3年間の沖縄、8年間のフィリピン、29年間の豪国といった長い外国暮らしで、すでに両親を見送り父の遺産を受け継いだ兄とは音信不通、日本には数少ない友達が居るだけになった。
旅行目的はスキー。雪を見たことのない13歳と15歳のマゴ達にスキーを習熟させること。
残りは東京見物と買い物。
本当にトンネルを抜けると雪国だった。トンネルを抜ける瞬間を写真に収めようとカメラを構えていた次女が、もうすぐ下りる駅を前に、新幹線の荷物置き場から全員分のスーツケースを出そうとみんなが、てんやわんやでカメラショットのタイミングを失ったことが至極残念だった。
宿はそれぞれの部屋から、大きな越後の山々が広がる絶景に面していて景観には申し分もない。次女家族のファミリールームもそれぞれ分かれていて広々とした良い部屋だった。
翌日はゲレンデに出て家族全員、午前午後2時間ずつのスキーレッスンを受けた。雪に触るのが生まれて初めての13歳と15歳は、驚くことに、たった1時間のレッスンで、上手に滑れるようになり、先頭に立ってリフトに乗って滑り出す。驚愕すべき彼らの運動神経は、サッカー、フットボール、テニス、ラクロス、水泳、クリケットで鍛えあげられている。スキーの先生が必死でスローダウンさせようとしても、言うことを聞かず気持ちよさそうに滑っている。それを横目に私は50年ぶりのスキーが恐ろしくて、及び腰、バランスも取れず転んでばかり、先生が付き切りでお世話してくれる。
翌日は両ひざが2倍に腫れて、早くもスキーリタイヤ。しかし、娘たち家族がスキーを楽しんでくれることが何より。今回の旅行目的は、マゴ達がスキーを滑れるようになること、これが早くも第1日目に達成された。温泉も良い。文句なしだ。
スキーのあと夜はホテルのレストランの「ふぐ鍋コース料理1人6000円」とかの宣伝には見向きもせず、街に下りて行って新鮮な魚介類の寿司を思い切り食べた。13才のマゴが急に黙って食べなくなったので、気になっていたらワサビのいっぱいついたマグロを思い切り食べてショック状態だったのだ。注文はテーブルに着いているアイパッドでするのだが、子供の時に日本を離れた次女が「わさび無し」という漢字の意味を誤解して、子供たちにはわさび無しを注文したつもりでわさび付きを注文していた、という訳。そんなこんなで、街では連日、寿司や蕎麦や海老や新潟湯沢の名物を堪能した。
スキーをリタイヤした私は、ホテルのジムで泳いだり歩いたりしていたが、プールがスキーのゲレンデが見渡せる広く大きな窓に面していて素晴らしい眺めだった。スキーリタイヤ後も満足だ。