2022年2月24日木曜日

「竹田の子守歌」と「赤い花」とCOVID中間総括

曲は「竹田の子守歌」と「赤い花」。「赤い花」は中林ミナの曲。村松和行のリクエストに応えて歌ってみた。

ついでにこのコビッドが猛威を振るう2年余りの間、医療現場で働いてきたので、中間総括をしてみたい。50人の老人居住者を預かるエイジケアに勤めている。居住者は80代、90代の身体障害者、アルツハイマー病、認知障害、精神障害などを持ち、ほぼ全員がオムツをしているが、半数は歩くことができる。朝起きて、介助でシャワーを浴び普通の服を着せてもらい、女性は化粧もする。
職員は、約60人、ケアワーカーがその90%、10%が給食係を占め、レクリエーション療法士が常駐する。他に物理療法士、栄養士、言語療法、レクリエーション指導者、医師、ポデイアトリスト、美容師などが定期的に来る。また掃除と洗濯は外注の専門業者を使っている。

2020年にWHOがコビッドをエピデミックと宣言してから、居住者と職員は全員ワクチンを、3回目のブースターを含めて打ち、職員はマスク、フェイスシールド、ガウンなどPPEを徹底、面会者を制限した。2年間一人も感染者を出さず、無事に過ごしてきたが、今年になってオーストラリアが国境と州境を解放してから、オミクロン株が流入した。すべての職員が3回目のワクチンを打ち終わるよりも、感染のスピードのほうが速かった。職員の中から感染者が出て、この1月末にあっと言う間に、年寄りたち、居住者にも感染が広がった。最悪時、2月初めには居住者の半数、職員の3分の1が感染した。職員は毎日、職場の玄関でラピッドテストをして、感染していないことを確認して職場にはいり、そこで感染が認められた職員は帰宅し2週間自宅隔離し、政府の補助金で休暇となる。一番大変だったのは人手不足。検査で陽性になった職員と知らずに一緒に食事したり濃厚接触した職員も自宅隔離になるので人手が足りず、人材派遣会社に頼り切りになった。

それでもコビッドで一番危惧された居住者の感染による死亡を、出さずに済んだ。ブースターを打っていた80代90代の居住者が、コビッドに感染しても、一人として発病しなかったことは、誇っても良い。ワクチン懐疑者がいまだに居るが、うちの場合はワクチン効果がはっきり認められた。感染した職員の中でも、1人だけ重い症状が出た以外は、全員無症状で、元気に職場復帰した。
2月初めからの2週間は、感染者隔離など、感染対策と人手不足で地獄だったが、エイジケアで一人も死亡者を出さなかったことを誇りにしても良い。これは、ワクチンが出た途端に、居住者も職員も率先してワクチンを受け、さらに職員たちが自分の命を削るようにして、感染予防対策をして、まじめに働いてきた結果でもある。

I am singing [Takeda Lullaby] folk song and [Red Flower] written by Nakabayashi Mie.
I was working as a medical interpreter for government, and as a nurse at Aged Care facility: where has about 50 aged people: 80's and 90's, Disables, Alzheimers, Dementia, and incontinent. Since WHO declared COVID epidemic, all 60 members of staff got PPE, and stopped visitors. Our residents and staff all got 3 vaccines and staff has everyday tested Rapid COVID test.
However half of aged residents and one 3rd of staff got COVID positive this the end of January. Lucky there was no symptoms or serious condition among COVID positive people. because we, staff carefully care our residents, and made huge effort for stopping to spread infection.t. We have to proud of our selves-: no death- no serious condition- even aged residents got COVID positive . I have to say how important to get 3 shots of COVID vaccines.





2022年2月21日月曜日

村上春樹原作の映画「ドライブマイカー」

原作:村上春樹                               
監督:濱口竜介                          
キャスト
家福悠介:西島秀俊
みさき:三浦透子
音:霧島れいか
高槻耕史:岡田将生
イ ユナ:バク ユリム
コン ユンス:ジン デユン
ジャニス チャン:リニア ユアン

ストーリー
演出家、家福悠介は、シナリオライターだった妻、音を脳出血で亡くしていた。妻とは愛情と理解とで結ばれていたことを確信しているが、妻は水を飲むような自然さで、若い役者や演劇関係者と肉体関係をもっていたことで、実はずっと傷ついていた。その傷は、妻が故人になって、さらに深まっている。2年後、ヒロシマで演劇祭が開催されることになり、家福が演出する、チェホフの「ワーニャ叔父さん」が取り上げられることになった。役者たちは、日本人に限らず、韓国、台湾、フイリピン、ドイツ、マレーシア、インドネシアなどからも公募されてキャステイングが決まる。家福は、ワーニャ叔父さんに、こともあろうに妻と関係を持っていた若い役者、高槻を指名する。演出家と役者として対面することで、家福は自分の心の傷を深めていく。専用ドライバーとなった、みさきとの朴訥な会話によって、家福は徐々に自分の心の中の傷について真正面から見つめなおさなければならないことを気付かされる。というおはなし。

演劇から言語のワクを外した「舞台」というものに新鮮な驚きを感じた。舞台演出家の家福が作る舞台に、言葉の障壁がない。日本語を語るワーニャ叔父さんに対して娘のソーニャは、手話で応じ、教授の後妻エレーナはマンダリンで答える。舞台上には、セリフが日本語、英語、ドイツ語、韓国語、マンダリンなどで写しだされる。役者たちは異なる言語に対して、自分の言葉で何も不自然を感じさせないかのように劇を進行させる。
舞台というものは、いつの時代にも前衛の旗手を担ってきたが、このような形で舞台が作り上げられたことで、19世紀の文化人チェホフも喜んでいるだろう。

「ワーニャ叔父さん」は、兄の教授が美しい後妻を連れて故郷の田舎に戻ってくるところから始まる。教授の弟ワーニャは、インテリで美しい妻を伴った教授とは異なって、苦労して領地を維持し管理してきたことで、不公平感にさいなまれている。片思いしている兄の妻、エレーナはつれないし、教授が土地を処分しようと考えているに至っては、怒り心頭、銃を持ち出し兄を殺すか自殺するか。土地を失ってしまえば、自分が生きている意味もなくなってしまう。ワーニャは絶望するが、娘ソーニャの純真な励ましによって、魂を再生させる、という人間と宗教、善と悪、知と無知といったテーマを持った芝居だ。

それと同時に、自分がどれほど自分と異なる他人に寛容になれるか、という価値感もテーマになっている。家福とその妻とは別人であって価値観も異なる。自分のエゴを押し付けることは愛ではなく暴力だ。自分と異なる言語を話す人に、自分の言語を押し付けるのも暴力だ。どこまで他者を認め、許し合えるのか、互いに違いを認め合えるのかといった問いが、映画の初めから終わりまで付きまとっている。

芝居を取り組む妻の浮気相手だった高槻も、家福の妻、音も本心から愛し合っていて、尊重し合っていたことを知らされて家福は打ちのめされる。一方、そういった家福や高槻とのやりとりを耳にするドライバーのみさきは、母子家庭で母から暴力を受けながら育ってきた。生きる喜びも知らず、将来の目的や幸福感とは縁遠く、自分の魂を半分殺すようにして生きてきた。家福はみさきの、魂を絞り出すような告白によって、自分自身の心の傷を初めて認識して傷に立ち向かう勇気をもらう。
舞台の進行と同様に、それぞれの人が、自分をさらけ出すことによって、自分の魂を認識する。芝居同様に、魂の死と再生がテーマになっている。

3時間の長い映画。村上春樹の小説を読むように、タッチがそっくり映画になっている。役者たちがそれぞれ、実に達者で良い。ソーニャ役の手話には感動した。手話がこれほど表情豊かな表現方法だったのか、台詞の音がないだけ、その静かで豊かな表現にじわじわと感動が広がる。手話に対してワーニャ叔父さんが、打ちひしがれた表情から徐々に立ち直り、希望をつなごうとする演技と表情も素晴らしい。この映画、見る価値がある。
第79回ゴールデングローブ賞で、最優秀英語映画賞受賞。第94回アカデミー賞で、作品賞にノミネイトされているだけでなく、監督賞、脚色賞、国際長編映画賞の4部門で、ノミネイトされている。

2022年2月17日木曜日

ジミーチンとマックスロウの「TORN」

                  

ジミーチンは世界一優秀なドキュメンタリーフイルム製作者だと断言できる。
2015年「MERU」でヒマラヤ未踏峰の、6250Mの絶壁「シャークフィン」に初登頂し、その過程を、登りながら撮影して見せてくれた。2019年には「FREE SOLO」でカルフォルニアヨセミテ国立公園に聳える岩壁「エルカピタン」初の単独フリー登頂をフイルムにして、その年のアカデミー長編ドキュメンタリー賞を受賞した。

今回ジミーが監督をしていないが、彼の撮った莫大なフイルムが提供されて、登山家アレックスロウの息子、マックスロウが「TORN」(伝説の登山家ー亡き父を追って)というドキュメンタリーフイルムを作った。とても感動的で、貴重なフイルムだ。しかしそれを紹介する前に、ジミーチンの過去の2作についても説明しておきたい。

「MERU」(メルー)2015年
ヒマラヤ山脈中国側のメルー中央峰、6250Mの難攻不落の岩壁「シャークフィン」の世界初の登頂記録。ジミーチン、コンラッドアンカー、レナンオズタックの3人が成功させた。3人は、2008年に頂上あと100Mのところで、登頂を断念している。総重量90キロの荷物を担ぎ、2台のカメラと機材、8日分の食料とともに17日間登り続け、悪天候と雪崩にあいながら、岩肌にビバーグしていたが、テントを強風で壊され、燃料も食糧も尽きて、世界初登頂 の記録をつくる寸前のところで、下山を決断した。このときの失望感が大きすぎて3人とも、もうこの山に戻ることはないと思ってきたという。その後、ジミーチンは別の山で雪崩にあい、600Mの距離を130キロのスピードで山から落下して大怪我をする。レオンオズダックは、スピードボードの事故で頸椎骨折、再起不能の車椅子生活を言い渡される。またコンラッドアンカーは長年のザイルパートナーで親友だったアレックスロウと、ヒマラヤ登山中に雪崩にあって亡くし、自身も怪我を負う。3人3様の事故で大きな傷を負うが、2008年の失敗を乗り越えて2011年、3人は厳しいトレーニングの末カンバック、再びシャークフィンに集まり、世界初登頂を成し遂げる。このときのドキュメンタリーフイルム。ただただ感動する。


「FREE SOLO」(フリーソロ)2019年
アカデミー長編ドキュメンタリーフイルム賞受賞
単独登山者アレックスオ二ルドが、カルフォルニアヨセミテ国立公園の中にある「エルカピタン」と呼ばれる1000Mの絶壁を、パートナーもザイルもハーケンもカラビナも使わずに、たった一人で登頂する姿を撮ったドキュメンタリー。
1インチに満たない岩の尖がりに足をかけ、3本の指でつかんだ岩のくぼみに全体重をかけて登っていくアレックスも神経を集中しているが、少し離れた横で重機材を担ぎ撮影するジミーチンも決死の覚悟で撮影している。かつて誰も成功したことがなかった単独登攀の撮影中、二人とも滑落して、その瞬間をとらえたフイルムだけが残される可能性もあった。手足のうち、3点を確保しながら登るのロッククライミングだが、両手を必要とするカメラワークを続けるには、高度な山岳技術がいる。また8000M級のヒマラヤなどの撮影では氷点下20度で、分厚い手袋を外せば瞬時に指が凍って血が通わなくなるところを、ジミーチンは手袋を取ってシャッターを押す。山岳登山家としての経験と高度な技術をジミーはもっている。他の人には真似できない。ひょっとすると彼のような、勇敢な製作者はもう二度と表れないかもしれない。


「TORN」(伝説の登山家ー亡き父を追って)2021年
監督マックスロウ
アレックスロウと、コンラッドアンカーは伝説の登山家だ。スーパーヒーロー、カリスマ登山家として山岳界で次々と新記録を更新した。二人は兄弟以上の強い絆で結ばれていた。しかしアレックスは1999年9月、チベットシシャパンマで雪崩にあって亡くなる。一緒だったコンラッドも雪崩で埋まったが、怪我をしただけで生き残った。
亡くなったアレックスは生前、家庭を持たないコンラッドをいつも羨ましがっていた。家に閉じ込められると、怒りと苦しみで手がつけられなかった、と妻は言う。いつも冒険していないと気が済まない。雪崩にあって亡くなる前の日、テントでアレックスはコンラッドに「長男の誕生日にデイズ二ーランドに連れて行けなくて自分は悪い父親だと思ってる。」と語っていた。アレックスが亡くなって、彼の息子たち、10歳のマックス、6歳のサニー、3歳のアイザックが残された。

アレックスの家族は長い間、コンラッドと家族のように親しかったから、コンラッドは、自分だけが生き残った罪悪感からアレックスの妻を支え、3人の息子たちが飢えないために、アレックス以上に家族の世話をする。クリスマスをディズニ―ランドで過ごし、アレックスの影のように、アレックスに成り代わってベストをつくすうち、自然と愛情がはぐくまれ、新しい家族が形成される。父親が亡くなった時10歳だったマックスは、父親との時間が長かったのでコンラッドを、父親としてなかなか受け入れられないが、そのとき3歳だったアイザックやサニーはほとんど父親の事を覚えていないので、何のこだわりもなくコンラッドを父親だと思っている。

16年の月日が経った。3人の子供たちはすっかり一人前の大人になった。2016年4月、シシャパンマの雪が解け、アレックスの遺体が発見される。コンラッドは、家族全員を連れてチベットに飛び、遺体を回収し、荼毘に臥す。骨はヒマラヤ山脈の風にのって散る。
というおはなし。

山のドキュメンタリーは素晴らしい。ジミーチェンは、40代になったがまだまだ活躍してほしい。常に滑落の危険を冒してザイルに身を預け、凍傷の危険を冒してシャッターを押し続けるジミーチェンは、私の英雄だ。
でもどうしてそんな危険を冒してまで山の上るのかって、、、答えは簡単。それだけ山は素晴らしい。登ってみればわかる。





2022年2月11日金曜日

ジョンレノンの「NOBODY LOVES YOU」

「NOBODY LOVES YOU」1973年、ビートルズのジョンがヨーコオノから別居を言い渡され、ジョンが一人きりでいた時作った歌を歌ってみた。
:誰も愛してくれない 落ち込んでいるときも、最高にうまくいってる時でさえ 見てもくれない みんな生活のために精一杯、 傷つけあってる 僕は君の側に行って 裸になってさらけ出したのに すべて打ち明けた だのに今だに君は愛してるのか と聞いてくる それって何だよ 誰も愛してくれない 誰も必要としてくれない ぼくをみんなが愛してくれる時 それは僕が墓に埋められた時だけさ。

こんな厭世的な歌が、ジョンの予想外にヒットしてしまったのは、何かの皮肉か。人は人生の中で何度か死んでしまいたい気持ちになる厄介な生き物だ。自分が誰からも愛されていないと感じながら生きるのは辛い。一番身近な人に見放され、友達からも嫌われたらなおさらだ。一人きり暗い部屋で雨音を聞きながらギターなど弾いていたら、うっかりすると自殺してしまうかもしれない。

2人の娘が生まれた時から家庭用のアルバムとは別に、娘たちに渡せるように、ダイジェスト版のアルバムを作ってきた。文京区で生まれ、ハイハイし、初めて歩き、沖縄で幼稚園、レイテで小学校、マニラで高校、そしてシドニーで大学に入るまでの分厚い一冊のアルバムを、娘たちが18歳になった時に渡した。記録を見れば自分がどれだけたくさんの人達に愛されてきたかがわかるだろう。それを見れば死ねないはずだ。
同じことを二人のマゴのためにしている。マゴたちの成長ぶりが手に取るようにわかる。マゴたちも自分が辛い時、それを見れば自分たちがどれほどの愛を受けてきたか、わかるだろう。重いアルバムは時代遅れ。そんなもの今は誰も手に取って見ない、と人は言うが、自分は年寄りだから、他人に耳を貸すつもりはない。時代遅れ、だからどうした。

I am singing [ NOBODY LOVES YOU] written by John Lennon in 1973. John said : Nobody loves you when you are down and out. Nobody sees you when you are on cloud nine. Nobody loves you when you are old and grey. But,,,,, Everybody loves you when you are six foot in the ground.🙁 dead and in under the grave stone)
It's terrible!!! John wrote this music when 1973, during separation period with his wife: Ono Yoko. He was really sad. Despite he was depressed and down, this music hit and become popular. Probably too many people sympathized with John on that time.

2022年2月4日金曜日

BTS 「V 」のクリスマスツリー

BTSという韓国ヒップホップボーイズの「V」が歌っている「クリスマスツリー」をちょっとだけ真似してみた。
娘に「V ]が素敵と言われて、清潔で可愛らしい私のマゴの年にも当たる青年に好感をもったが、BTSの7人が並んでしまうと、どれが「V 」なのか皆目わからなくなる。

まだ2月になったばかりだがオーストラリアでは今年のコロナによる死者は約400人、2年前にパンデミック宣言がなされて以来、合計約4000人が亡くなった。米国では90万人、メキシコで40万人、英国で15万人という夥しい死者数とは比べようもないが。
オーストラリアは人口2600万人、日本の6分の1。ワクチン接種率95%に達したが、現在人口800万人のNSW州で、1日の新患者数が連日2万人を超えている。PCRテストを廃止したので実際の患者数はもっと多いだろう。

遂に私の職場も、ロックダウンで部外者、家族面会など1年余り禁じてきたにも拘らず、スタッフの間にも、患者にも感染者が出てじわじわとそれが広がっている。毎日職員は、職場の入り口でRAT(RAPID ANTIGEN TEST)をして感染していないことを証明してから仕事に取り掛かる。フェイスマスク、フェイスシールド、ゴーグルに手袋、プラスチックのガウンを着て、まるで宇宙飛行士のような姿で仕事をしている。
人手不足は深刻だ。NSW州だけで5000人のナースが感染かその疑いで働けず、救急車を陸軍の兵隊が運転し、ワクチンはケミストが打ち、スーパーに生活必需品を運ぶ人が足らず、フォークリフトを18歳以下の無免許の高校生バイトが働いても良いことになった、というのには笑った。
自分もいつ感染するか時間の問題か。感染すれば1週間仕事を休んで、政府からお金をもらい、うちで本が読める、と気楽に構えて、医療現場で仲間たちと励まし合っている。
I tried to sing "Christmas Tree" ( Our beloved Summer) by 「V」 BTS.
My daughter said 「V」is nice and I agree, however I can not find him when 7 boys BTS on the stage. Which one???