2025年10月26日日曜日

トランピャニフ

トランピャ二フというそうだ。
いま米国大統領とイスラエル首相によって世界情勢が書き換えられていっている。トランピャニフは、217億ドルの予算を使い、わずか365平方㎞のガザの土地に、7000トンの爆弾を落とし完全破壊した。第二次世界大戦で使われた爆弾総数よりも多くの爆弾で、6万7000人のパレスチナの人々の命を奪い、1万人と予想される人々を瓦礫の下に埋めた。

9月30日のトランピャニフ、ピースプランによって、南部から帰ってきた人々は、自分の家が瓦礫となって、いまだその下に埋まる子供たちや妻や夫や親たちを掘り出すことができない。
トランピャニフは、ガザ状況が世界に伝わらないように報道管制を強いたが、ガザに残ったジャーナリストたちによって伝えられた真実のためにイスラエル軍のターゲットとなって270人ものジャーナリストが殺された。停戦発効後のいまも殺され続けている。

ハマスは停戦合意の人質を全員解放したにもかかわらず、国連主導の支援物質トラックはいまだ封鎖が解けず、待機させられている。飢餓に陥る人々は空腹から解放されていない。
南部に強制移動させられていた人々が、ガザ市に戻るために安全を保障された通路に、黄色い線が示されているわけではない。通路からはみ出して走っていた、とされて11人の子供を満載した車が爆破されて全員が死亡した。標識があるわけではない道路から外れたと、誰がどう判断できるのか。
いまだハマスに連れ去られた人質の13の遺体を返せ、とトランピャニフは言う。イスラエル軍によって破壊されつくした瓦礫から、それを掘り返すために、エジプトから重機が到着するそうだ。1万人近くのパレスチナ人の遺体とともに、数台の重機で簡単に回収できるとは思えない。
イスラエルから返却されたパレスチナ政治犯たち、約120の遺体の多くは虐待された跡があり、腐食が激しく、DNA検査の器具もないため遺体確認もできないまま埋葬されている。

トランピャニフは、この2年のうちに、ガザの80%、ヨルダン河西岸、レバノン領の一部、ゴラン高原、ヨルダンの一部をイスラエル国家として手に入れた。トランピャニフは、もうすぐ米英主導の国際平和軍が編成されてガザに向かいます、と得意げに言う。

ガザ沖合に眠る莫大な資源、330憶立法メートルの天然ガスが、もうじきトランピャニフのものにされるだろう。初めから、これが目的だったのだ。

米軍は4500人の水兵、ミサイル駆逐艦、原子力潜水艦、巡洋艦、ごっそりそろえてカリブ海では、ベネズエラの11の船が、撃沈された。殺された船の乗務員は50人に上る。
米国にとってはベネズエラの国有財産である莫大なオイルが目的だ。それを奪うために、国際法も人道法もなく有無も言わさずに暴力で奪おうとしている。

そのトランピャニフに声援を送る、日本の腐敗した新政権。

不法、不正のまかり通る弱肉強食の醜い世界の前で、正気を保て!!



2025年10月12日日曜日

2025ノーベルピースアワード

10月11日ノーベル平和賞が授与されるのを、口を開けて待っていたトランプ米国大統領を素通りして、賞はベネズエラのマリアコリーナ マチャドに授与される、と発表された。

ベネズエラで民主的選挙によって選ばれた、現ニコラス マドロ大統領政権を完全に無視、侮辱するかのように、反政府運動家に賞金と賞状を授与するとは、ノーベル賞も地に落ちたものだ。あまりにも公正に欠けている。フェアではない。選挙では、故チャベス大統領の後継者として、チャベス派のマドロ大統領は、疑いもなく圧勝したはずだ。

賞を受けたマチャドは、米国から多大な資金援助を受けて反政府運動をしてきたが、それは米国が、反米チャベス派のマドロ大統領政権をつぶし、ベネズエラのオイルを奪取するのが目的だからだ。いまベネズエラのオイルは、国有財産になっていて、中国に輸出されている。米国国務長官のマルコ ルビオは、エクソンモービル社と深い関係にあるが、ベネズエラの国有財産であるオイルを、モービル社と契約させることでオイルの利権を乗っ取ろうとしている。マチャドは、そのためのコマに過ぎない。

マチャドはCIAの資金を使って、チャベス大統領罷免運動を起こし、有権者権利団体を設立して、チャベス追放クーデターに関与した。彼女はソーシャルネットワークXで、アルゼンチンやイスラエルに、ベネズエラに軍事介入すべきだ、唆していた。ノーベル委員会は、トランプに平和賞を授与すると世界中でブーイングが巻き起こるので、それを避けるためにトランプの小型繰り人形に授与することにしたのか。

トランプは、麻薬カルテルを取り締まる、と言い、カリブ海に軍艦を出して、ベネズエラの船を撃沈させている。9月2日に11人の乗組員ごと船を撃沈させ、9月15日には別の船を爆撃し3人の乗務員を殺し、9月19日には3人、20日に,続行けて、船を撃沈し4人の乗務員を殺した。合計21人の乗務員は、単に漁船に乗った漁師だったかもしれないし、善良な人々が日用品を運んでいたのかもしれない。今となっては何もわからない。仮に麻薬を運んでいたにせよ船を拿捕して乗員を取り調べ、証拠を上げて裁判にかける常識を省略して、何の予告もなく国際水域で一方的に船を沈めて殺すなど、人のすることと思えない。国連だけでなく米国内からも非難の声が上がって当然だ。公海で国際法にも国連憲章にも、米国の憲法にさえ違反している。

ベネズエラはコカインの生産国ではない。また麻薬取引国でもない。南米産コカインは、コロンビアやエクアドルで生産され、太平洋沿岸から米国に到着している。カリブ海からではない。トランプがカリブ海に軍艦を出してベネズエラの船を沈めているのは、麻薬撲滅が目的ではなく世界にベネズエラが麻薬まみれの腐敗した国だというイメージを作り、マドロ政権をつぶし、国家財産のオイルを盗み取ることが目的だ。マチャドは、そのための米国の操り人形に過ぎない。

トランプは、現ベネズエラ大統領マドロの首に5000万ドルの懸賞金をかけた。他国の大統領が、ベネズエラの人々が選び圧倒的な人気で大統領になったマドロに懸賞金をかける、などという無法社会は、私たちの歴史のどこにも見当たらない。こんな恥に満ちた不正、不公正で、頭のトチ狂った独裁者に、勝手なことをさせ続けてはいけない。世界は、正気に戻らなければ。
米国のベネズエラに対する軍事介入を許してはならない。マチャドのノーベル平和賞受賞は、悪い冗談よりも犯罪的だ。



2025年10月7日火曜日

マゴの日本交換留学

目の中に入れても痛くない、かわいい可愛いマゴが交換留学で日本に行った間に、外国人嫌いの人種差別主義者が日本の首相になったことは、皮肉な出来事だった。

豪州に引っ越して30年近くになるが、「純粋日本人」の2人の娘は日本人ではないパートナーを選んだので、マゴたちは「純粋日本人」ではない。姿も形も日本人ではない。
娘たちも外国で教育を受け、日本語の論文が書けないという理由で日本の大学には入れず、豪州の大学で学んだから、日本語能力は頼りなく、マゴともなれば日本語は話さない。

ヒットラーはユダヤ人絶滅を標榜して、純粋ユダヤ人と、父親か母親がユダヤ人の混血児も収容所に送ったが、ヒットラー自身が、実はユダヤ人の血を引く祖母を持っていたのではないかという話がある。 手塚治の「アドルフに告ぐ」は、ヒットラーがユダヤ人の血をひくという文書をめぐって、人々が醜い争いをする、という深い内容の漫画だ。

白土三平は、「カムイ伝」で、忍者と将軍と侍が息をのむような手に汗を握る長編作品を書いたが、これは徳川家康が被差別部落民の出身であるという文書をめぐって血を血で洗う抗戦を描いた作品だ。
ヒットラーは自分の中にユダヤ人の血が混ざっていることがそんなに嫌だったのだろうか。徳川家康は部落民出身だったかもしれないことを、どうしてそんなに恥じたのだろうか。

血は水よりも濃い、とか大和民族の血を誇るとかいうけれど、医療従事者の私の目からみれば、血にはDNAなどないし、血の大半の成分の赤血球は120日の命で、毎日入れ替わる。その血はタンパク質だから多く含むレバーを食べれば貧血に効果があるし、飲茶ではダックの血を固めた黒いソーセージが出てきて栄養がある。血など、それ以外に血の意味などない。

マゴはハイスクールになって、交換留学生として神戸に行って、京都でたまたま天皇が車で通り過ぎるのを見たり、奈良で鹿におやつを上げたりした。
16歳になったばかり、なんでも見たり体験したい時期の子供。体つきや顔つきが日本人と異なっても「人はみなおなじ地球人」と、等しく扱ってもらいたいと、切に願っている。帰ってきて「おばあちゃんの生まれた国、日本大好きだよ。」と言ってくれたら、それほどうれしいことはない。



2025年10月1日水曜日

トランプのピースプラン

昨日9月30日に、米国大統領トランプが提示し、イスラエル首相ネタニヤフが合意した「ガザ ピースプラン」とは、パレスチナ国家を承認するどころか、パレスチナを完全に植民地にし、パレスチナ民族浄化するための地上最低のプランだ。

パレスチナを語るのに、パレスチナ人はひとりとして関与していない。ハマスの無条件降伏と、パレスチナ人のパレスチナからの立ち退きを強制している。パレスチナ人がジェノサイトで一方的な被害に遭って日々爆弾を落とされ、日々飢餓に落とし込められているにも拘らず、パレスチナ人の保護について、一言も述べられていない。パレスチナ民族によるパレスチナの土地奪還の戦いであるにも関わらず、ガザの人々が選んだハマス政権との交渉もなしに、「ガザに暫定組織を作り、そのトップにはトランプ、安全対策には英国のトニーブレア」を据えるという。

確認しなければならないのは、トニーブレアは、100万人の無実のイラク市民を殺した「戦犯」だということだ。2003年ブレアが首相だった時、英国日刊紙「サン」がイラクに生物化学兵器があると報じだのを切っ掛けに、ブレアはサダムフセイン、イラク大統領を、政権から引きずり下ろし、イラクのオイルを強奪するために戦争を仕掛け、100万人のイラク人を殺した。なんと国民総数の5%が失われたのだ。のちに英国議会は、明確にイラク参戦は不当だった、と結論を出した。本来ならブレアは、戦争犯罪人として国際法廷で罰せられるべきだった。

トランプは彼の「ガザ ピースプラン」にNOハマス、NOマフムドアバース」と言っている。ハマスとともに、パレスチナ大統領のマフムドアバースまで、パレスチナ人がすべて除外されている。そしてインタビューでトランプが「Palestine Go アブロード」パレスチナ人国外追放、外国移住、と言った言葉は聞き捨てならない。ガザ北部の人々を南部に移動するための安全を保障すると言いながら、いったいガザの人々の行先は南部ではないのか。30万人のガザ市の人々をいったいどこに追いやるつもなのか。
国連総会で、パレスチナの民族自決権を認める決議は、2024年11月段階で採択されている。パレスチナ自治区ガザで無条件かつ恒久的な停戦を要求する決議も採択されている。
パレスチナはパレスチナ人のものだ。
ガザの沖合には莫大なオイルが埋まっている。
国連軍を派遣してイスラエル軍を撤退させ、ガザを再建するならともかく、トランプをトップに据えたガザの「新組織」が、ガザに進駐するなどという米国英国のピースプランは、パレスチナ強奪以外の何物でもない。オイルが見つかると、ぞろトランプが出てきて、トニーブレアが妖怪のごとく出てくる。トランプのピースプランは、パレスチナ人殺戮プランで、パレスチナ民族浄化プランだ。許されない。