2025年10月7日火曜日

マゴの日本交換留学

目の中に入れても痛くない、かわいい可愛いマゴが交換留学で日本に行った間に、外国人嫌いの人種差別主義者が日本の首相になったことは、皮肉な出来事だった。

豪州に引っ越して30年近くになるが、「純粋日本人」の2人の娘は日本人ではないパートナーを選んだので、マゴたちは「純粋日本人」ではない。姿も形も日本人ではない。
娘たちも外国で教育を受け、日本語の論文が書けないという理由で日本の大学には入れず、豪州の大学で学んだから、日本語能力は頼りなく、マゴともなれば日本語は話さない。

ヒットラーはユダヤ人絶滅を標榜して、純粋ユダヤ人と、父親か母親がユダヤ人の混血児も収容所に送ったが、ヒットラー自身が、実はユダヤ人の血を引く祖母を持っていたのではないかという話がある。 手塚治の「アドルフに告ぐ」は、ヒットラーがユダヤ人の血をひくという文書をめぐって、人々が醜い争いをする、という深い内容の漫画だ。

白土三平は、「カムイ伝」で、忍者と将軍と侍が息をのむような手に汗を握る長編作品を書いたが、これは徳川家康が被差別部落民の出身であるという文書をめぐって血を血で洗う抗戦を描いた作品だ。
ヒットラーは自分の中にユダヤ人の血が混ざっていることがそんなに嫌だったのだろうか。徳川家康は部落民出身だったかもしれないことを、どうしてそんなに恥じたのだろうか。

血は水よりも濃い、とか大和民族の血を誇るとかいうけれど、医療従事者の私の目からみれば、血にはDNAなどないし、血の大半の成分の赤血球は120日の命で、毎日入れ替わる。その血はタンパク質だから多く含むレバーを食べれば貧血に効果があるし、飲茶ではダックの血を固めた黒いソーセージが出てきて栄養がある。血など、それ以外に血の意味などない。

マゴはハイスクールになって、交換留学生として神戸に行って、京都でたまたま天皇が車で通り過ぎるのを見たり、奈良で鹿におやつを上げたりした。
16歳になったばかり、なんでも見たり体験したい時期の子供。体つきや顔つきが日本人と異なっても「人はみなおなじ地球人」と、等しく扱ってもらいたいと、切に願っている。帰ってきて「おばあちゃんの生まれた国、日本大好きだよ。」と言ってくれたら、それほどうれしいことはない。



2025年10月1日水曜日

トランプのピースプラン

昨日9月30日に、米国大統領トランプが提示し、イスラエル首相ネタニヤフが合意した「ガザ ピースプラン」とは、パレスチナ国家を承認するどころか、パレスチナを完全に植民地にし、パレスチナ民族浄化するための地上最低のプランだ。

パレスチナを語るのに、パレスチナ人はひとりとして関与していない。ハマスの無条件降伏と、パレスチナ人のパレスチナからの立ち退きを強制している。パレスチナ人がジェノサイトで一方的な被害に遭って日々爆弾を落とされ、日々飢餓に落とし込められているにも拘らず、パレスチナ人の保護について、一言も述べられていない。パレスチナ民族によるパレスチナの土地奪還の戦いであるにも関わらず、ガザの人々が選んだハマス政権との交渉もなしに、「ガザに暫定組織を作り、そのトップにはトランプ、安全対策には英国のトニーブレア」を据えるという。

確認しなければならないのは、トニーブレアは、100万人の無実のイラク市民を殺した「戦犯」だということだ。2003年ブレアが首相だった時、英国日刊紙「サン」がイラクに生物化学兵器があると報じだのを切っ掛けに、ブレアはサダムフセイン、イラク大統領を、政権から引きずり下ろし、イラクのオイルを強奪するために戦争を仕掛け、100万人のイラク人を殺した。なんと国民総数の5%が失われたのだ。のちに英国議会は、明確にイラク参戦は不当だった、と結論を出した。本来ならブレアは、戦争犯罪人として国際法廷で罰せられるべきだった。

トランプは彼の「ガザ ピースプラン」にNOハマス、NOマフムドアバース」と言っている。ハマスとともに、パレスチナ大統領のマフムドアバースまで、パレスチナ人がすべて除外されている。そしてインタビューでトランプが「Palestine Go アブロード」パレスチナ人国外追放、外国移住、と言った言葉は聞き捨てならない。ガザ北部の人々を南部に移動するための安全を保障すると言いながら、いったいガザの人々の行先は南部ではないのか。30万人のガザ市の人々をいったいどこに追いやるつもなのか。
国連総会で、パレスチナの民族自決権を認める決議は、2024年11月段階で採択されている。パレスチナ自治区ガザで無条件かつ恒久的な停戦を要求する決議も採択されている。
パレスチナはパレスチナ人のものだ。
ガザの沖合には莫大なオイルが埋まっている。
国連軍を派遣してイスラエル軍を撤退させ、ガザを再建するならともかく、トランプをトップに据えたガザの「新組織」が、ガザに進駐するなどという米国英国のピースプランは、パレスチナ強奪以外の何物でもない。オイルが見つかると、ぞろトランプが出てきて、トニーブレアが妖怪のごとく出てくる。トランプのピースプランは、パレスチナ人殺戮プランで、パレスチナ民族浄化プランだ。許されない。