世界で初めて豪国では、16歳以下の子供がソーシャルメデイアにアクセスすることを禁止した。
ソーシャルメデイアとはFB、ティックトック、X、インスタグラム、スナップチャットなど、但しユーチューブやワッツアップの教育番組は例外とされた。すでに議会を通過したので実施を待つばかりだ。
FBや、X などに16歳以下の子供が登録するのを許したメデイアは、$50ミリオン、5000万円の罰金が課される。メデイアは、ただちに登録者の年齢を確認して、16歳以下の子供を見つけたらアクセスを中止しなければならない。
この決定には教育関係者からは、あまりに子供たちがソーシャルメデイアに時間を取られる「中毒症状」を起こしやすいことと、医療関係者からは、ソーシャルメデイアにのめりこんだ子供の「メンタルヘルス」が憂慮される事態になっているという背景がある。ソーシャルメデイアを通じて友達グループから虐めにあって、12才の少女が自殺したしたことで、家族がメデイアを法に訴えているが、似たような状況で命を絶ったテイーンの家族が声を上げていた。
十分な議論が尽くされたとは言い難いが、基本的にはこのソーシャルメデイア禁止法に私も賛成だ。16歳以下の子供は本を読むべきだ。今子供たちは、10万円以上するアップル携帯をもって学校に行き、少しでも時間があるとゲームに興じたり、テイックトックで友達とオモシロ動画を送りあって共有して楽しんでいる。それをグループで共有できない子は仲間外れだ。おもしろ動画は1分程度の短いもので、そんなショート動画ばかり見ている子供は注意力を1分しか保てない、注意力散漫で集中力のない子供になってしまう。1日2時間以上ソーシャルメデイアに時間を取られる子供は、学校での読み書き、考える能力が20%落ちた、と言う統計がある。
大人も本を読まず、新聞さえ読まない。本という広く深い叡知の泉に出会うことなく大人になる子供を見るのは辛い。自分がどれほど本が人間形成に役立ってきたか、日々実感できるからだ。音楽もオペラハウスやライブミュージック会場に足を運んで実際の音のなかに身体を浸して体感する喜びを知らずに、メデイアによる電子音で満足してしまう子供の存在は哀しい。コンチェルトに15分、交響曲に90分、オペラに3時間、じっと座って音の奏でる素晴らしさを知ることは決して人生に無駄にはならない。
それをいうと、小姑、化石、博物館行きーと言われるだろうが気にならない。
FB、アップル、マイクロソフト、アマゾンなどIT企業は、世界1リッチな、イーロンマスクを始めとして世界の富を独占している。ソーシャルメデイアを通じて、個々人からデータを集めて抽出し、それをもとに経済効果を高め資本を蓄積している。個人がスマートフォンを使えば使うほど、消費欲求がアルゴリズムに導かれ、情報操作によって、資本家に富が集積する。世界の富の半分以上が数人の資本の私財になっている。