2008年11月4日火曜日

スイス ルツエルン その1







イタリアのフロレンスを後にして、ピサに寄る。
ピサの斜塔が有名だが これはドウモー(教会)の鐘楼、ベルタワーだ。
ここでも、ピサ教会と斜めになった鐘楼と洗礼堂の3つの建物が隣り合わせになって建っている。洗礼を受けた人が教会に入るとき 斜塔が時を告げる鐘を鳴らしたわけだ。教会はロマネスク様式、1063年に建設が始まった。説教壇は ピサーノの作品。とても立派で美しい。

内部ではガリレオが その揺れを見て 「振り子の原理」を発見したと言われるランプがある。中にろうそくが灯されるようになっているランプが、シャンデリアのように、いまだに輝いている。 天井は 美しい彫金を施された本当の金で飾られて、豪華でピカピカの館内だ。 教会と洗礼堂の外側の壁は 全部、真っ白い大理石とグレーの大理石とを交互に積み立てた 縞模様。3色の縞模様の教会をフロレンスで 初めて見て、斬新なデザインと感心したがここでも 2色の縞模様が 美しい。

朝 早いのに、沢山の観光客が押し寄せていて、日本人も多くて、ここが人気なのがわかる。みな、遠くから倒れそうな斜塔を自分の手で押さえているような 格好をしてみたり、塔に抱きついているように見えるようなポーズをとったりして カメラの前で、大騒ぎをしている。 塔の前で、斜めに傾いているコーヒーカップを 面白いと思ってセットで買う。10ユーロ。(2000円)

ピサの後は、一路、アルプスの山々を見ながらスイスに向かう。 ドライブインでランチに、コーヒーとサンドイッチ。立ち食いだが、ちゃんとハムの入ったサンドイッチを温めてくれて、おいしい。
5,30ユーロ。 600円くらい。
ホテルはルツェルンのアストリアホテル。

夕食は スイスフォンデユーを食べる為、レストラン「STADTKELLER」という店に行く。大ジョッキのビール飲み放題で 60ユーロ。お料理は スイスフォンデユーと ビーフシチュー。久しぶりに新鮮な生野菜のサラダが出て、嬉しかった。フォンデユーを食べ、1リットルジョッキのビールを 軽ーく空けながら、ヨーデル音楽、スイスフォークダンス、ホルンの演奏などのショーを見る。

ルツエルンは ルツエルン湖の湖畔、ピラトゥス山のふもとにある 人口6万人の街。チューリヒからインターラーケンに向かう交通の要所だ。今まで、ベニス2泊、ローマ2泊、フロレンス1泊と、イタリアでは余りにも見るべきところがたくさんで 消化不良気味なので、ここで少し体を休められるかもしれない。

スイスは日本の九州ほどの大きさの山岳国。永世中立国。国民皆兵。ドイツ語圏、フランス語圏、イタリア語圏に分かれていて、連邦共和制。人口755万人。人々は国に属するというよりも、コミューン自治共同体に属する。スイスが永世中立国なので、戦争放棄を明確にうたった憲法を持つ日本と同様の平和国のイメージが大きいが これは誤解で、スイス国民は 男も女も国民皆兵で、常に武装、戦闘訓練を受けている。各自の家には70発の弾丸と銃が備え付けられている。きわめて、強力な軍事国家なのだ。
独自国家で、EUにも参加していない。歴史的には、ルネッサンスの影響も受けていない。
強力な移民制限政策を施行していて、外国労働者は、1年間以上は この国で働けない。1年といっても3ヶ月の休暇を強制的にとることになるので、9ヶ月間しか働くことが許されない。。バッキンガムの衛兵がそうだが、昔からスイス人がヨーロッパでは出稼ぎに行っている。移民を受け入れるつもりはない。本当にユニークな国だ。アルプスがもし なかったら誰も訪れたくない国かもしれない。アルプスがあるために、世界一美しい国なのだけれども。などと、考えながら眠りにつく。
写真左:ルツエルン湖
写真右:レストランで