2008年11月9日日曜日

パリ ヴェルサイユ その他







パリに着いた日は、ルーブルで 閉館の夜10時まで過ごした。中のカフェで遅い夕食も食べて、良い時間を過ごした。

翌日、一日で ヴェルサイユ宮殿、アンヴァリッド ナポレオンの墓、エッフェル塔、凱旋門、コンコルド広場、シャンデリゼ、パリオペラハウス、エリーゼ宮殿、ノートルダム寺院を見ようと言うのだから、気狂いじみている。しかし、ガイドに付いて できるだけのことをするしかない。一日は24時間しかないのだから。

ヴェルサイユ宮殿
1682年 フランス王ルイ14世が建てた部屋数2000の宮殿。パリ南西22キロ、イベリーヌ県ベルサイユにある。バロック建築の代表作。ルイは自分の治世の栄華を示す為に これを建設、大理石や金箔を施したブロンズを用い、特に高価だったガラスをふんだんに使って豪華なシャンデリアを沢山作らせた。
このルイ14世はアポロン:太陽王といわれ 芸術を愛し、芸術家を育成した。バレエの歴史は 彼ぬきにして語れない。自身がバロックダンスや バレエの立派な踊り手だった。バレエ学校を作り踊り手を養成した。また作曲家、ジャン バデイスト リュリの歌も上手に歌った。そして王室音楽アカデミー:今の国立オペラ座を設立した。 ヴェルサイユ宮殿に ルーブル宮殿から移るとき、ルーブルにアカデミーを創立し古代美術の研究を奨励した。まさにフランス王アポロンは芸術の父だった。

彼の治世は1643年の5歳で王位を継承して以来 1715年に亡くなるまで72年間続いた。死ぬ前 意識がしっかりしているうちに ひ孫のルイを呼び王位を継承させた。以来 ベルサイユには ルイ14世、ひ孫の15世、ルイ16世が暮らした。 1789年10月6日、ルイ16世が 宮殿に侵入した市民、群集の求めに応じて家族と共にバルコニーに立つことになる。

見学は、ヘラクレスの間から始まり、王の広間、王の寝室、閣議の間、王位の間、大広間など、17の部屋を 見て回る。部屋ごとに飾られる、調度品や絵画などや、美しい天井画や壁画など、興味深い。「鏡の回廊」が一番 シャンデリアが並んでいて豪華で美しい。 そして、庭の広いこと。花壇と庭園と、噴水と彫刻。素晴らしいが全部歩ききれない。これで入場料6ユーロは安い。若い人のデートのもってこい。朝早くから歩いて部屋を見て、庭をゆっくり見て回るのに夕方までかかり、夜は噴水が一斉に水を放つショーがあるそうだ。

アンヴァリッド、ナポレオンの墓
アンヴァリッドとは肉体的欠損者という意味で、ルイ14世が戦争負傷者を収容するために建設された病院だった。太陽王好みで壮大、華麗な建物。教会があり、地下にナポレオンの墓 というか、棺がある。棺の外ふたは赤班岩、台座は花崗岩。棺の周りには12対の女神が立ち、これはナポレオンの遠征を象徴している。遺言が刻まれている。 「余は余がかくも愛したフランスの市民に囲まれてセーヌ河のほとりに憩うことを願う。」と。改めてフランスの歴史にとって、ナポレオンがいかに大きな位置を占めるか 認識させられる。
この建物の中のカフェでランチを食べる。いつもながら大学の学生食堂みたい。自分で冷たいマカロニとコカコーラを盆にとって 支払いしている間にそれを暖めてもらって 味気ない簡易テーブルで食べる。値段だけは高級レストラン並み。18ユーロ。

エッフェル塔
1889年、パリ万博のために建設された。20年後に通信塔として活用されることに。鉄骨の脚の中を 斜めに登るエレベーターで二階まで上がる。見下ろすと タワーの前の陸軍士官学校までの公園が美しい。後ろではセーヌ河をはさんでシャイヨー宮が はっきりと見える。モンマルトルの丘は 遠くかすんで見える。
このときは知らなかったが、決まった曜日だけ、夜10時から10分間だけ、青いイルミネーションで塔が飾られる。とてもきれい。ガイドがちゃんと時間を計って、事前に連れて行ってくれたので 見ることができて 幸運だった。

凱旋門はバスで見ただけ。コンコルド広場は ちょっとだけ歩いた。エリゼ宮、国立パリオペラ座もバスの中からみただけ。
特に残念だったのは、ノートルダム寺院まで通り過ぎただけだったこと。ノートルダムでナポレオンが戴冠式をあげた。ビクトル ユーゴが小説「パリのノートルダム」を書いた。「ノートルダムのせむし男」は、読んだし、映画でも、オーソン ウェルズが演じたのを見て、感動した。寺院の中に入れなくても、建物の前に立ってみたかった。

パリ最後の夜は モンパルナスのキャバレーで食事。113ユーロ。ボネーラ エリーというキャバレー。このごろのキャバレー「ムーランルージュ」は、世界中からお客が押し寄せるので、ショーの質は落ちる一方、酒はガソリン並みの味、料理は冷凍食品、という。どうしてもムーランルージュに行きたい人は行くが、良い料理とショーを楽しみたい人は 別の店に行くというので 当然良いメシの方について行った。 沢山の踊り子たち、中でも踊り子で歌も歌うスターの歌手、手品、アクロバット そしてフレンチカンカン。本当にきれいで楽しいショーだった。
食事はシャンパンにフォアグラ、サーモンと野菜。ワインの飲み放題に、デザートもついて、サービスも申し分なかった。 だた、これが パリ最後の夜かと思うと、あと1週間は留まりたい、と、実にじつに せつない。
写真1:エッフェル塔
写真2:アンヴァリッド ナポレオンの墓
写真3:ベルサイユ宮殿入り口