2008年6月17日火曜日

映画「インデイージョンズ クリスタル スカルの王国」



団塊の世代は年をとらない。
昨日、1メートルの距離で2時間話し込んだオージーに 30代だと思ってた と言われた。べつに、嬉しくもない。戦争、汚職、拡大するばかりの貧富差、世の中何ひとつ良くならない。年を取っている暇がない。いま、20代の若い女性の4割が、専業主婦になりたいそうだ。若者の老年化、団塊世代の若年化。

「ダイハード4」の ブルース ウィルス、「ラッシュアワー4」のジャッキー チェン、「インデイージョーンズ4」のハリソン フォードも、全然年を取らない。頼もしい。 大学で、考古学を教えるインデイーの姿は、年相応に見えるが いったんスパイに取り囲まれれば 大暴れ。機知と感に頼ってサバイバルする姿は、19年前のインデイーと全く変わりない。いまでは、父親のショーン コネリーは 亡くなったらしく教授に机の上の写真立てにおさまっていたが、新たに息子が出現、「SON」と呼んでも怒らない素直な青年だ。前作では、父のショーン コネリーがインデイーを「ジュニア」と呼ぶたびに、地団駄を踏んで怒っていたインデイーだったけれど。

インデイージョーンズは、冒険少年物語だ。映画を観れば 絶対面白いからお勧めする。君は、子供のとき「宝島」、「ロビンソンクルーソー」、「ハックルベリーの冒険」、「岩窟王」、「紅はこべ」、「アルセーヌルパン」、「シャーロックホームズ」、「ラミゼラブル」、「15少年漂流記」、「マルコポーロの旅」、「ジンギスカン」などなどに夢中にならなかったか?こんなに面白い物語を読んで夢中にならない子供がいたら、私は悲しいが、まだ遅くはない、この映画を夢中で観ることをお勧めする。

象牙の塔の考古学者は つい世界の財宝探しにのめりこみ 辞職に追い込まれたり、ロシアスパイに拉致されたりするけれど、宝物は必ずあるべきところに返して、ハッピーエンドだ。でもそこに落ち着くまでには、何度も何度も どでんがえしがあって、引きずり込まれて本当におもしろい。映画を観ていて ずっとこのまま映画が終わらなければいいなあ と思った。ヤングテイーンでいっぱいになった映画館で インデイーを見ながら、ハラハラドキドキ、時々キャーとか叫びながら 愉快な冒険の時間を共有することができる自分で良かったと思う。 この映画の出来は、最低とか、非現実的とか、いろいろ批判の論評を目にするが、そんな視点でしか映画を楽しめない老人性若者は、可哀想だ。早く老いて早く死ぬだろう。

インデイージョーンズ シリーズの第4作
監督:ステイーブン スピルバーグ
原案、製作:ジョージ ルーカス
配役:ハリソン フォード、ケイト ブランシェット シャイヤ ラブーフ、カレン アレン

ストーリーは、
かつて、ペルーのある山奥で、水晶でできた脳をもった人々が 謎の王国を築いていた。1957年、この王国を発掘したインデイーら考古学者によって 研究のために、水晶の頭骸骨のひとつが持ち出された。この水晶の頭蓋骨を科学的に解明できれば、王国が隠し持っていた財宝が手に入れられる。ウクライナのスパイの頭領ケイトブランシェットは、インデイーを拉致して、水晶の頭蓋骨と、謎の王国を探させる。

ロシアスパイの追求から、命からがら逃げだしてきたインデイーのところに、自分の母親がぺルーのジャングルで 囚われの身になっているので、助けて欲しいという青年マット(シャイヤ ラプーフ)が現れる。青年に託された手紙を読んでインデイーはペルーに即決で飛んで、青年と二人の冒険が始まる。捕らわれていたのはインデイーのかつての恋人,マリオン(カレン アレン)だった。青年がかつて自分とマリオンとの間にできた実の息子だったと知らされて、がぜんがんばるインデイー。
拉致されていた老探検家も引き連れて ロシアスパイと追いつ追われつ水晶の頭蓋骨の奪い合いが繰り広げられる。  という、お話。

蛇が苦手なインデイーが 底なし沼に飲み込まれて死にそうなとき、すかさず蛇を投げてよこすマットが、「蛇に捕まれ」というが、インデイー、首まで泥につかっても、がんとして蛇には触りたくない。で、マリオンとマットが蛇じゃない、「綱につかまれ」と叫んで、やっと目をつぶったインデイーが蛇につかまって泥沼から救出されるシーンには大笑い。インデイーは、こだわりのある、学者だから おかしい。

ステイーブン スピルバーグはユダヤ人だから、前作のインデイーでは第2次世界大戦が背景で、ナチスドイツが悪役だった。スピルバーグなりに、親の敵をとったつもりだろう。
彼の「シンドラーのリスト」も 当時、戦後30年たって、人々に忘れ去られるアウシュビッツの恐怖を 再び人々に提示してみせた。ユダヤ人として、やっておかなければ気がすまない彼なりの仕事だったのだろう。その後、「ミュンヘン」を製作したが、これで、ユダヤ人としての仕事は充分した、と、本人も満足したのではないだろうか。
今回のインデイーはロシアが悪役。ケイト ブランシェットの美しさが、軍服姿で、きわだっていた。
楽しい冒険少年物語だった。