2013年9月12日木曜日
ラリアの関節痛よさらばの春
日本は暑い夏から ようやく秋めいてきた様子。日本の秋は一年のうちで最も美しい季節。
外国で暮らしていて、「あきこ」とは、どういう意味か、と問われることがある。私の「あきこ」は 文章の「あき」からきていて、先祖の淡路島の洲本にいた古東領左衛門の孫の孫あたりの古東章叔父さんからもらったものだ。素晴らしく美しい字を書く人で、文章も上手だった。でもそんなことを説明しても、外国人にはわからないから、アキは「秋」で、コは「子供」。オータム チャイルドという意味だよ、と。秋は日本では 山々が紅葉し、果物が実をつけ、高い山々には純白の雪を抱く、最も美しい季節なのだよ、と説明する。だから、私の職場では、ふざけて私のことを オータムチャイルドと呼ぶ人もいる。
南半球のオーストラリアでは日本のこの時期が、春になる。
今年は、いつの間にか木蓮が咲き始めたと思っていたら、梅も桃の花も桜も藤の花もいっせいに咲き出して満開になって、さっさと散っていった。街路樹のイングリッシュパイントリーも、杉も、樫も一斉に芽吹いて葉をつけた。そんな春の到来が 今年はことさら嬉しかった。冬の間、関節炎が痛んで、指も手首も腰も膝も顎まで痛くなり いつになっても改善せず、もうこのままずっと痛みを抱えていくのかと、暗澹たる気持ちになっていたからだ。
人の体は50年も60年も 何の問題もなく使えるように設計されていない。
人は、重い頭を支えて、何十年も立ったり歩いたりしてきたから、年を取れば誰でも 膝や腰が痛くなる。すり減って無くなった軟骨のあとに関節が変形してきて神経を圧迫して痛むから、まわりの筋肉を鍛えて、同じ動きをしても痛まないような迂回路をつくって、とりあえず炎症や痛みを回避することが大切だ。そのためには、1にも、2にもストレッチをすること、それだけが解決策と言ってよい。ステロイドの関節注射や鎮痛剤やマッサージや温泉などは、一時的には良いが、解決策にはならない。
一番こたえたのは指の第2関節の腫れと痛みだ。むかしヴァイオリンで酷使してきた。物をつかむのに力が入らない。人に握手されると 飛び上るほど痛い。錠剤を手のひらにとるが、曲がらない指の間をぬけて落とすばかり。コップを落として割る。ドアに鍵が入らない。夜中、痛みで目が覚める。
毎日、30分の自転車こぎ、30分のストレッチ運動を冬の間、ずっと続けた。指が動かなくなると困るので、ギターを始めた。自分で弾くだけでは続かないと思って、先生について習い始めた。薬指が曲がらないのでGコードもFコードもちゃんとした音が出ない。それでもレッスンは楽しく、ギターを背中に背負って電車で先生のスタジオに通った。
1にも、2にも ストレッチ。これを続けていけば必ず効果が出ると 確信しているくせに、努力が全然報われないのではないか、ずっとずっと痛いままではないのか、と自問自答の毎日。
ようやく、気温の上昇とともに関節の可動域が広がって、痛みが軽減してきた。1にも、2にも ストレッチ。人にいつも言い続けてきたことが、自分でもよくわかった。当たり前なことだけれども、努力は必ず報われる。痛みは必ず軽減する。月並みな言葉だけれど、真実だ。とても嬉しい真実。明けない夜はない。冬の後には、必ず春がくる。
写真は、ワラタ(WARATAH)の花。葉から2M以上の長い茎を持ち、その上に真紅の美しい花をつける。オーストラリアのネイテイブの花で、ラグビーチームの名前にもなっている。花(鼻)の下が2Mあるなんて、どんだけ女たらし!