今年のゴールデングローブでは、主演男優賞には、「レスラー」のミッキー ルークが獲り、助演男優賞に、バットマン「ダークナイト」のヒース レジャーが受賞した。ヒースの受賞が何より嬉しい。
28歳の若さでヒースが事故死して、この1月22日で丁度1年。 ヒースの死は 映画界にとっても オ-ストラリアの演劇界にとっても 大きな損失だ。ロスアンデルスの 授賞式には彼に代わって、「ダークナイト」の監督クリスノーランが賞を受け取って、「みんなが彼の演技に魅せられた。名優ヒース レジャーは 決して忘れ去られることはないだろう。」と述べた。
ヒース レジャーが映画に登場してから 彼独特の雰囲気にひきつけられてきた。ダークナイトのジョーカーの役は、怪優ジャック ニコルソンの後任でもあり、どんな風に、精神分裂症の根っからの悪の権化を、演じるのか 注目していたが、バットマンシリーズのどのジョーカーよりも 良かった。劇中のジョーカーの殺気立った笑い、瞬きする間に いとも自然に次々に仲間を殺していく無表情、大笑いして人々の憎しみを背負った瞬間の哀切極まりない表情。他の人にまねできない。 彼ほど自分を無にして、役にはまり込む俳優は他に居なかったのではないだろうか。また、彼のように、老成した役者も珍しい。 たった28歳で 亡くなってしまうなんて。 ヒースは ゴールデングローブだけでなく、オスカーにもノミネイトされている。二つとも取れたら、とてもうれしい。
主演男優賞「レスラー」のミッキー ルークもオスカーにノミネイとされている。ほかに、「数奇な人生」の ブラッド ピット、「ミルク」のショーン ペンが推選されている。オスカーは、ショーン ペンが取るだろう。
「ミルク」とは、アメリカ史上 初めて自分がゲイであることをカミングアウトした政治家、ハーベイ ミルクの半生を描いた映画だ。1970年代の ベトナム反戦、人種差別やゲイの市民権獲得の運動の激しいうねりのなかで、ミルクは銃撃されて殺される。このとき彼の死をニュースで見て 当時のことは、よく憶えている。ゲイ差別を人権獲得運動として捉えようと 努力していた。ほとんどの人々は どう捉えてよいのかわからないでいたし、社会は変わり者が 突然出てきて殺されたという程度の理解だった。いまでは ゲイなど珍しくもないし、自分の心の中のゲイは、だれでも持っている。そんなミルクのことが映画化されて、オスカーの対象にまでなって、嬉しい。
アメリカ社会が やっと黒人大統領を迎えるまでに成長し、やっと、ハーベイ ミルクを失ったことを追悼している。やっと、ここまできたのか、、と感慨深い。
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