2007年5月15日火曜日

映画 「プライスレス」


フランス映画「HORS DE PRIX 」を観た。クレモン、オピアムで、上映中。 英語タイトル「PRICELESS」、邦題は、まだわからないが、「プライスレス」か。お金に替えられないほど貴重品という意味。

主役オードレイ タトウ(AUDREY TAUTOU)と、相手役にガト エルマレ(GAD ELMALEH)。ピエール サルバドリ監督。とっても オシャレなコメデイー。

オードレイは、高級娼婦。お金持ち紳士の同伴者として避暑地リビエラを旅行している。絶え間なくおねだりをして、装飾品を買ってもらう。下着からドレス、持ち物まで最高級のブランド品を身につけていないと気がすまない。
ある夜、酔って寝込んでしまったパトロンを部屋に残して ホテルのバーに下りてきた彼女は若いバーテン ジーンに出会う。ここで彼女はしたたか酔い、ジーンを バーテンと知らず客の一人と誤解したままベッドインしてしまう。寝過ごして パトロンに見捨てられ、ジーンも 一介のバーテンに過ぎないと知って、オードリーはあわてるが、もうすっかり惚れてしまったジーンは有り金すべてをつぎ込んで彼女をコートダジュールのホテルに誘う。ジーンの積立貯金から、年金、生命保険まで解約してつぎ込んだお金も、彼女の浪費、一流のホテルにレストラン、ドレスに靴にあっという間に消えて、彼女は 去っていく。

残されたジーンは、ホテル代が払えなくて、警察に突き出されそうになったところで、億万長者の未亡人に拾われる。ジゴロとなったジーンは 金で買われた未亡人のペットだが、恋するオードリーのことがあきらめられない。
オードリーも、新しいパトロンと同じホテルに現れ、このふたりは、お互いのパトロンの目をごまかしては、二人で、深夜のビーチピクニックをしたり、二人だけの時間を持つようになり、遂に、オードリーは、パトロンを捨てて、ジーンのもとに行く。ハッピーエンドのラブコメデイー。

オードリータトウーのすきなひとにはたまらない映画だろう。スリムで 次々とグッチのドレスを着て現れる 完璧なプロポーション。よくクルクルと動く大きな瞳。表情豊かな 愛らしい顔。小悪魔なしぐさ。 彼女の「アメリー」「A VERY LONG ENGAGEMENT」は、彼女が演じたから、成功だった。「アメリー」はもう10年前の映画だが、いまだにすごい人気。オーストラリアで、今までの映画のなかで、一番好きな映画という人気投票をしたとき、「アメリー」がトップ、3の中に入っていて、すごくびっくりした。日本でなら、まだわかるが、フランスとかパリとかが、大の苦手の田舎者オーストラリアで、だ。 「アメリー」をやった、オードリーの不思議な魅力と独特の可愛さがこの映画でも健在。それだけに、「ダビンチコード」では、トムハンクスの相手役やらされて、彼女の良さが全然でていなくて、可哀想なくらいだった。やっぱり、フランス人は、アメリカンコーヒーでなく、カフェオーレでないとダメなんじゃないか。

この映画で、ジゴロになるガトエマニエルが、恥ずかしがりやの冴えない、全然男の魅力がない青年役ですごくおかしかった。ジゴロの彼と レストランで鉢合わせになったとき、オードレイが、買ってもらったばかりの宝石をじゃらじゃらさせながら、ねえ、未亡人に何を買ってもらったの?と聞くんだけど、彼が 「豪華な朝ごはん、パンケーキのおかわりもらっちゃったんだよー」、とうれしそうに、無邪気に答えるところなんか、すごく笑える。それが、ダイヤつきローレックスとか、バイクになっていくんだけど、そういった億万長者のお金の使い方も、観ていて楽しい。 気軽で、楽しいコメデイーだ。