2007年3月4日日曜日

映画 「ラブソングができるまで」


イギリス映画「MUSIC AND LYRIC」を観た。邦題「ラブソングができるまで」。ホイッツにて、上映中の ラブコメデイー。主役は、ヒューーグラント(HUGH GRANT) 相手役は、ドレュー バリモア (DREW BARRYMORE)。 ヒューグラントが 歌がうまいのに 驚いた。ピアノを弾きながら、語るように歌うのが、とても自然で、この人、どんな映画にでていても、肩肘はったところがなくて、気取らず、自然体、だから、全然じゃまにならない、、、というか、さわやかで、好ましい。中年になっても、見かたによっては、少年のような、体をしていて、可愛い。

映画のなかで、彼は、1970年代のポップスターで、今は、世の中から、ほとんど忘れられている。でも、同じ年頃のおばさんたちからは、いまだに人気があって、遊園地とかスーパーマーケットの片隅で、ショーを続けていて、日銭を稼いでいる。本当は売れない、作曲家。 華々しくもなく、みじめでもない。本当に、中年さかりのこの人に ぴったりの役だ。 彼のショーを 観に来ている昔のテイーンだった、おばさんたちがおもしろい。彼が、腰をひねるたびに キャーキャーいうんだけど、後ろのほうで、全くげんなりした顔で、子供を遊ばせながら、ショーが終わるのを待っている、旦那さんたちの姿がおかしくて、笑い転げた。

ヒューグラントの相手役の、バリーモアは、今年で、32歳になったそうだ。彼女は映画俳優になったのは、7歳のとき。スピルバーグの名作「ET」だ。 その後、9歳でタバコ、酒を覚え、10歳でマリワナ、12歳でコカインを吸引、14歳で俳優引退宣言して 自伝「LITLLE GIRL LOST」を出版した。14歳で、自伝を書く人も珍しい。子役でデビューして、そのイメージから脱出できずに、役造りで苦労する役者の話は、よく聞くが、 この人も、大人になってから、雑誌プレイボーイでヌードになって、スピルバーグに 服を着なさい、としかられたりしながら、歌手兼俳優として、カンバックに苦労したようだ。
映画のなかで、彼女が恨みの昔の彼氏と、バーで鉢合わせになったとき、ヒューグラントに、「あんな奴 人前で恥をかかせてやる!」と、鼻息あらく、彼の前にでたくせに、急に赤ちゃんみたいな話し方しかできなくなってしまうシーンでは おなかを抱えて笑ってしまった。すごく こんな時の女の気持ちがよくわかる。

昔のポップスターで、今は名もない作曲家というヒューグラントと、さえない素人作詞家のバリーモア、彼らに、曲を依頼してくる、人気歌手のコーラというセクシーな歌い手、この珍コンビネーションがすごく面白い。 ラブコメデイーは、なにも考えずに、仲の良い人と、一緒に観にいって、ただ笑って気分よく 帰ってくるのが良い。 疲れている人は、疲労を忘れ、さした理由もなく、鬱気味だった中年の人は、気分を上向きにもち直すことができ、ちょっと虫歯の痛い人は、痛みをわすれ、つまらないことで けんかしたカップルは けんかの原因を忘れてしまって また仲良くなれる。