2024年10月9日水曜日

黄色い旗を持て!

10月7日シドニーの真っ青な空に、沢山の黄色い旗がひるがえり、風に吹かれてはめいた。何も書いていない黄色い旗。
豪国ではイスラエルに停戦を求め、44000人余りの命を奪われたパレスチナを支援するデモが、毎週土曜日に各地で、ずっと行われてきた。
しかしイスラエルが本格的に戦線を拡大し、レバノンに侵攻し始めてから豪国政府は、ハマスとレバノンのヒズボラの旗を公共の場で持ったら、テロリスト組織の一員とみなして逮捕拘束し、豪国のビザをキャンセル、母国に強制送還する、と発表した。すでに逮捕者が出て警察で取り調べを受け保釈の身でいる。
これに抗議して、ヒズボラの旗でなく、黄色いが、何も書いていない旗を人々はもってデモをした。凄いパワーだ。勇気が出る。

1年前、2023年20月7日、パレスチナのガザで、ハマス政権の軍事部門は3000人の戦闘員をイスラエル領内に送り、1200人の土地占領者を殺し240人の人質を取った。
なぜか
パレスチナは1967年以来イスラエルの占領下におかれ、2007年パレスチナ自治区の民主的選挙によってハマスがガザを統治するようになってからは、この占領地が完全に高い塀で封鎖され、産業基盤が破壊され、水も電気も自由に使えなくなり、230万人の住民が、わずか365平方キロの土地で、貧困ライン以下の生活を強いられてきたからだ。土地を奪われ生活の糧を収奪され,、日々イスラエル占領者の暴力と嫌がらせを受けてきた飢えた人々の、これは反逆だった。
10月7日の越境攻撃を、イスラエル、米国、NATO加盟国、豪国はハマスによるテロだと断定したが、イスラエルという入植者による暴力と占領をはねのけるアラブ民族の反乱、天井のない監獄に閉じ込められてきた人々の自由と解放を求める行為だったと考える方が理にかなっている。

1周期を経て4万4千人のパレスチナ人がイスラエル軍によって殺され、今も殺され続け、それを支援してきたレバノン人も数千人の死亡者が出ている。
イスラエル軍はまず病院と学校を破壊した。ガザに入ったジャーナリストを狙い撃ちして殺している。外国人ジャーナリストだけで130人の犠牲者が出た。いまや、PRESS の防弾チョッキを着ていると狙い撃ちされるので現地に残っている記者たちは平服で活動している。国連の勧告も、国際刑事裁判所の命令もイスラエル政府は無視している。
イスラエルはハマスの政治局長、イスマルハ二ヤをイランで暗殺した。レバノンの宗教指導者、ハサンナスララをベイルートで暗殺した。
西側諸国はハマスとヒズボラをテロリストと言うが,、ハ二ヤとナスララの居場所を突き止めて暗殺するようなイスラエル秘密警察モサドを本当のテロリストというべきではないか。世界中に散らばるユダヤ資本の豊富な資金でイスラエル秘密警察は、どんな卑劣なこともできる。

ハマスに10月7日家族を殺されたり人質に取られたイスラエル人の話を報道で聞いて驚いたのは、これらの被害者の怒りがハマスではなく、イスラエル政府に向けられていることだ。銃を持った兵が侵入してくる恐怖の中で、鍵のかからない部屋のドアを開けられないように17時間ドアノブにしがみついて家族を守った父親。道路に死者が沢山倒れているのに、5時間も警察の出動が遅れたこと、ガザとの境界線で住む入植者の怒りは、イスラエル政府に向けられていた。彼らもまた政府の言う通り入植した普通の人々だったのだ。

ハマスとヒズボラの旗を持つことで、豪国警察に拘束され、ビザを奪われ、母国に強制送還になる危険を脅かされても、黄色い旗を持つ人々は居る。人類の歴史は抵抗の歴史だ。日本でむかしインターナショナルの歌が禁じられた。「立て」の「た」を言ったところで人々は治安維持法で逮捕された。しかし人々は歌詞を変えて歌うことを止めなかった。それも禁じられたら、こんどはハミングで歌った。ハミングも禁止されたら、肩を組んで心の中で歌うだろう。それをだれも禁止できない。

「インターナショナル」と「ワルシャワ労働歌」を歌ってみた。
I am singing [ INTERNATIONAL] and [ WARSZAWIANKA ]


2024年10月3日木曜日

イスラエルはレバノンから手を引け

脳の中で警報が鳴り響いている。この1週間でマスコミによる報道の色合いが変わった。
イスラエル軍によるレバノン空爆、ミサイル攻撃に加えて地上侵攻がすでに始まった。レバノンの国際空港は閉鎖された。米軍はイスラエル軍をサポートするために軍隊を送り、地中海に空母を据えて睨みを利かせレバノンからのミサイルを撃ち落としている。激しい爆撃の中を、ベイルートの20万人の市民は、ガザ市民同様、どこに避難しろというのか。

豪国政府は、レバノンへの戦争拡大に反対するデモで、ヒズボラとハマスを支持し、彼らの旗や写真をもってデモに参加した者は、テロリスト組織の者と断定して拘束し、豪国のビザをキャンセルすると発表した。
豪国は4人に1人は外国生まれ、豪国国籍を取らずに永住権を得て一生豪国に暮らす人の多い移民国家だ。日本は2重国籍を認めないから私も永住者、30年近く家族もみな豪国で暮らしている。日本には40年余り住んでいない。もし明日パレスチナ支援デモで、ヒズボラかハマスの旗を振ったら、ビザを奪われ40年余り住んだことのない、兄弟や親類も居ない日本に強制送還される。
ビザを取り上げられるということは移民にとって最も恐れることだ。戦火を逃れ命からがら難民となったアジアやアフリカから来た人々や、差別から逃れて移民してきた人にとって、もとの国に帰れ、ということは直ちに死を意味する場合もある。
即時停戦、戦線拡大反対を主張して、イスラエル政府にプレッシャーをかけてきたのは、国連がこの数か月やってきたことだ。世界中の心ある人々の主張してきたことだ。ハマスに連帯して旗を持って何が悪い?

世界の暴力団 米国とイスラエルが暴れ放題をやって、パレスチナ市民を4万4千人以上、レバノン市民を数千人殺して、まだ殺したりない。血に飢えた顔で米国は、「平和と民主主義のために停戦を求める。」と言い、言葉に反して武器をイスラエルに送り続ける。年間38億ドルの武器では足らず、追加予算で140憶ドルの武器を送る米国。
これをチャンスに、ユダヤを批判するものはすべてユダヤ人迫害主義者だと、主張してパレスチナ民族殲滅を、もう1年間も続けてきたイスラエル。イスラエルに「即時停戦、イスラエル軍撤退、パレスチナ自治区を取り戻し、自治政府を認定し、西バンクのイスラエル人セトラーによる土地を返還する」要求は国連が国際法に従って主張してきたことだ。理性を持つすべての人の主張ではないか。
さらにイスラエルは最もしてはいけないことをした。レバノンのシーア派宗教指導者ハサン ナスララを暗殺したこと。これはバチカンの法王を殺すようなものだ。ナスララという人々の心に支えになっている宗教のリーダーを殺したということは、軍のトップコマンダーを殺す以上の大きなインパクトを持つ。
ネタ二ヤフは昨日「今が古くからの敵を抹殺する絶好の時だ。」と言い放ったが、ユダヤ人の敵はイスラムではない。

ハマスはテロリストではない。パレスチナのガザ自治区で民主的に選ばれた政権だ。そして、ヒズボラも、テロリストではない。レバノンの軍隊の中で60%の多数を占める軍隊組織だ。
米国とイスラエルの張ったテロリストというレッテルを、そのまま信じてはいけない。
米国とイスラエルは、その血に染まった手を戦線から引け!

古くからの友人、吟遊詩人スーマ―作詞作曲の「夜明けまで」を歌ってみた。
I am singing [ TILL DAWN ] by SUEMARR.