だから、
税金も社会保険料も払わないで済むように、学生も主婦も、月に10万円程度の給料以上にならないように、時間を調整しながら働いている、という。
また5千人以上の大企業で働く女性の70%が非正職員で、同じ5千人以上の大企業で働く男性の70%が正社員という雇用形態を保っている。女性がいかに優秀でも時給1000円で働け、学生は親に、女性は夫に食べさせてもらえ、ということのようだ。
男女差別の醜い日本。
50年前大学でマスコミを学び、小さな業界紙新聞社に入り、女性の編集記者は初めてと言われ嬉しかったが、醜いセクシャルハラスメントを受けて1年後に退社。ずっと女性が働ける職場と思ってナースになった。悲しかったのは、新聞社に入社したとき、5人の男の新入社員同士で、ものすごく結束して仲が良くて、互いに新米で叱られながらも強い友情で結ばれていた。だけど1年後に社長からハラスメントが起きた時、嘘のように5人の結束が消えてみんな瞬時に離れて行って、孤立無援になったことだ。誰も話を聞いてくれなかった。今思い出しても胸が痛い。
オーストラリアに移住して30年目に入る。いまもナースをやっていて、オージー同僚たちに、日本の自慢話をしている。
実際日本の都立病院に居た頃、美濃部都知事の計らいで、ナースの為には寮も、保育所も確安で用意されていた。大きなナース用のロッカーがそれぞれにあって、その日に着た白衣は、備え付けのエアシューターで地下3階に送ると、翌々日にはパリっとアイロンがかかった綺麗な白衣が届けられた。風呂もシャワーも完備していた。「白衣をドーンとエアシューターで落っことすと、ピューンとアイロンのかかった白衣が届くんだよ。クリーニング代無料だよ。50年前の話だよ!!!」と言うと仲間の誰もが目を丸くして「日本ってすごい」と感嘆してくれる。その病院で2人の娘を持ち、職場の高い窓から下を見ると、よちよち歩く娘たちを含めた幼児らが病院のテニスコートで遊んでいるのが見下ろせた。真冬でも半そで短パンの幼児たち。幸せだったころの話。そんなのをオージー同僚はしっかり羨ましがってくれる。日本も良いことろが沢山あった。
しかし制度的にはこの半世紀、50年もの間、何も変わらず、女性は男性に食べさせてもらわなければ生きてこられないという、なんという差別社会。
オーストラリアでは正社員の時給より、非正職員の時給がずっと高い。非正職員には、年次有給休暇や有休の病欠がないので、当然だ。私は年6週間の有給休暇は絶対きっちり取る。
最低賃金は正職員で時給$24.10(2506円)、非正職員で$30.13(3133円)これはワーキングホリデイで来ている若い人も、バイト学生も共通で、最低賃金を守らない雇用主は罰せられる。
給料のほかに、給料の12%を雇用主は、それぞれの職員の積み立て年金に入金する義務がある。また12%は自動的に国民健康保険に引かれる。税金額も20%くらい引かれる。額面と実際の受取額のすごい違い! だから毎年給料アップを求めてフツーにデモをやる。
こうしてこの国で30年近く働いてきて、職場のセクシャルハラスメントや男女差別は感じないが、パワーハラスメント、ボスからの虐め、管理職のポジション争いの醜いやりとりは、しっかりある。自分が働く目的意識を持ち、常に向上意識をもたないと、蹴落とされるし、職場に留まっていられない。それは、どんな職場にも言えることだと思う。働くと言うことは、生きる事、男でも女でも大変だ。
日本で、職場や地域社会にセクシャルハラスメントを受けた人が、駆け込めるような場がないことは間違っているし、、、非正職員の時給がが正職員の時給より安いなんて絶対、間違っているし、、、シングルマザーが保育園や学童保育に子供を任せて働けないような地域社会は、間違っているし、、、仕事の悩みで自殺者が出るようなことは全くもって、間違っている。
性別に関係なく、年齢に関わりなく、学歴に関りもなく、熱意を持った者が快適に職場で働きながら、結婚したり、子供を持ったり、離婚したり、定期的に旅行したり、職場の仲間と誕生日を祝い合ったり、年を取っても大学で学びなおしたり、趣味を楽しんだりできる社会が、ぜんぜん間違ってないのだ。