ゲームなど、多くの派生作品を生み出した。

この映画は 107分。南アフリカ出身の ギャビン フッド監督。
お話は、前3作の前に さかのぼってくるもので、筋としては ウルバリンの過去と、彼がX-MENの一員になるまでを描いた作品だ。 

「バットマン」も 3作 作られて人気が出てから「バットマン ビギンズ」といって、バットマンの子供のころの生い立ちや バットマンになる契機が語られて それをクリスチャン べールが演じてとても良かった。
トーマス ハリスの「羊達の沈黙」、「ハンニバル」も、映画化され話題になってから、ずっと後になって「ハンニバル ライジング」が 発表されて、迫害され薄幸だったハンニバルの少年時代や 血塗られた学生時代が 映画で描かれた。ハンニバル博士が決して 猟奇的な殺人鬼や、血に飢えた異常者なのではなくて、一人の人間として理解できるようになっている。 「BOURNE ULTIMATUM」も、シリーズで お話が終わった後で、主人公がどうして軍やCIAを敵にまわすことになてしまったのかが、わかる仕組みだ。 ヒーローの人気が出てから ヒーローになる前の過去の物語を映画化するのが 流行っているのか。

X-MENとは 突然変異によって超人的な能力をもって生まれたミュータント集団のこと。
超能力があるために 人類からは差別され、恐れられ 嫌われている。プロフェッサーX こと チャールズ エグゼビア教授は ミュータントが一般人と同等に、権利を認められ ミュータントが誇りを持って生きられる社会にするべきだ という考えに基いて 人類を悪の世界から守る為に X-MEN を組織した。

一方、マグニートは むかしはプロフェッサーXと親友だったが、ホロコーストの生き残りであり その過酷な経験から人を憎み、人類よりも優秀なミュータントは 人を支配してミュータントのための社会を作るべきだという信条をもっている。今回の映画では アクションが大盛り大サービスで、スピード感ある戦闘場面が圧倒的に多い。

ストーリーは
ウルバリンは病弱な少年だった。兄 ビクターと暮らしている。ある日 父親がアルコール中毒で粗暴な男に銃で撃ち殺される。それを見て 怒りにふるえていると、ウルバリンの手から爪が飛び出してきた。思わず爪で男を刺し殺してしまう。人を殺してしまったミュータントのウルバリンとビクターは、追ってくる人達から やっとのことで逃れる。ウルバりンは自分では知らなかったが、兄も自分もミュータントだったのだ。

二人は 国の為にアメリカ市民戦争を戦い、第二次世界大戦に従軍し、ノルマンデイー上陸で戦果を挙げ、ベトナム戦争では、今度ベトナム女性に乱暴をする米兵を殺して、またしても追われる身となる。 ふたりは 肉体再生能力があるので年をとらない。

ある日、秘密情報機関にリクルートされて、ほかに5人の特殊な超能力をもったミュータントたちと一緒に仕事をすることになる。ウルバりンは、超人兵士製造所で 絶対に 壊れることのない超金属アダマンチウムを全身の骨格に移植されてアダマンチウムの刃でできた爪を両手に持つことになった。これで自在に爪を立てれば 車でもヘリコプターでも簡単に潰せるように改造された。秘密情報局は 次々とウルバリンたちを 紛争地帯に送り込み 戦果をあげた。しかし、彼らの 一般人をも巻き込んで殺戮する残酷な兵法に嫌気が差して、ウルバリンは チームから脱退する。

ウルバリンは アラスカの山の中で林業従事者として働き 出会ったエマ フロストという女性と二人きりの 平和で普通の人と同じ静かな暮らしを営んでいた。しかし、チームに脱退は許されない。執念深い兄は エマを殺し 弟をチームにもどすように仕向ける。また、バラバラになっていた5人も それぞれ死の脅迫を受けて 戻ってくる。
仲間同士の激しい争いが繰り広げられ ウルバリンは情報局の本部に乗り込んでいって 司令塔を倒さなければ ミュータントどうしの戦いをやめることが出来ないことを知る。本部に乗り込んでいったウルバリンを待っていたものは、、、 という ストーリー。

XーMENは ヒュー ジャックマンの役者としての輝かしいデビュー作だ。このオージー俳優はXーMENを契機に ハリウッドのアクションスターとして成功、ミュージカル「オズから来た少年」で ブロ-ドウェイ進出、今年はアカデミー賞の舞台でホストという大役を務めた。長身、嫌味のない顔、厚い胸板、肉体派アクションもできるし、歌って踊って良し、スマートなプリンス役もできる マルチタレントの役者だ。同じオージー俳優のメル ギブソンよりも大型で 幅の広い俳優になるかもしれない。

XーMENのおもしろさは 色々なことのできるミュータントが 次々と登場して超能力をみせてくれることだ。いわば、「ドラえもんのポケット」。それぞれがみんな 人間の願望の現われかもしれない。
ウルバりンは 肉体再生能力で年を取らないし 怒ると両手から超合金でできた爪が出てくる。兄のビクターも、年を取らず、狼のように敏捷で、強力な爪を持っている。
プロフェッサーXは 今回の映画ではチラとしか出てこないが テレパシー能力があり、人の心を読んで 操作することが出来る。
サイクロップスは 両目から破壊光線、オプテイック ブラストを発射する。サングラスを外すと 見たものすべてを焼き尽くしてしまう。 悪者マグ二ートーは 磁力を繰り あらゆる金属を意のままにできる。核爆発でも壊れない電磁バリアを張ったり、地球の地殻変動や 火山の噴火も自由自在に起こせる。

今回大活躍の5人のうち エイジェント ゼロは狙撃手で、相手が何人でも 移動しながら確実に敵を倒し 的を外すことはない。ジョン ライスはテレポーターで、自分の体を消して 自由に移動テレポートすることができる。 傭兵 ワイド ウィルソンは 抜群の刀捌きで、飛んでくる銃弾でも矢でも鉄砲でも刀で弾き飛ばすことができる。  クリス ブラッドリーは 磁力があり電気がなくても電流を体から流して電気をつけたり、機械を動かすことが出来る。ガム ピットは 触ったもの すべてを爆発させることができる。
そんなそれぞれ超能力を持ったミュータント同士が 格闘する場面の連続だ。コミックが映画になり ゲームになって男の子達が夢中になって画面に釘付けになるのがわかる気がする。

戦闘の合間にも、ウルバりンとエマとのラブシーンや、情報局にリクルートされた仲間同士の友情、兄弟間の愛情と嫌悪も描かれている。
「スーパーマン」、「バットマン」、「スパイダーマン」、「ファンタステイックフォー」、「ハルク」、「X-MEN」、みな、コミックから映画化された作品だ。私が一番すきなのは、やっぱり 「スーパーマン」と「バットマン」だ。

それにしても どれもがみんな ユダヤ人が作者という事実、、これをどう捉えるべきなのだろう。