2010年12月6日月曜日

情報は誰のものか ウィキリークは正しい


1972年、ウォーターゲート事件で 民主党を盗聴させていた共和党のニクソン大統領は 事実が発覚されて、辞任に追い込まれた。これを情報収集し公開して 事件の契機を作ったのはワシントンポストのボブ ウッドワードら二人の記者だ。彼らは ヴェトナム戦争の主役だったニクソンを辞任させ 英雄となり 政府の機密情報を公にした罪には問われなかった。
田中角栄元首相の金権政治とその体質を報道した立花隆や、朝日新聞の筑紫哲也は 人々から支持されこそすれ 罪に問われなかった。人々は事実を後から知る。権力を持った者が隠している人々が知るべき事実を いちはやく報道 公開する人は 勇気ある人だ。

デモクラシーはアメリカの国是。
民主主義国家では 全ての情報が自由に与えられ、討議され、決定されなければならない。ひとりの偽政者が都合の良い情報だけを国民に与えて世論操作して 私腹を肥やしていた時代は過ぎたはずだ。天皇や キングや ツアーや 軍人が 愚民化政策で国民に目隠しをして やりたい放題やっていた時代は過ぎ去ったはずだ。嘘の切っ掛けを作って 戦争を始める時代も終わったはずだ。

いま私たちは たくさんの情報をネットを通して得ることが出来る。インターネットは 情報を中央から下ってくるのではなく、横に広げ 個人の家に持ち込むことを可能にした。だから 中国で民主活動家達や作家やクリスチャンや少数民族の人々が弾圧され、情報を政府にコントロールされたまま ゴーグルが権力の脅しによって撤退せざるを得なかったことを、残念だと思う。

偽政者が自己保身のために 都合の悪いことを隠蔽するならば、それをハッカーして公にすることは罪ではない。ハッカーは 情報を公開することで 何の利益も得ていないからだ。情報を売るのではなく無料で知りたい人に公開しているからだ。
今、私たちは ウィキリークによって、「イラクに民主主義国家を建設するために」アメリカがやってきたイラク戦争で アメリカ兵がゲームを楽しむように イラク市民を殺すシーンを見ることが出来る。アメリカの横暴なパワーが 国連で はるかに勝っている姿を知ることが出来る。サウジアラビアから莫大な資金を得ながら、影でテロリスト呼ばわりしていた クリントンの姿を見ることが出来る。ケビン ラッドが中国語で語り 中国との外交を重要視するそぶりを見せながら、クリントンには イザと言う時は中国への軍事行動を提案していたことも知ることができる。
サダム フセインは大量殺戮兵器を持っていなかった。これが 今なら、明確な事実だが、これを当時発言したCIA職員は 懲役刑に処せられていた。

事実は 私たちのものだ。情報はあなたのものであり、私のものでなければならない。得た情報を どう使うかはその人次第だが、知るべき事実を公開する勇気ある動きを 止めてさせてはならない。ウィキリークは正しいことをしている。

人の評判を落としたい時 一番卑怯で効果的なのは その人を性的に貶めることだ。いつの時代も 拷問では性暴力が 最も効果的に行われてきた。性暴力は人を文字通り ボロボロにする。人にとって 最もセンシテイッヴな部分だからだ。
マレーシアのマハテイール元大統領は 優れた独裁権力者で 反対勢力を許さなかった。大統領選挙前に出馬した 副大統領だったアンワー サダットを 同性愛行為強要の容疑で逮捕して、彼の選挙活動を封じ込めた。眼科医の妻と おしどり夫婦で民主化運動をしてきたアンワー サダットの政治家としての死は 同性愛を毛虫より嫌うモスリム文化の中で、実に巧みに演出された。
ウィキリークのファウンダー ジュリア アッサンジに、レイプ容疑がかかった。作り話だ。各国政府は 秘密を暴露されることで政権の安泰が脅かされ戦々恐々としている。何とかして ウィキリークの口を封じたい。
しかし、ジュリア アッサンジが何をしたというのだ。政府の隠したい情報を公にしただけではないか。もともと情報とは誰のものなのか。
情報とは私たちのものだ。それを公開して私たちの手にして 何が悪い。
ウィキリークは正しいことをしている。