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2023年12月3日日曜日

停戦を!

ガザのイスラエル軍によって占拠されていたアルナスル小児病院に、7日間の一時停戦が合意された11月25日、病院職員たちが病院に戻って見たものは、5人の未熟児が酸素チューブにつながれたまま腐敗した遺体だったという。病院が占拠されて17日間、ベッドで腐敗するままになっていたのは未熟児だけではなかっただろう。

7日間の停戦中にガザに入ったジャーナリストらは、口をそろえてガザ北部は人が生存できる場ではなくなったと叫び、2か月間水、電気、ガス、ガソリンが止められ、100発単位で爆撃を受けると、150万人の人々に何が起こるか、悲鳴に近い声で報告した。「国境なき医師団」(MSF)の4台の救急車が破壊され重なって燃やされている。200人余りの医療従事者が命を落とした。

そして停戦協定が破られ、再びイスラエルによる一方的で前より激しいガザへの攻撃が再開した。すでに1万5千人の死者、そのうち7000人は子供で、瓦礫の下ごとに千人単位の命が埋まったままになっている。市民のガザ北部から南部への移動を強制したイスラエル軍は、避難民であふれかえっている南部ハンユニスの指定された避難場所を爆撃で人々もろとも破壊した。エジプト国境近くのラファの街も爆撃を繰り返している。南に避難しろと追い立てて囲い込んでおいて、市民を殺傷している。
バニーサンダースは「米国は国際法や私たち自身の良識に反する行為に加担すべきではない。」と、ごく当たり前のことを言っただけで、それが「号外」になって米国議会で騒ぎになっている。議会にまともな人間はいないのか。狂っている。

最新兵器を誇るイスラエル軍がどんなに狂暴でも、365平方キロ四方の壁の中で、56年間侵略され避難民となった220万人のパレスチナ人を抹殺することはできない。600万人のユダヤ人を殺したナチもユダヤ民族浄化はできなかった。人は限られた土地で、ユダヤ教徒も、ムスリムも、クリスチャンも手に手を取って生きる以外に方法はない。停戦を!

写真は「はだしのゲン」全10巻英語版。シドニーにできた紀伊国屋でよく売れていると聞いて、嬉しくなって写真を撮った。少しでも多くの外国人に読んでもらいたい。優れた反戦漫画。作者は中沢啓治1973-1987、少年ジャンプで連載が始まった。英語版は2000から出版が始まり2009に完成した。