2022年6月29日水曜日

パグウォッシュ会議のウクライナ戦に向けての声明

1957年にバートランドラッセルとアインシュタインによって結成されたパグウォッシュ会議がまだ活動していると知って驚いた。バートランドラッセルは私には神様のようだった。父の本棚には彼の哲学書、物理学書、思想書がぎっしり並んでいたが、どれを取って見ても私の脳に理解を超える内容だったが、パグウォッシュ会議が反核のバイブルであることだけはわかった。

パグウォッシュはカナダのノバスコシア州の村の名で、1957年に其処にあるロッジで学者たちが集まって核兵器に反対する会議を持った。1995年にはこの会議がノーベル賞を受賞している。
ラッセルはベトナム戦争では、サルトルとともに米国を糾弾する国際戦争犯罪法廷を開廷するなどして、生涯活動家でありながら、1970年に97歳で亡くなった。
このパグウォッシュ会議が、今回のウクライナ戦について声明を出していて、その会議の提言が100%的を得たものなので、書きだしてみる。

1)即時停戦
2)現在のウクライナからすべての外国軍及び外国の軍事施設の全面撤収
3)ウクライナ内部のドンバス地域の自治を地方行政および言語的アイデンテイテイ―の見地から承認する。
4)クリミアをロシア連邦の一部として承認する。クリミアにおける2度の住民投票はロシア連邦への復帰を支持した。
5)ウクライナとロシアの国境、または他の国との国境を超える人々の移動を自由を保障する。
6)ウクライナからのロシア軍の撤収後はロシアに対する制裁は解除されなければならない。
7)ウクライナの中立的な地位を強調する明確な合意、特にウクライナはNATO加盟をしないことが了解される必要がある。
8)ウクライナの平和的な経済復興のために包囲活的なプログラム、EUの新たな安全保障の仕組みをめぐる新たな交渉が開始されるべき。それは全体にとっての不可分な安全という考え方に基つくものでなければならない。以上だ。

トーマスメンデスの「CUCURU CUCU」を歌ってみた。ついでに日本語と英語に訳してみた。
あの男は泣いてばかりいる 何も食べず 酒を浴び 痛みを忘れるために 空に向かっておのれを呪い 哀れみ 打ちのめされて
そして死んだ女のあとを追って 死んでいったよ
1羽の鳩が鳴く ひとりきり 夜明けに 鳩はあの男 男は鳩 家のドアは大きく開かれていて 女の帰りを待っている 悲しみに暮れて 鳴き続けるよ 愛する女の魂に 打ちひしがれて 鳴き続けるよ ククルクク 鳩は唄う ククルクク 鳩は鳴く 胸がつぶれるような声で 鳴き続けるよ
I am singing 'CUCURU CUCU’ written by Mexican composer Thomas Mendez. and translated to English.
All He would do is cry Purely flowing river of tears No eating just drinking to down out his pain People shudder with pity to his agony and painful cries How he suffered for her and vainly calls out past the death where she now lies
He died in pain and A sad Dove will sing to him in the morning The dove is his soul Alone in the house with doors open Dove cooing Cucuru cucu Cucuru cucu.





2022年6月19日日曜日

コヴィッド禍2年半

浅川マキの「にぎわい」を歌ってみた。
シドニーは、今真冬でインフルエンザが流行していて、コヴィッドによる死者数を上回りそうだ。過去2年間のオーストラリアのコヴィッドによる死者数は7452人。これは100万人死者数を超えた米国、90万人のインド、50万人と言っているブラジルなどと比べると僅かだ。米国やインドがコヴィッドによる犠牲者数を概算に近い数字で発表しているのに比べると正確な数字だ。

この2年半オーストラリア政府は国民にも、一時滞在者にも、小学生や浮浪者にも、無料でPCRテスト、ラビットテストを実施し、ワクチンをほぼ強制し、自宅死亡者も検査してきた。政府は、PCRテスト、ラピッド抗体テスト、1人3-4回繰り返し打ったワクチン、コヴィッド休業手当、コヴィッド失業手当、事業者手当、小中高校の各教室に換気装置設置、自宅学習用PC貸出、ロックダウンに伴う警備、コヴィッドクリニック新設などなど、数えきれない対策に空前の出費をしている。莫大な借金をこれから私たちは働いて返していかなければならないだろう。

50人の年寄りを預かる施設で働いている。コヴィッドが老人を殺すということで、この2年半感染対策に追われた。面会人の制限、ワクチン、熱発者の隔離などでコヴィッドによる感染死を、完全にくい止めた。しかし職場は過重な人手不足とストレスで職員を失った。辞めて職場を去っていった人は1ダース以上にいる。
私は一番仲の良かった仲間を失った。ドイツ人のナース。今職場に行けば彼女が座った椅子に座り、彼女が使っていたマグにコーヒーを煎れる。彼女のことを思わない日はない。彼女が仕事に出てこないかったので、娘さんに訪ねて行ってもらったらベッドで眠るように亡くなっていた。ハートアタック。コヴィッドがなかったら決して起きなかった。
彼女の死後、また別のフィリピン人のナースがストロークを起こした。ナースの彼は50代で、パブで会おうぜー、と誘うと決して断らないで、やってくる気の良い奴だった。
その後、もう一人まだ40代のタイ人のキッチンスタッフがストロークを起こし完全回復に至っていない。ハートアタックもストロークも血管の中に異物が詰まって心臓や脳の動きを止める。コヴィッドによるストレスが原因だ。たった50人の患者数、70人のスタッフの小さな施設で、短い2年の間に3人もの仲間を失うなど誰が想像しただろう。失ったものが大きすぎていまだ総括できない。コヴィッド禍がいかに医療現場にすさまじい跡をのこしたことか。

大学では当時脚光を浴びていた文芸学部でマスコミを学び、業界新聞社に勤めた。夫の赴任でフイリピンに居た時はインターナショナルスクールでバイオリン教師を5年間やった。シドニーに来てからは医療通訳と公立病院のナースをやって、今の職場に移って16年勤めている。様々な職業を経て来て、医療従事者はやはり責任が重くてストレスも多いとつくずく思う。やりがいがあるがタフな仕事で犠牲も大きい。しかし、その時その時に自分の興味に即した職種に就くことができたことは幸運だったと思う。

人は若いころどんなに贅沢で派手な暮らしをしていても、年を取り歩けなくなり、ひとりきりバッグひとつで老人ホームに入り、シングルベッドで死んでいくものだ。それを16年みてきた。それでも最後に良い人生だった、幸せだったと言って去っていきたい、と思っている。
I am singing ' Past prosperity' written by Maki Asakawa.



2022年6月14日火曜日

ロシアに独裁者はいらない

国が戦争をするには何が必要だろうか。
上部構造は下部構造に規定される。戦争をするためには経済力がなければならない。経済の在り方によって社会も国家も成り立っている。ロシアは唯一、エネルギー産業のみに依存する国家で、物を生産する産業を育ててこなかった。軍事力があってもそれを支える経済が強力でなかったら戦争を続けられない。
そもそもロシア革命を主導したレーニンは、最も指導者の官僚化、帝国主義的権威を憎んでいた。彼の著作「組織論」では指導者は長くその職にとどまるべきではなく、独裁者を作らぬように討議の上、組織は常に新陳代謝を図るべきだと、繰り返して、言っている。プーチン独裁者には引退を。そしてロシアはいま、これ以上の経済的損失と人的損失を防ぐために撤兵しなければならない。

ロシア兵もウクライナ兵も、戦線を離れろ。これ以上ロシア市民とウクライナ市民を苦しめるのをやめてくれ。あなた方も市民ではないか。クリミアのロシア帰属はクリミアの市民が決めたことだし、ドンバス2州では、国境線をどう引くか、ではなくその地の住民が決めることではないか。

ベット ミルダーが歌ってヒットした「THE ROSE」 を訳してみた。
愛は大河 強い葦も沈めてしまう 愛は刃 魂を切り裂く 愛は飢え 果てしない飢餓 愛は花 あなたはその一つの種 傷つくことを恐れ 踊ることも知らず 目覚めるのが怖くて チャンスをつかもうともしない 与えることもしない そんなことで 愛は得られないよ  長い夜に ずっとひとりきり 道が遠くてたどり着けない 運の良い人とか、強い人しか愛が得られないって思うのかい だけど 考えてごらん どんな厳しい冬 雪の下に居る種は やがて太陽の光を浴びて 芽を出して 薔薇の大輪の花を開くよ
I am singing 'THE ROSE' written by Amanda McBroom, sang by Bette Midler.