2007年3月5日月曜日

映画 「パフューム」



映画「PERFUME」を観た。ドイツ、フランス、スペイン3カ国合作映画。 ホイッツにて 上映中。 17世紀に実際に起こった事件を題材にして作られた映画。 主演、ベンウイシャウ(BEN WHISHAW)女優に、レイチェルハートウッド(RACHEL HURD-WOOD)、助演にダウテイン ホフマン (DUSTIN HOFFMAN)。

ベン ウィシャウは、孤児院で育ったが、大人になると、皮なめし職人に売られて 働いている。特筆すべきは、彼は天才的に嗅覚が発達している。においで、隣のうちの中で何が起こっているのか かぎ分けられるほど 嗅覚に敏感だ。 ある町で、彼は美しい乙女のにおいに魅せられて、後を追い、吸いつけられるようにして その乙女のにおいをかいでいるうちに、怖がって逃げようとする その処女を殺してしまう。かぐわしい 処女のにおいを自分になすりつけて 満足するが、香りは時がたてば 失われてしまう。どのようにして、香りを保存するのか知りたくて、偶然、出会った香水調合師に拾われて、修行することになる。

トラックいっぱいのバラの花を、蒸留 抽出してやっと、小さな香水びんを満たすことができるというような 過程を経て、彼は一人前の香水調合師となる。そして、次々と処女を拉致して殺しては、体に獣の脂肪をぬりたくり、それをナイフでこそげ落とした処女の香りを 抽出して香水にする。素晴らしい香水を作るためなのだから、彼には、殺人の罪悪感はない。12人殺して、12本の香水ができあがったところで、一番初めから心惹かれ、ねらっていた検事総長の娘をとうとう手にかける。この娘の香水に 12本の香水を混ぜた、13番目の 究極の香水ができあがったところで、彼は、逮捕される。

話としては おもしろい。映画も前半は,ハラハラ ドキドキ、とてもおもしろかった。香水作りの親方にダステイン ホフマンが出てきて、彼が映画にでてくると、映画の味が 本物っぽくなる。彼が 自分で創作した香水を試すために、絹のハンカチに香水一滴たらし、香りのよしあしを彼の あの大きな鼻でかぐ しぐさがとっても良い。

でも、話の筋も映画の後半、どんどん現実離れしてきて、見ているのが ばかばかしくなった。主人公が死刑台に立たされ、何百人もの見物人が 死刑の様子を 固唾と見守っていると、この殺人鬼は 13番目の香水をひとふりしただけで、みんなヨレヨレ、ひゃらひゃらになって、服を脱ぎだし、セックスを始めるところなどは、全然納得できない。私は、話の筋はきちんと終わってもらいたい性格だから、13人の罪のない処女を殺した殺人鬼が 香水ひとふりで、罰せらずにすんでしまったことが許せない。

だいたい処女の体臭が甘い、素晴らしい においだなどと、誰が決めたのか?全く 科学的でない。女性ホルモン エストロジェンや 男性ホルモンを刺激するフェロモンは 15歳くらいの 処女からは しぼっても出ない。日本の根暗社会では、処女の女子中学生や高校生のパンテイーを売買したり、彼女達のオシッコを高く買いたがる おじさんが増えていて、その種の店が大繁盛だそうだ。それはとても、異常な文化だ。暗いよ おじさん!からだの処女など、なんの意味もない。貴重なのは、心の処女性だろう。 人は まじめに働き、まじめに食い、まじめにクソをして、真正面から女性を見つめ まじめに愛情を交換してもらいたい。

私は この映画の根暗な、不健康さが嫌いだ。この映画を観に行く人は、前半だけ見て 後半はしっかり眠って 音楽だけを楽しむという見方をお勧めする。