2025年9月4日木曜日

ドネツク地方に独立自治を

ロシアウクライナ戦争が始まったのは、2022年2月22日ではない。この日に、プーチンが突然トチ狂ってロシア領土を広げようとしてウクライナに侵攻したのでもない。

米国は一貫してロシア国内に親米反共産派を作る工作をしてきた。2004年ウクライナのオレンジ革命と呼ばれる政変で、米国CIAの力を借りて親米ユーチェンコが政権を取った。これを後にオバマ大統領が、この政変は米国が指導したものだったと認めている。
このとき反ロシア、ウクライナ愛国主義者たちは、ウクライナ国内の少数民族であるクリミア人、ドンバス人にすさまじい暴力をふるって弾圧した。ゼレンスキーは、CIAの勧誘に乗って親米ウクライナ民族国家を夢見て、ミンスク停戦合意を破り、ロシア住民が多数住むドンバス地方に軍を送り、ロシア系住民を弾圧したため2600人の犠牲者が出ている。

もともとドネツク州、ルガンスク州ではロシア側とウクライナ側とでは、互いの武装勢力の間で火種が絶えなかった。
ドンバス地方の住人の多くはロシア人のアイデンティティを持っていて、65万人がロシア国籍を持ち、ロシア人のパスポートを持ち、選挙の時はロシアの投票もしてきた。
ロシアは2022年2月21日、ドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国を承認し、議会の承認を得て、2月22日にウクライナに宣戦布告をした。

ウクライナがクリミアとドネツク州、ルガンスク州の独立自治を認め、彼らに自治権を与えていれば戦争は起きなかった。
プーチンのウクライナに対する要求は、この時以来1ミリも変わっていない。
ウクライナのゼレンスキーはもともとロシア語で育ち、ロシア語で教育を受けてきたユダヤ人だ。ロシア人同様ロシア正教会に通っていた。2021年ミンスク合意を破り、ドネツク地方を攻撃し、彼らの自治独立を脅かした。ロシア語を禁じ、ウクライナ語で国を統一した。ロシア正教会を禁じ、欧米に従いカトリック教会に変更し、クリスマスも国家行事も変更した。2022年に18歳から60歳までの男子に国家総動員令をだした。

クリミアは2014年にすでにロシア帰属を住民投票で決めている。いまさらクリミアを含めてウクライナの領地として奪還するまで欧米の武器供与を得て戦争を続けるなど、ゼレンスキーの夢に過ぎない。ゼレンスキーは世界中の同情と資金と武器を集めて回り、世界中に別荘などの個人資産を蓄積した。

ゼレンスキーはどんなに欧米の武器供与を続けてもらってもロシアには勝てない。開戦時からプーチンの要求は変わらない。要求通り、クリミア、ドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国の独立自治を認めるべきだ。独立が承認され国民投票が行われるまで戦争は続く。民族の血は、国境線よりも強い。国境を守るよりはそれぞれの民族の自立を守るべきではないか。

写真はウクライナのドローン


2025年9月1日月曜日

ネオナチを許すな

オーストラリアでは市民の間で、パレスチナ支援、イスラエルに即時停戦を求めるデモが、毎週日曜日に全国の各州、州都で行われてきた。8月3日のシドニーでのハーバーブリッジデモでは10万人から30万人の人が集まり、8月17日にも10万人に近い市民がデモに加わり、31日もシドニー、メルボルン、ブリズベン、アデレイド、パースで同様のデモが行われた。「良心」のためのデモとでもいえる市民によるデモは、それだけで終わってはいけないが、貴重だ。しかし昨日31日は、極右によってニュースがハイジャックされた。

残念なことに、「反移民」を標榜するナショナリストによる「オーストラリアのための行進」というデモが、各州の州都で行われ、1万5千人が集まったという。この中でもネオナチグループは、メルボルンのあるビクトリア州議会に押しかけて政府に抗議をしたが、その際にアボリジニの集会を襲い、女性を含めた人々に暴力をふるい怪我をさせ、12名の極右活動家が逮捕された。

連邦政府は、ネオナチのシンボルや旗を、公共の場で掲げることを禁止していて、違反者には実刑と罰金が科される。にもかかわらずメルボルンでは黒服に黒旗、ナチ式敬礼をして行進したグループがあって、即警官に囲まれて解散させられ、あわてて黒服をリュックサックに詰め込み、シャツを着替える少年たちの姿もテレビニュースカメラに収められていた。

彼ら、反移民グループのスローガンは、「LOVE IT OR LEAVE IT」(オーストラリアを愛せ、愛せないなら立ち去れ)というもので、主張する内容は、「オーストラリアでは毎日1500人の移民が押し寄せて、住宅不足で家賃が跳ね上がり、住むところがないのに、インフレのせいで物価が上がり生活が苦しいのは移民のせいだ」というもの。
これらの主張は連邦政府によって、ことごとく否定、却下された。労働党政権のアルバニー二首相は、「反移民、ナショナリスト、極右グループは、情報不足で事実を知らない。政府はこのようなデモを受け入れられない。移民を憎み国を分断させるような行いは断じて認めない。」と言い、内務大臣トニーバークも、「彼らはUNーAUSTRALIANだ。」(オーストラリア人じゃない)と断じた。多文化大臣アンネアリーも、野党党首のスーザンリーも「レイシズムは許さない。」と言った。オーストラリアでは昨年1年間に、4万5千人近くの移民を受け入れたが、その数は前年よりも少なかった。

オーストラリアでは第1次世界大戦後、人口が600万人を切ったため、戦後大規模な移民政策をとってきた。今になって人口2697万人になったが、国土は米国と同じ大きさで日本の21倍あるのに、人口は日本の5分の1に過ぎない。国民の40%は外国生まれだ。現在もスキルワーカー:手に職を持った移民を必要としている。いま問題になっている住宅不足も家を建てるための労働者:大工、レンガ職人、ペンキ屋、電気技術者、などが不足しているため家が建てられずにいる。また老人人口の増加にともなう医療技術者不足も問題になっている。政府は必死で若い人たちに助成金を出して技術者を育てようとしている。私の職場も看護師不足が深刻だ。

メルボルンを中心とした各州でネオナチのまねをして黒メガネ、黒服、黒旗をもってヒットラー敬礼で嬉しがっている子供たち、、、馬鹿なことやってる暇があったら職業訓練校に行って大工やペンキ屋職人や看護師の資格を取って働いてみなさい。少しは新しい移民に来てもらわなくても済む日が来るかもしれない。きみたち移民の子、大きく目を開き移民国家に貢献してみなさい、と言い聞かせたい。