2009年4月13日月曜日

ジャパニーズ コミック


これほど何も 観るもの 聴くもののない時期も珍しい。

オーストラリアチェンバーオーケストラ(ACO)は、海外遠征中で 留守にしている。
オペラは 「魔笛」と、「ムスチェンクのマクベス夫人」を観た後は、7月まで何もない。

映画はアカデミー賞発表前後まで、見ごたえのある良い映画がたくさんあって、たて続けに観て 心に残る作品がたくさんあったが、今はすっかり 残りカスみたいな映画ばかりで 全然見る気になれない。

アシュケナージがせっかく 今年常任指揮者になったのに、シドニーシンフォニーオーケストラも、彼の指揮するコンサートが予定にない。

いつになっても成長 変化の兆しのない ブランデンブルグオーケストラは わざわざ 聴きに行く気になれないし、現代音楽ばかり演奏するようになってしまった デビッド オールデイングのオーストラリアアンサンブルも カクテル食事付きの演奏会チケットをもらっても行く気にはなれない。

オーストラリアバレエは 小作品ばかりをつなぎ合わせただけのパフォーマンスで、財政難を感じる分だけ 見にいけば みじめになるだけだ。 ミュージカルも目新しいものはない。

イースターホリデイは、静かに家で 教会音楽 パイプオルガンに賛美歌でもききながら 漫画を読むしかないのか。

このところ 漫画をたて続けに200冊以上読んだ。 今、続いているもので、最も気に入っているのは やはり井上雄彦の「バガボンド」と、「リアル」だ。 どちらも絵が美しく、せりふが気が利いていて、ストーリーから目が離せない。素晴らしい作力だ。

もう完結してしまった漫画のなかでは、「二十世紀少年」が 一番おもしろかった。最後の最後まで「ともだち」がわからない。 はなしをどんどん広げていきながら、登場人物も増えていって 最後まで読者をみごとに引っ張っていった筆力に 脱帽。感動。

シドニーには古本屋が2軒。日本人は数千人、手に入る漫画が限られている。
日本ではもう とうに 完結して忘れられているのかもしれないが 小畑健の「ヒカルの碁」全23巻と、一色登希彦の「ダービージョッキー」全19巻が とてもおもしろくて 最後まで飽きなかった。 今まで全然知らなかった 囲碁の世界を「ヒカル君」に教えられたし、まったく興味のなかった競馬の世界をダービージョッキーに登場する沢山の馬や上杉圭君に教わった。

まだ知らずにいて 触れたことのない世界がたくさんある。漫画がそれを教えてくれて 嬉しい。