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2024年9月20日金曜日

戦争に暗躍する秘密警察

どうして北アフリカには象やキリンやシマウマがいないのだろうかと、ずっと不思議に思っていた。どうしてガゼルやライオンやピューマが、サバンナでくつろいでいるのを見るために、セレンゲテイまで行かなければならないのか、長い間疑問に思っていた。
それが、数千年前にローマ帝国がコロシアムで、グラデイエイターと戦う見世物のために、数千頭の野生動物が連れてこられて殺されたからだったと知って、強い衝撃を受けた。
紀元前700年代に狼に育てられたロムルスによって建国されたローマの物語、「ガリア戦記」のカイサルの目の覚めるような活躍、トライアヌス皇帝の物語に惹かれてローマ帝国が大好き人間だったが、一瞬でその思いが吹き飛んだ。

殺すのが大好きなヒト。殺すのを見物するのが大好きなヒト。

9月17日からレバノンの国中で、数百のポケットベルが爆発して死傷者4000余りが続出している。
あちこちで、ポケットベルが遠隔操作によって爆発し、レバノンのコミュニケーションシステムが破壊された。人の多く集まる市場で、祈りをささげるモスクで、学校で、日々働く人々のオフィスで、ポケットベルが爆発している。これからもっと死傷者は増える。
レバノンのヒズボラは人々に、外国情報機関にコントロールされる可能性のあるスマートフォンを避けて、ポケットベルを使うようにアドバイスしていた。数が月前にヒズボラが注文した数百個のポケットベルが手元に届くまで、税関でイスラエル秘密警察のモサドが、ポケベルを解体しリチウム電池を爆発物に交換し、それが暗号でメッセージが送信されたときに爆発するように細工した。英国の秘密エージェントMI-6も、これに加担したことを認めている。

ヒトは殺すのが好きだ。殺すのを見物するのも好きだ。

ゴリラは戦いが起きた時、殺し合わない。ボスのシルバーバックが両者の間に大きな体を割り込ませて、大きな目でじっと見つめるのだと言う。思慮深いゴリラに見つめられて両者は興奮が冷め、互いに敵意がなくなって、争ったことを恥じるようになるのだのだという。
なぜ、ヒトはゴリラ並みの知性と品格と良識をもてないのだろう。

Why there is no Elephants, Lions, Giraffes in the North Africa? Why I have to go South Africa to see Cheetahs, Leopards, and Panthers? I have been wondered long time. The answer is since before the Christian Era, Roman Empire abducted thousands, thousands animals, hunted, putting in small cages ,bring to Roma and forced to fight with Gladiators in Colosseum.
Human loves killing and human loves to watch killing. That is human history.
From 17 September hundreds pager devices exploded in Lebanon and more than 4000 people injured and some were dead.
Since several months ago Lebanon, Hizbulla had urged advised to people to avoid smart phone, which can be controlled by foreign intelligence services, and advised to use pagers to receive messages and alarm. Hizbulla ordered hundreds pagers from overseas, and during shipment to Lebanon, the secret services manipulated pagers.
Later manipulated pagers exploded and children's limbs blew up, driving Ambulance cars flied away to the sky, women shopping at market burned their faces, office workers lost their eyes, and 4000 people victimized.
The secret service MOSSAD and UK agent MI-6 involved in the affair, MI-6 told to media.
A human loves killing and loves to watch killing.
In the Gorilla society, they never kill each other and a big boss Silver Back used to stay between one and other while argument occur. The boss stay and gazes, stares each of them until they calm down and both are ashamed them selves.
Why human can not obtain humbleness, discretion, wisdom, modesty, and enlightenment, like a Gorilla.
I am singing [ Don't Look bank in Anger ]



2024年9月18日水曜日

おべんとう

豪国には給食と言うものがないから、子供たちは幼稚園から高校を出るまで学校にお弁当を持っていく。
お弁当の中身がピーナツバターを塗っただけの食パンだったり、ニンジンとバナナだったりすることで、日本から来たお母さん方はびっくりする。私も初めてバナナとリンゴを持って行く子を見て、上野動物園の飼育係が持っていたゴリラのランチそっくりだと思った。

写真はスーパーマーケットで売っているミニトマト、ミニキウリ、ミニキャロットの写真で、一口サイズなのでお弁当に最適だ。ヒトは社会的な動物で、男も女も社会に参加するようになったから、専業主婦という言葉は21世紀に死語になった。みんな忙しいからお弁当は簡単な方が良い。
お弁当というと優しいお母さんが毎朝作ってくれたお弁当に良い思い出を持っている人が多いかもしれないが、私の母は家事が大嫌いだった。母は子供の時から爺やと婆やに世話されて、2人の兄にチヤホヤと大事にされてきた。兄たちに両側から手を取られてベレー帽、ロングスカートにハイヒール姿の母が、銀座を闊歩する写真を見たことがある。父と一緒になって家事をすべて任されて、いつも機嫌が悪かった。その母は79歳で癌で亡くなったが、2か月違いで2人の兄も亡くなっていた。本当に仲が良かったのだ、だから兄達に両腕を任せながら幸せに旅立ったのだと思って、悲しくなくて、幸せな気持ちで見送った。

一方の父は、70歳まで早稲田の政経で教壇に立ち、「メシ食いに来い」と、どの学生にも声をかけていたから、家には書生のように半分住み着いているような学生が何人もいた。母が怒るわけだ。私は 小学校ではアメリカに押し付けられた脱脂粉乳のミルクとコッペパンの給食を食べていたが、中学になると、怒れる母のお弁当を持参することになった。
ある日、お弁当箱を開けると白いご飯の上に小さなコロッケがひとつ、その上を弁当箱の蓋をギュっと押し付けられて、破裂コロッケが飯の上で無残な姿でのびていた。それをみたガキどもが「大内の弁当すごい!」と騒ぎ出し、見物人数えきれず、、、。
運悪く翌週は課外学習で、お弁当は海苔巻きだった。きれいに細巻き干ぴょうを巻いたのを、切って器に入れてくれればよかったものの、シャレたつもりか竹の皮で包んであった。背負って走り回ったザックの中は洗濯機状態。前の姿が想像できないくらいに変形していた。それもなぜ忘れたのか、切っていない。長いままの細巻きのヒョロヒョロが、ザックの底で転がっていた。以来、「大内の弁当すごい!」は、半径50メートル内では有名だった。

今私が住むシドニー中心に、マーチンプレイスという日本でいう霞が関のようなビジネスオフィス街がある。そこに昼間だけ屋台の果物屋がいくつか店を出す。ボトルの水や果物のバナナや洋ナシやリンゴを1個ずつ売る。小さなパック入りのイチゴやスイカやパイナップルもある。ビシッと背広三つ揃いを着たビジネスマンが、パック入りのイチゴを買うなり、歩きながら食べる姿を見ると、健康的でいいなあ、と思う。子供も大人も健康的でいいなあ、と思うけれど、私は誰かが作ってくれたご飯を2段、海苔で2階建てにして、上品な出し巻き卵と佃煮が乗ったお弁当が食べたい。



2024年9月14日土曜日

スイミング効果

2年前に、職場で体重124キロのおばあさんの車椅子を押して、膝を骨折した。
重い車椅子の方向を変えようとして無理な動きをしたらしい。職場では、慣れないことをするからだ、看護補助を待たなかったのが悪い、そんなことで簡単に骨折する骨って、砂糖でできているのか、毎日骨折だねー、と散々こき下ろされて笑われて、しばらくふてくされていた。
リハビリに水泳が良いと言われて、6月の南半球では真冬だったが近所のジムの温水プールで泳ぎ始めた。

その水泳を今でも続けている。まる2年と3か月。
自分でもよく続けてきたと思う。久しぶりに水の中に自分を浸してみた時、自分の体が喜んでいるのがわかった。ヒトも動物も植物もみんな生き物は、海から来たのだ、と言うことが実感できる嬉しさだった。半分沈みながら、ゆっくり泳いでみると、だたそれだけで嬉しい。しばらく水の上で浮かんで大の字になって漂っていると、大地と水と空が実感できる。無限に体が自由になったようだ。時々自分がイルカになったり、アメンボウになったりする。
毎朝6時にジムが開くのと同時にプールに飛び込むと、そのうち朝日がゆっくり昇ってくる。ビル最上階にあるジムの良さだ。300メートルほどを1時間かけて泳いで、帰りは,開いたばかりのベーカリーでバケットか、クロワッサンを1個買って帰ってくる。
ジムで友達もたくさん出来た。早い時間に行くので、その頃に来る人々はジムで汗を流した後、あわただしく職場に向かう。中国人のIT、スリランカの会計士、フィージーのペンキ屋、オージーの障害児学校の先生、、結構深刻な社会問題を水の中で話したりもする。
これを書いていて、なんか自分がとても贅沢で、満足っぽい生活をしている、と感じる。怪我の功名というのか。74歳、現役のナース。こんな健康な生活がずーっと続けられますように、、、。

作詞作曲:福田満「うたと薔薇」を歌ってみた。
I am singing [ POET-ROSES ] written by MITSURU FUKUDA.



2024年9月11日水曜日

ソーシャルメデイアへの弾圧

デモに行こう、のアジビラをロウ紙に鉄筆で書いて謄写版で1枚1枚刷った世代だ。赤と黒の2色刷りに成功した時は嬉しくて嬉しくて、あの歩きにくい砂利の成城大の中庭を駆け回った記憶がある。
だから集まれ、とひとことメッセージするだけで一瞬に世界中に拡散されるというソーシャルネットワークのことはあまりよくわかっていない。
でも世界が変わり、地球上の富の半分は20数人の富裕者が所有している、と聞けば腹が立ち、GAFAが世界の富を握っている、と知れば不愉快きわまりない。

ロシア人でソーシャルネットワーク「テレグラム」所有者のパベル ドウロフ(39歳)がフランスで拘束された。
「テレグラム」は米国主導の西側ソーシャルメデイアと異なり、ロシアでニコライ、パベル ドウロフ兄弟によって作られたソーシャルメデイアで、今や月間10億人の利用者がいる。個人やグループでボイス、ビデオ、ファイルやメッセージをシェア出来て、20万人までのグループ活動を可能とする。2014年にロシア政府に個人情報の提供を要求されたが拒否したことで、起こりうる政府の圧力から逃れるために、ヘッドクオーターをUAEのドバイに移した。WHATS APP やLINEよりも安全性が高いのと言われるのは、メッセージやファイルが読まれた後、自動的に消去できるからだそうだ。いまロシアウクライナ戦の情報を報道する独立系ジャーナリスト達に、大いに利用されている。
パベルは、8月24日、自家用ジェット機でパリに着き、その場で逮捕された。当人はマクロン大統領に夕食に招待されていたのだそうだ。マクロンは、かねてからパベルにテレグラム社の本拠地をドバイからパリに移してほしいと提案していた。
パベルがロシアとUAEの国籍に加えて、フランスの国籍を与えられたのはマクロンによる好意(賄賂)のようなものだったろう。

パベルは、「違法取引をするプラットホームを管理している。それがチャイルドアビューズや、麻薬取引に悪用されている。」という理由で逮捕、起訴されたのち保釈されたが、今後取り調べが続き、フランスから離れられず、自宅のあるドバイには帰れない。
マークザッケンバーグや、イーロンマスクは、彼らのもつソーシャルメデイア利用者の個人情報に、CIAやM16や政府が検閲することに同意した。テレグラムが犯罪組織に利用されるリスクは、フェイスブックやインスタグラムやワッツアップやラインも同様だ。しかし国家がいつでも情報を引き出せる西側ソーシャルメデイアは野放しにして、思い通りにならないメデイアは潰そうとする。大国のエゴが、パベルへの弾圧という形で現れた。
ジャーナリズムが潰され報道の自由が名ばかりになった、と言われて久しいが、いまはパベルのもつソーシャルメデイアの受難を見守っていきたい。
Telegram Messenger owner Pavel Durov (39Y) Russian was arrested on August 24 by French police, when he stopped off his private jet that had landed in Paris. He lives in Dubai where he has Emirati citizenship.
He told he was travelled to Paris because he was invited dinner by French President Emmanuel Macron. Macron has been lobbying the entrepreneur to move his Telegram base of operation to France from Dubai, and Pavel was given French citizenship by Macron.
Telegram has grown worldwide nearly 1 billion monthly users, one of the major message apps and social media.
Pavel was charged complicity in crime ranging his social platform permits criminal organizations to trafficking drag and abuse children. The charge tells the owner of social network platform as being responsible for complicit in the content of the network is preposterous.
By content Western-base social media such as WHATS APP or LINE, FACE BOOK, INSTAGRUM or X ,Western controlled internet companies are allowing [ Back Door Access ] to supposedly private information for US and EU Authorities. The content of Western apps is also tainted with crime network and horrendously sordid material. That is why Mark Zuckerberg or Elon Musk never be arrested with same charges to Pavel.
In fact, Telegram is independent media network that is not controlled by Western regimes. Pavel is unable to leave France. and waiting the outcome of cybercrime investigation.
The Western authorities are killing free speech and independent social media.
I am singing [ I am a Rock ] by Simon & Garfunkel.



2024年9月9日月曜日

移民効果

移民、難民が他国に流入してその国の労働者の職を奪っている、という説が豪国では否定された。長いこと、戦争や経済的困窮によって移民してきた人々が、低給与でどんな悪い待遇でも働くので、国の若い人々の仕事を奪い失業率が上がる、という説が有力だった。そのため外国人労働者を差別し、忌み嫌う風潮があった。その最たるものは豪国の白豪主義だったし、ヨーロッパではいまも難民や移民を襲って命を奪ったり、迫害する差別が横行している。

昨年1年で豪国に移民してきた人は、留学生を合わせると、765、900人、人口2660万人の国で、これだけのひとが国境を越えて入国したため、豪国の失業率は、3.7%の下がって、2.5%の経済上昇がみられた。国銀は利上げを年末まで伸ばす予定だ。
世界的に不況にあえぐ米国金融業界に踊らされる世界経済の中で、インフレと物価高で、生活は苦しいが、労働者が増えたことにより移民による経済上向きの傾向は良い知らせと言える。
ヨーロッパや、米国では、毎日のように難民がボートや徒歩で渡ってきて、それを完全武装の国境警備隊が、暴力的に追い返したり、英国のようにルワンダに強制輸送したりしている。前大統領トランプは、米国メキシコ国境に壁を築いて移民難民排除を徹底し、自国保護主義を取ったが、ヨーロッパもそれに続いている。しかし、豪国のようにグローバルサウスから手に技術を持った人々を積極的に受け入れる政策は、経済力を高めるだけでなく、国力を強化している。

命からがら自分の生まれて育った国を捨てて、他国に逃れてきた難民を、良質の移民にするのは、ひとえに国の受け入れ態勢による。難民を、公的資金によって全国各地で語学教育と職業訓練を提供すれば、難民による都市への集中や、米国のような移民のスラム街への流入、犯罪の多発といった現象はくい止めることができる。

資本主義社会の当然の結果としておきて来ている気候変動と戦争、こうした人間の災難のなかで、その国が生き残れるかどうかは、その国力による。国力とは労働力のことで「人口」の多い国が強い国だ。また国力とはその人口を支える「農業」のことだ。しっかりした農業を基盤の持つ、人口を沢山抱えた国が生き残る。農業政策が疎かにされている日本の今の姿が残念に思える。移民をどんどん受け入れると同時に、農業を振興させてほしい。
I am singing [ THE BOXER ] By Simon & Garfunkel .





2024年9月3日火曜日

みんなお家に帰りたい

18年余りシドニーで、老人特別介護施設でナースとして働いている。癌末期、MS、アルツハイマー病、精神分裂病、人口経管栄養、筋ジストロフィ、人工透析、先天的身体障害など多種多様な患者をケアしている。ナースの仕事は主に、疼痛対策のモルフィネ投与、点滴注射、経管栄養、尿管管理、傷の手当などで、アシスタントナースが行う、食事、排せつ、シャワーなどの世話がスムーズにできるようにマネージする。それらを記録、報告するとともに患者家族との連絡も大切な仕事だ。
老齢の患者は、多くがアルツハイマー病や譫妄も併発していて異常行動が出る。歩き回ってじっとしていられない、スタッフや他の患者に暴力をふるう、机や家具をたたいて大きな音を出す、夜中じゅう意味不明の言葉を発する、着せてもすぐに裸になってしまう、食べ物を探してゴミ箱をあさる、性的な嫌がらせをする、など色々あるが、それを記録してスタッフと話し合い対策を考える。

この施設が病院と違うところは、ここが人生の終着駅だということだ。入口はあるが、出口は葬儀車の通用門だけ。どんなに華々しい豊かな人生を送った人も、つまずいて酒とドラッグでボロボロになった人も、お金もちも、貧しい人も、ハンサムで鳴らした人も、障害を持って苦労を重ねた人も、みんなみんな、カバン1つ持って入所してくる。
だからスタッフは、患者たちを自分の家族の一員のような思いで受け入れる。わたしが見送った人はの数は限りない。

すこし昔のことになるが、53歳で交通事故にあい、5歳以下の知能になってしまった人が忘れられない。もと農場主で大きな体をしているのに歩くのも走るのも、その表情も5歳の男の子のまま、わたしが出勤するのをドアのところで待っていて、入っていくと飛び上がって喜んでくれる。仕事中もずっと離れない。書き物をしていると、のぞき込む表情など5歳児そのものだった。眠れないときはベッドの横に座ってララバイを歌った。でもあっけなく感染症で遠くに旅立ってしまった。
歩行器でやっと歩けるおじいさんが、どうしても外出したいと言って聞かない。家族も友人もいない人なので、仕方なくスタッフの1人を付けて、思い通り外出させた。夕方おそく歩行器に2つの袋を下げて帰ってきた。うれしそうに1つの袋を別のスタッフ、もう1つを私に。中身はビスケットだった。そんなことのために大騒ぎを起こして街に行った優しいおじいさん。その頭の中では、自分が昔所有していた工場で、良く働いてくれる女工に甘いものを1つ、ご褒美に渡してやる、というような気持だったのだろう。

面会時間が過ぎると出入口に鍵をかけるが、それを見てパニックを起こす患者もいる。鍵をかけられ、閉じ込められて「もう家に帰れない」ではないか。みんな家に帰りたい。
それで私から鍵を取り返そうとした譫妄患者に、壁まで押されて首を絞められたことがある。また、何が契機か、怒って重いイスをかざしてスタッフを追い回す患者に手を焼いて警察を呼んだことも1度や2度ではない。済んでみれば笑い話だが、なかなかナースは危険な仕事でもある。

みんなお家に帰りたい、という。その家は、80歳90歳の患者たちが施設に来る前に住んでいたアパートや、結婚相手を失くして1人で住んでいた家ではない。自分が両親や兄弟と暮らしていた子供だったころの家だったり、結婚したばかりの幸せだった頃の家だ。だからみんな帰りたいお家はもうない。私にできることは、お家に帰りたいと泣く患者に「明日になったら一緒に行こうね。」「何色のお家だったっけ。」と話を聞いて、寝かしつける事だけだ。
わたしも、娘たちが独立して家庭を持ち、夫を見送り1人暮らしになって6年。東京から沖縄、レイテ島、マニラ、オーストラリアと移り住んできた。じきに老化して脳が委縮するだろうが、そのとき自分が帰りたい家はどこだろうか。願わくば、可愛がっていた沖縄生まれでマニラで逝った愛犬が,ちゃんと待っていてくれて迎えに来てくれると嬉しい。

I am singing [ Home Sweet Home] written by Henry Bishop.
Japanese lyric by Tadashi Satomi.