2006年7月25日火曜日

オペラ 「トランドット」


昨夜オペラ、「トランドット」(「TURANDOT」)を見た。 オペラオーストラリア定期公演、オペラハウスにて。音楽:オーストラリアオペラバレエオーケストラ。

毎月 税金36%を給料から引かれて、気が狂いそうになっている貧民が 月に2度もオペラ観るなんて尋常でないが、たまたま1年のうちで観たいオペラが この時期が重なってしまっただけ。



トランドットは 笑わない冷血残酷無比のプリンセスの名前だ。絶世の美女、ということになっている。征服欲の強い彼女は 次々現れる求婚者に 3つの質問をして正解でないとブーっとブザーを押す、、、 という訳ではなくて、無慈悲にも首をはねる。戦争を仕掛けて 近隣諸国の国々を攻めて、征服した国の国王を 野に放して野たれ死にさせる。

しかし、そんなかつての国王の息子プリンスが こともあろうにトランドットに心を奪われてしまう。彼は3つの質問に挑戦して みごとに夫となる資格を得る。

ひねくれプリンセスはどこの誰かわからない名も知れぬ男など婿にできないと、名を聞きだそうと必死になる。そこで 彼に心を寄せる乙女を 取り捕まえてきて 拷問して死なせまでするが、名がわからない。やきもきしているうちに、この男に プリンセスは 唇を奪われてしまう。そして、その男の熱いキスで、氷の心がとける。

で、名前を聞かされた彼女は 夫となる男が、敵国のプリンスだったとわかるが、父親の国王に 婿の名を聞かれて、トランドットは 胸を張り 誇らかに彼の名は「LOVEよ」と言う。ハッピーエンドのオペラだ。

このオペラで プリンスが トランドットを前に、愛を請う美しいアリアは、冬季トリノオリンピックの開会式で、パバロテイが歌ったし、スケートで金メダルを取った荒川静香がこの曲で滑ったので皆 有名になった。

実際オペラは、敷居が高いように思われるかも知れないが、中で歌われている歌は、皆が知っている曲が多い。本当はプッチーニもロっシー二も ビゼーもワーグナーも私たちの身近にいる訳だ。

オペラ嫌いになる人は その道の通みたいなのが、**のテナーはA音が出てなかったとか、ミラノのどこどこの劇場は 音響が悪くてフォルテが効かないんだとか、誰にもわからんような意味不明のことばかり言って、ごく普通の清く正しく食い寝て稼ぎ、たまに舞台も観たいという正しい生活している人に、正しいオペラの案内ができる専門家がいないからだと思う。数学嫌いとか毛虫嫌いと同じ。

オペラの舞台のおもしろさは、特別。毎回驚きがあって楽しい。今回の舞台ではトランドットが NHK紅白歌合戦の小林幸子の衣装借りてきたみたいな服で歌った。 絢爛豪華な服を身に纏った 巨大なガスタンクみたいな 体の大きなプリンスが、歌っているうちに可憐な少女に見えてくるところが 観ていて本当におもしろい。 合唱団も 少年少女合唱団も総出演で豪華な舞台だった。3人のピンパンポンも、とても声が通って、美しいテノール、バリトンを聴かせてくれた。


テナーの主役が風邪で倒れて、急遽、西オーストラリアのパースから借りてきたプリンスだった。 で、、、そのプリンス 動きが少なくて、オイコラーお前、つっ立ってるだけで女に惚れられると思うなよと、どなりそうになった時もあったけど総じて、声ののびが素晴らしく、とてもよかった。